マガン
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マガン | |||||||||||||||||||||||||||
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マガン Anser albifrons
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保全状況評価[a 1] | |||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Anser albifrons (Scopoli, 1769) | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
マガン | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Greater white-fronted goose |
マガン(真雁[1]、Anser albifrons)は、カモ目カモ科マガン属に分類される鳥類。
分布
[編集]北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部で繁殖する[2][3]。
- A. a. albifrons ヒメマガン
- A. a. flavirostris キバシマガン
- A. a. frontalis マガン
- A. a. gambelli オオマガン
形態
[編集]全長65-86センチメートル[2]。翼開張135-165センチメートル[2]。体重2-3キログラム[4]。上面の羽衣は羽毛の外縁(羽縁)が淡色の暗褐色で、後部につれて黒みが強くなる[5]。腹部には不明瞭な黒い横縞が入る[3][5]。尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)は白い[5]。額から嘴にかけて白い斑紋が入る[2][3][a 2]。種小名albifronsは「額が白い、前頭が白い」の意で[1]、英名(white-fronted)と同義。
分類
[編集]- Anser albifrons albifrons (Scopoli, 1769) ヒメマガン European white-fronted goose
- Anser albifrons flavirostris キバシマガン Greenland white-fronted goose
- Anser albifrons frontalis マガン Pacific white-fronted goose
- Anser albifrons gambelli オオマガン Tule white-fronted goose
生態
[編集]「キュユユ」「クワワワ」と大きな声で鳴き、飛び立つ時や飛翔中によく鳴く[6]。地上や水上では互いに頸を水平に伸ばして「グァァァァ」と低い声で鳴いて挨拶をする[6]。
繁殖形態は卵生。主にツンドラの低地の湖や河川のそばで繁殖する[4]。3-7個の卵を産む[3]。抱卵期間は24-28日[3]。雛は孵化してから35日で飛翔できるようになる[3]。
人間との関係
[編集]万葉集に「ぬばたまの夜渡る雁はおほほしく幾夜を歴てか己が名を告る」とあり、古くから夜に鳴く習性が知られている[7]。
日本では亜種マガンが狩猟により生息数が激減した[a 2]。日本では1967年に「伊豆沼・内沼の鳥類およびその生息地」が本種の越冬地として、1971年に種として国の天然記念物に指定され、狩猟が禁止されている[a 2][7]。日本での亜種マガンの1970年における飛来数は3,700羽、1997年における飛来数は34,000羽と推定されている[a 2]。
- A. a. frontalis マガン
画像
[編集]-
亜種マガン
A. a. frontalis
脚注
[編集]- ^ a b 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社、2008年、298-299頁。
- ^ a b c d e f g h 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版、2000年、101頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、28頁。
- ^ a b * バードライフ・インターナショナル総監修 山岸哲日本語版総監修 『世界鳥類大図鑑』 ネコ・パブリッシング、2009年、122頁。ISBN 978-4-7770-5242-4
- ^ a b c d 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、84頁。
- ^ a b c 叶内拓哉、阿部直哉、上田秀雄『山渓ハンディ図鑑7 新版 日本の野鳥』山と渓谷社、2014、30-31頁。 ISBN 978-4-635-07033-1
- ^ a b 川上洋一『絶滅危惧の野鳥事典』東京堂出版、2008年、26-27頁。ISBN 978-4-490-10730-2
- ^
The IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2009. Anser albifrons. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
- ^ a b c d e f g h 環境省 自然環境局 生物多様性センター