ポルピュリオスの樹
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ポルピュリオスの樹(ぽるぴゅりおすのき、ラテン語: Arbor porphyriana、英語: Porphyrian tree)は、プラトン派のポルピュリオスが考案した樹形図[1]。古典的な認識論的分類システムの一つ。範疇論の古典として知られるアリストテレスの『範疇論』とその入門書であるポルピュリオスの『エイサゴーゲー』は、その両方がポルピュリオスの樹を基礎として議論を展開した。更にそれらの起源は、プラトンの「ディアイシス」の概念まで遡る。
例
[編集]批判
[編集]ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインは、特定のカテゴリーの階層的分類が不可能であると主張し、代替案として家族的類似の概念を導入した。
ミシェル・フーコーは、『言葉と物』で、ポルピュリオスの樹は、空間性と時間性に拘束されていると批判している。また、フーコーは、『知の考古学』において、ポルピュリオスの樹の恣意性を指摘している。
ポストモダンからの他の批判には、知識の比喩として根茎を用いたドゥルーズとガタリのものがある。
関連項目
[編集]ノート
[編集]- ^ James Franklin, "Aristotle on Species Variation", Philosophy, 61:236 (April 1986), pp. 245-252.
脚注
[編集]この記事には現在パブリックドメインである次の出版物からのテキストが含まれている: Chambers, Ephraim, ed. (1728). "Arbor Porphyriana". Cyclopædia, or an Universal Dictionary of Arts and Sciences (1st ed.). James and John Knapton, et al. p. 128.
参考文献
[編集]- Sources
- Porphyry, Isagoge (Porphyry's Introduction to Aristotle's 'Categories'.)
- Porphyry's Introduction, translation and commentary by Jonathan Barnes, Oxford, Oxford University Press, 2003.
- Studies
- Asztalos, Monika. (1993). "Boethius as a Transmitter of Greek Logic to the Latin West: The Categories". Harvard Studies in Classical Philology, 95 (1993), pp. 367–407.
- Blum, Paul Richard. (1999). Dio e gli individui: L' Arbor Porphyriana nei secoli XVII e XVIII. Rivista di filosofia neo-scolastica 91: 18-49.
- Franklin, James. (1986). "Aristotle on Species Variation". Philosophy, 61:236 (April 1986), pp. 245–252.
- Kretzmann, Norman. (1966). William of Sherwood's Introduction to Logic (Minneapolis: University of Minnesota Press, 1966).
- Martin, John N. (2001). "Proclus and the Neoplatonic Syllogistic". Journal of Philosophical Logic, 30:3 (June 2001), pp. 187–240.
- Peter of Spain. (1947). Summulae Logicales, I. M. Bocheński (ed.) (Turin: Marietti, 1947).
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、ポルピュリオスの樹に関するカテゴリがあります。