マミジロアジサシ
マミジロアジサシ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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マミジロアジサシ Onychoprion anaethetus
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Onychoprion anaethetus Scopoli, 1786 | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
マミジロアジサシ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Bridled tern |
マミジロアジサシ(眉白鯵刺、学名:Onychoprion anaethetus)は、チドリ目カモメ科(アジサシ科とする説もあり)セグロアジサシ属に分類される鳥類の一種である。
分布
[編集]太平洋、インド洋、大西洋の熱帯及び亜熱帯の島々、オーストラリア北部で繁殖する。非繁殖期は周辺海域に広く分布する。
日本では基亜種が夏季に宮古列島(宮古島)や八重山列島(石垣島、仲の神島)に繁殖のため飛来する(夏鳥)。本種の繁殖地としては北限にあたる。その他の地域ではまれに飛来する迷鳥で、これまでに北海道や本州、硫黄列島で記録されたことがある。
形態
[編集]全長30-38cm。翼開長は76-81cm。頭頂部から後頭部、および通眼線は黒、胴体の背面は灰褐色、喉から顔、胸、腹面は白い羽毛で覆われる。額および眼上部にある眉状の斑紋(眉斑)は白く、和名の由来になっている。雌雄同色である。
嘴や後肢の色彩は黒い。
分類
[編集]本種は以前はアジサシ属(Sterna)とされていたが、ミトコンドリアDNA研究により[1]セグロアジサシ属(Onychoprion)に分類されることになった。2024年時点で主要なチェックリストはすべてOnychoprion としている。[2][3][4][5]
4亜種に分けられるとされる。
- Onychoprion anaethetus anaethetus Scopoli, 1786 マミジロアジサシ
- Onychoprion anaethetus melanopterus Swainson, 1837
- Onychoprion anaethetus antarcticus Lesson, RP, 1831 インドヨウマミジロアジサシ
- Onychoprion anaethetus nelsoni Ridgway, 1919
生態
[編集]熱帯や亜熱帯域の海洋(外洋を除く)に生息する。冬季は単独もしくは小規模な群れを形成して生活する。
食性は動物食で、魚類や甲殻類を食べる。主に海面近くを飛翔し嘴で獲物をつまみとったり、飛翔しながら空中で静止(ホバリング)し空中から急降下し獲物を捕食する。
繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成する。セーシェルでは7ヶ月間隔で繁殖する。日本では5-6月に海辺の岩礁や草地に、1回に1個の卵を産む。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は28-30日。雛は生後55-63日で飛翔できるようになり、さらに35日後に独立する。
「クラー」「クー」と鳴く。
脚注
[編集]- ^ Eli S. Bridge, Andrew W. Jones, Allan J. Baker, A phylogenetic framework for the terns (Sternini) inferred from mtDNA sequences: implications for taxonomy and plumage evolution, Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 35, Issue 2, 2005, Pages 459-469, ISSN 1055-7903, https://doi.org/10.1016/j.ympev.2004.12.010.
- ^ Gill F, D Donsker & P Rasmussen (Eds). 2024. IOC World Bird List (v14.2). doi : 10.14344/IOC.ML.14.1.
- ^ Clements, J. F., P. C. Rasmussen, T. S. Schulenberg, M. J. Iliff, T. A. Fredericks, J. A. Gerbracht, D. Lepage, A. Spencer, S. M. Billerman, B. L. Sullivan, M. Smith, and C. L. Wood. 2024. The eBird/Clements checklist of Birds of the World: v2024. Downloaded from https://www.birds.cornell.edu/clementschecklist/download/
- ^ del Hoyo, J., Collar, N.J., Christie, D.A., Elliott, A. and Fishpool, L.D.C. 2014. HBW and BirdLife International Illustrated Checklist of the Birds of the World. Volume 1: Non-passerines
- ^ The Howard and Moore complete checklist of the birds of the world, 4th. ed.
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科8 鳥II』、平凡社、1986年、158頁。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、63頁。
- 『日本の鳥 550 水辺の鳥』、文一総合出版
- 真木広造他 『日本の野鳥590』 平凡社
外部リンク
[編集]- 2007 IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2004. Sterna anaethetus. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species.