マジック・クリスチャン・ミュージック
『マジック・クリスチャン・ミュージック』 | ||||
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バッドフィンガー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1968年7月26日 - 1969年11月21日[2] EMIレコーディング・スタジオ、トライデント・スタジオ、IBCスタジオ、オリンピック・スタジオ[1] | |||
ジャンル |
サイケデリック・ポップ パワー・ポップ バロック・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | アップル・レコード | |||
プロデュース | トニー・ヴィスコンティ、マル・エヴァンズ、ポール・マッカートニー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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バッドフィンガー アルバム 年表 | ||||
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『マジック・クリスチャン・ミュージック』収録のシングル | ||||
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『マジック・クリスチャン・ミュージック』(Magic Christian Music)は、イギリスのロック・バンド、バッドフィンガーが1970年に発表した初のスタジオ・アルバム。前身バンドの"アイヴィーズ"時代も含めれば通算2作目に当たり、アイヴィーズ時代に引き続きアップル・レコードから発売された。ジャケットのデザインはデヴィッド・キング(David King)。
背景
[編集]元々はピーター・セラーズとリンゴ・スター主演のコメディ映画『マジック・クリスチャン』に使われたバッドフィンガー名義の3曲に加え、映画中のケン・ソーン・オーケストラによる挿入曲を含むサウンドトラックをアップル・レコードから発売する予定だった。しかし同じく映画中で使われたサンダークラップ・ニューマンによる「サムシング・イン・ジ・エアー」(ザ・フーのピート・タウンゼントがプロデュースし、ザ・フーが設立したトラック・レコードからリリース)も収録されることになり、アップル・レコードとトラック・レコードの間で販売権に関する悶着が起き、結局両社からは発売されず、英国ではPye Records、アメリカでは極小レーベルのCommonwealth United Recordsから発売された。
そこでアップルは、サウンドトラック盤が発売中止になった際に生じた経費ロスを埋めるため、前述の映画挿入曲3曲にバッドフィンガー改名前のアイヴィーズ時代に録音された曲、そして新録された曲を組み合わせた『疑似サウンドトラック』を企画、それが本作だった。
アルバムに収録されている「マジック・クリスチャンのテーマ」、「ロック・オブ・オール・エイジス」、「明日の風」の3曲は、映画『マジック・クリスチャン』で使用された[4]。「マジック・クリスチャンのテーマ」は作詞、作曲、プロデュースともポール・マッカートニーにより、「ロック・オブ・オール・エイジス」と「明日の風」も、実際にはマッカートニーがプロデュースしたといわれている[2]。1969年8月のレコーディング・セッションを最後に、オリジナル・ベーシストのロン・グリフィスが脱退。9月18日に行われた「ロック・オブ・オール・エイジス」のレコーディングではトム・エヴァンズがベースを弾き、その後「クリムゾン・シップ」、「ミッドナイト・サン」、「雨の散歩道」もグリフィス不在の編成でレコーディングされた[2]。バンドには直後にジョーイ・モーランドが加入したが、ジャケットが彼の正式加入前に完成していたことから裏ジャケットにはピート、トム、マイクの三人のみ画像が掲載された。
アイヴィーズ名義のファースト・アルバム『メイビー・トゥモロウ』は、マル・エヴァンズとトニー・ヴィスコンティのプロデュースにより制作されたが、1969年当時は母国イギリスでの発売は見送られ、日本、西ドイツ、イタリアでのみリリースされた[5]。本作にはその『メイビー・トゥモロウ』から流用された7曲が収録された(但しリミックスされている)。
1970年2月に発売されたアメリカ盤LPは「アンジェリーク」と「ギヴ・イット・ア・トライ」を除く12曲入りとなり、イギリス盤LPではA面に収録されていた「フィッシャマン」がB面の4曲目に収録された[6]。
反響・評価
[編集]母国イギリスでは、本作からの先行シングル「マジック・クリスチャンのテーマ」が全英シングルチャートで4位を記録するが、本作は全英アルバムチャート入りを逃した[7]。一方、アメリカでは「マジック・クリスチャンのテーマ」がBillboard Hot 100で7位に達し、本作もBillboard 200入りを果たして55位を記録[3]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「魅力的なメロディ、軽妙でサイケデリックな装飾、そして何よりビートルズ的なハーモニーを持つ、この時代の楽しめる作品」と評している[8]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はピート・ハム作。3. 4. 6. 9. 11. 12. 14. はアイヴィーズ名義のアルバム『メイビー・トゥモロウ』にも収録されているが、一部の曲はリミックスされた[1]。
- マジック・クリスチャンのテーマ - Come and Get It (Paul McCartney) - 2:21
- クリムゾン・シップ - Crimson Ship (Pete Ham, Tom Evans) - 3:42
- いとしのアンジー - Dear Angie (Ron Griffiths) - 2:39
- フィッシャマン - Fisherman (T. Evans) - 2:24
- ミッドナイト・サン - Midnight Sun - 2:46
- 美しく青く - Beautiful and Blue (T. Evans) - 2:40
- ロック・オブ・オール・エイジス - Rock of All Ages (P. Ham, T. Evans, Mike Gibbins) - 3:16
- 明日の風 - Carry on Till Tomorrow (P. Ham, T. Evans) - 4:47
- 愛のとりこに - I'm in Love - 2:26
- 雨の散歩道 - Walk Out in the Rain - 3:27
- アンジェリーク - Angelique (T. Evans) - 2:28
- ノッキン・ダウン・アワ・ホーム - Knocking Down Our Home - 3:40
- ギヴ・イット・ア・トライ - Give It a Try (P. Ham, T. Evans, M. Gibbins, Ron Griffiths) - 2:31
- メイビー・トゥモロウ - Maybe Tomorrow (T. Evans) - 2:51
1991年再発盤ボーナス・トラック
[編集]- ストーム・イン・ア・ティーカップ[9] - Storm in a Teacup (T. Evans) - 2:31
- アーサー - Arthur (T. Evans) - 3:20
2010年再発盤ボーナス・トラック
[編集]- アンド・ハー・ダディーズ・ア・ミリオネイア(未発表 別ヴァージョン)[10] - And Her Daddy's a Millionaire (Alternate Version) (P. Ham, T. Evans) - 2:26
- ミセス・ジョーンズ (リミックス) - Mrs. Jones (Remix) - 2:20
- サリ・ブルー (未発表 モノ・ミックス) - Sali Bloo (Mono Mix) - 2:46
- シー・ソー・グランパ (未発表 モノ・ミックス) - See-Saw Granpa (Mono Mix) - 3:34
- アイヴ・ビーン・ウェイティング (未発表 未編集 ミックス) - I've Been Waiting (Unedited Remix) - 5:58
参加ミュージシャン
[編集]アディショナル・ミュージシャン
- ポール・マッカートニー - ピアノ(on 1. 7.)、タンバリン(on 1.)、バック・ボーカル(on 7.)[2]
- ジョージ・マーティン - ストリングス・アレンジ(on 8.)[2]
- ビル・コリンズ(当時のバッドフィンガーのマネージャー) - ピアノ(on 12.)
脚注
[編集]- ^ a b c d Magic Christian Music - Apple Records - 2015年2月7日閲覧
- ^ a b c d e f 2005年再発CD(TOCP-67562)ライナーノーツ(藤本国彦、2005年1月)
- ^ a b Badfinger | Awards | AllMusic
- ^ The Magic Christian (1969) - Soundtracks - IMDb
- ^ 『地球音楽ライブラリー ビートルズ』速水丈(監修)、TOKYO FM出版、1997年3月1日、267頁。ISBN 4-924880-88-4。
- ^ Badfinger - Magic Christian Music (Vinyl, LP) at Discogs - アメリカ盤LPの情報
- ^ BADFINGER | Artist | Official Charts - アルバムに関しては「Albums」をクリックすると表示される
- ^ Magic Christian Music - Badfinger | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine
- ^ 1969年にウォールズ・アイスクリームのプロモーション用にアップル・レコードが配布したサンプル用EPに収録された曲。
- ^ アイヴィーズ時代の邦題は『ダディは百万長者』