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マグナパウリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マグナパウリア
生息年代: 75–67 Ma
マグナパウリア
地質時代
白亜紀後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 鳥脚亜目 Ornithopoda
: ハドロサウルス科
Hadrosauridae
亜科 : ランベオサウルス亜科
Lambeosaurinae
: マグナパウリア属
Magnapaulia
学名
Magnapaulia
Prieto-Márquez et al.2012
シノニム
  • Magnapaulia laticaudus

マグナパウリア Magnapaulia は、メキシコ合衆国南部バハ・カリフォルニアの後期白亜紀の地層から知られるハドロサウルス類の属の一つ。マグナパウリア・ラティカウドゥス Magnapaulia laticaudus一種で構成される[1]。マグナパウリアは1981年にウィリアム・モリスによってランベオサウルスの種である可能性のあるものとして記載された[2] 。そして2012年にマルケスらによって独自の属を与えられた[1]

発見と命名

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LACM 17712の鱗の印象化石

1968年から1974年の間に、地質学者ウィリアム・モリス率いるロサンゼルス郡立自然史博物館の探検隊がバハ・カリフォルニア、エル・ロザリオ近くのサイトで巨大なランベオサウルス亜科を発見した。モリスは1981年に模式標本 LACM  17715 に基づいてランベオサウルス?・ラティカウドゥス Lambeosaurus? laticaudus を記載した。これは部分頭骨を含む部分骨格である。モリスはその同定には自信がなかったので、疑問符を付けることを忘れなかった。なぜなら本種は完全なクレストが見つかっておらず、固有の形質が見出せなかったからである。頭骨のうち、知られている部分がランベオサウルスに最も似ていると考えられた。種小名ラテン語で「幅の広い尾」を意味する。モリスはその巨体と、幅広い尾の形質、四肢が華奢であることが水棲適応の結果であると考察し、本種は半水棲生物だったと考えた[2]。1981年と2012年の間に、他の記載者たちもランベオサウルスの種である可能性に同意した[3]ヒパクロサウルス[4][5] あるいはその近縁属である可能性も示唆された[5]

2012年、アルベルト・プリエトマルケス、ルイス・キアッペ、シャンタヌ・ホシにより、別属として命名された。属名はラテン語の magnus(大きい)とロサンゼルス郡立自然史博物館の館長であるポール・ハーガ・ジュニアの名の組み合わせである。2012年の研究で化石はエルガロ累層カンパン階、約7360万〜7300万年前の年代のものであると結論づけられた。LACM 17698、17699、17700、 17702-17713、17716、17717、LACM 20873-20876、そして LACM 20883-20885、これらの標本が調査された。これらはホロタイプから3m以内の場所から見つかっており、部分頭骨、分離した骨、皮膚印象が複数個体分、様々なサイズの物が確認された。2012年、体骨格の完全な再記載が行われた[1]

記載

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骨格復元とサイズ比較

マグナパウリアの特筆すべき点はその巨大さと尾の高さである。尾は神経棘と血道弓によって上下に拡張されており、ヒパクロサウルスのそれに似ている[2]。原記載者による推定では、全長は15m〜16.5mの間、体重は28t以上とされた[2]。マルケスらはより小さく見積もって12.5mとしたが、依然として既知のランベオサウルス亜科としては最大の地位についている。既知の最大の標本は LACM 17712 で、本来の大きさが 803mmと推定される大腿骨を含んでいる[1]

2012年の再記載で、2つの新しい固有形質が提唱された。尾の付け根の血道弓が尾椎本体の4倍の長さで、正面の接合部の尾の付け根の椎骨において顕著である。神経棘表面前方の深い溝に入り込むお椀型の突起を有する[1]

マグナパウリアの生体復元図

脊柱には、少なくとも背中の中央から尾の中央まで、ほぼ連続した高さの背の高いうねが、椎骨中心の約4倍の高さで形成されていた[1]

マグナパウリアは、皮膚印象を残す多くのハドロサウルス類の中の一つである。LACM 17712 の尾は幅4cm以上の鱗や骨質のオステオダームを有する。オステオダームは丸い鱗よりも小さく、長さ1cm以上の六角形である[2]

系統発生

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尾椎
左の歯骨

2012年、マグナパウリアはランベオサウルスとして記載された。2012年の研究には分岐分析も含まれており、同じくメキシコ産のヴェラフロンス と最も近縁な姉妹群で、共にアジアや北米のランベオサウルス亜科とは分岐した南方のクレードを構成するとされた。以下のクラドグラムはその分析に基づいている[1]

テルマトサウルス

ロフォロトン

 ハドロサウルス科 

ハドロサウルス

 サウロロフス亜科 

サウロロフス族

 ランベオサウルス亜科 

アラロサウルス

ジャクサルトサウルス

チンタオサウルス

パララブドドン

サハリアニア

アムロサウルス

パラサウロロフス族

カロノサウルス

パラサウロロフス・キルトクリスタトゥス

パラサウロロフス・トゥビケン

パラサウロロフス・ワルケリ

ランベオサウルス族

マグナパウリア

ヴェラフロンス

ランベオサウルス・ランベイ

ランベオサウルス・マグニクリスタトゥス

コリトサウルス・カスアリウス

コリトサウルス・インテルメディウス

ヒパクロサウルス・ステビンゲリ

ヒパクロサウルス

オロロティタン

出典

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  1. ^ a b c d e f g Prieto-Márquez, A.; Chiappe, L. M.; Joshi, S. H. (2012). Dodson, Peter. ed. “The lambeosaurine dinosaur Magnapaulia laticaudus from the Late Cretaceous of Baja California, Northwestern Mexico”. PLoS ONE 7 (6): e38207. doi:10.1371/journal.pone.0038207. PMC 3373519. PMID 22719869. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3373519/. 
  2. ^ a b c d e Morris, William J. (1981). “A new species of hadrosaurian dinosaur from the Upper Cretaceous of Baja California: ?Lambeosaurus laticaudus”. Journal of Paleontology 55 (2): 453–462. 
  3. ^ Horner, John R.; Weishampel, David B.; Forster, Catherine A (2004). “Hadrosauridae”. In Weishampel, David B.; Dodson, Peter; Osmólska, Halszka. The Dinosauria (2nd ed.). Berkeley: University of California Press. pp. 438–463. ISBN 0-520-24209-2 
  4. ^ Evans, David C.; Reisz, Robert R. (2007). “Anatomy and relationships of Lambeosaurus magnicristatus, a crested hadrosaurid dinosaur (Ornithischia) from the Dinosaur Park Formation, Alberta”. Journal of Vertebrate Paleontology 27 (2): 373–393. doi:10.1671/0272-4634(2007)27[373:AAROLM]2.0.CO;2. ISSN 0272-4634. 
  5. ^ a b Gates, Terry A.; Sampson, Scott D.; Delgado de Jesús, Carlos R.; Zanno, Lindsay E.; Eberth, David; Hernandez-Rivera, René; Aguillón Martínez, Martha C.; Kirkland, James I. (2007). “Velafrons coahuilensis, a new lambeosaurine hadrosaurid (Dinosauria: Ornithopoda) from the Late Campanian Cerro del Pueblo Formation, Coahuila, Mexico”. Journal of Vertebrate Paleontology 27 (4): 917–930. doi:10.1671/0272-4634(2007)27[917:VCANLH]2.0.CO;2. ISSN 0272-4634. 

関連項目

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