マローダー (装輪装甲車)
マローダー | |
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種類 | 装輪装甲車 |
原開発国 | 南アフリカ共和国 |
開発史 | |
製造業者 | パラマウント・グループ |
製造期間 | 2008年 - |
製造数 | - 250 |
諸元 | |
重量 | 11,000 - 13,500 kg[1] |
要員数 | 2 |
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装甲 |
防弾:STANAG 4569レベル3 耐地雷:STANAG 4569レベル3a・3b |
エンジン | ターボディーゼル(210kW、295hp、970Nm)[1] |
搭載容量 | 4,000kg[1] |
懸架・駆動 | 4x4または6x6[2] |
地上高 | 400mm[1] |
行動距離 | 700km |
速度 | 100km/h |
マローダー(Marauder)は、南アフリカ共和国のパラマウント・グループが製造する対地雷防護能力を有する装輪装甲車[3]。2007年にアブダビで開催された国際軍事見本市(IDEX[4]、中東最大の軍事見本市[5])で、ヨルダンとパラマウントのジョイントベンチャーとして公開された[6]。
設計・構造
[編集]マローダーは偵察・平和維持活動を目的として開発された。乗員は2人、これに8人が同乗可能である[1]。パラマウント・グループが同時期に開発したマタドールより一回り小さい車両となっている[6]。
全輪駆動の4輪または6輪の設計で、4輪の装甲兵員輸送車、救急車、火力支援車(対戦車、対人)、指揮車、6輪の120mm自走迫撃砲、弾薬輸送車等が提案されている[2][3]。ターボチャージャー付きのディーゼルエンジンで駆動し、航続距離は700km、最高速度は100km/hに達する[1]。
車体は二重化されたモノコック構造であり、STANAG 4569レベル3相当の防弾・耐地雷性能を備える[1][6]。
オプションとして追加装甲、通信機、7.62mmから14.5mm機関銃まで対応するウェポンステーション、耐寒装備などが提供され、積載重量は4,000kg、自重込みの最大戦闘重量が17,000kgとなっている[1]。
2011年6月、イギリスBBCのトップ・ギアシリーズ17の初回で取り上げられた[7]。リチャード・ハモンドの運転で車体下方での爆破実験を含む試乗を行った[8]。番組による世界で最も止められない車両(world's most unstoppable vehicle)との評価は、パラマウント・グループによるマローダーの紹介文としても使用されている[1]。
なお、日本では「一般人が買える装甲車」などと紹介される事が多いが、パラマウント社は政府機関以外には販売しないことを明言している[9]。
生産
[編集]2008年、アブドゥッラー2世国王設計開発局とパラマウント・グループは生産・製造について合意し、マタドールと合わせて50両を導入するヨルダンが最初の採用国となった[2][10]。2011年には、アゼルバイジャンでも生産の合意に至っている[11]。2012年にはシンガポールと製造・販売が合意され、ベルレックス(Belrex)の名称でSTエンジニアリングとシンガポール国防科学技術庁によって製造されている[12]。
採用国
[編集]- ストックホルム国際平和研究所は、2009年に2両が導入されたとしている[13]。
- 2009年から2014年にかけて75両を調達した。アゼルバイジャン国防産業省との間に現地生産の合意が成立している[13][14]。
- 2010年から2012年に52両を調達した[13]。
- 2008年に最初の採用国となった。生産は現地化されており、初期生産分としてマタドールと合わせて50両を導入[15]。
- 2013年、寒冷地型をアルラン(カザフ語: Арлан、Alran。オオカミを意味する)の名称で採用し、2016年に導入予定。カザフスタンに合弁子会社を設立し、現地生産の予定である[16][13][17]。2023年時点で、カザフスタン陸軍が138両のアルランを保有している[18]。
- 2013年、6両を調達[13]。
- 2013年、1両を調達[13]。
関連項目
[編集]- マタドール (装輪装甲車):マローダーと同系列の、12人が同乗可能な大型の車両。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i “Full Specs”. パラマウント・グループ. 2016年4月11日閲覧。
- ^ a b c “Paramount Marauder Mine Protected Vehicle, South Africa”. 2016年4月12日閲覧。
- ^ a b “Marauder: Multi-role, highly agile mine-protected armoured vehicle”. パラマウント・グループ. 2016年4月11日閲覧。
- ^ IDEAS- The International Defence Exhibition and Seminar
- ^ Parr, Martin (2009年3月28日). “Martin Parr visits one of the world's biggest arms fairs”. ザ・ガーディアン (ロンドン)
- ^ a b c “Defense Technology International - April 2007 - Nice Ride”. Aviatin Week (2007年4月). 2016年4月11日閲覧。
- ^ "Episode 1". トップ・ギア. 第17シリーズ. 26 June 2011. 該当時間: 0:01:11. 2011年6月30日閲覧。
- ^ “Is this the car Jeremy needs when his wife's on the warpath? Top Gear finds 'world's most unstoppable vehicle'”. デイリー・メール (ロンドン). (2011年6月27日) 2011年6月27日閲覧。
- ^ “Is this the world's most unstoppable vehicle?”. パラマウント・グループ. 2020年7月11日閲覧。
- ^ Roy Braybrook (2008年12月1日). “Africa aerospace and defence 2008: given its suburban Ysterplaat airbase with large hangars and proximity to the city's harbour facilities, South Africa's Cape Town is an ideal location for a tri-service defence equipment show. This year Russia and China came in force.”. Armada International. 2016年4月12日閲覧。
- ^ a b “Azerbaijan defence ministry courts Africa defence firm”. パラマウント・グループ (2011年5月13日). 2012年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月27日閲覧。
- ^ “Singapore commissions Marauder-based PCSV”. defenceweb.co.za (2016年11月29日). 2024年9月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g “Trade Registers”. ストックホルム国際平和研究所. 2016年4月12日閲覧。
- ^ Guy Martin (2015年3月27日). “More details on South African arms exports for 2014”. defenceWeb. 2016年4月11日閲覧。
- ^ パラマウント・グループ. “South African designed vehicles to be made in Jordan”. 2016年4月11日閲覧。
- ^ Guy Martin (2015年12月1日). “Paramount opens vehicle factory in Kazakhstan”. defenceWeb. 2016年4月11日閲覧。
- ^ “Елбасы броньды доңғалақты машиналар шығаратын зауытқа барды”. Kazakhstan Paramount Engineering (2015年5月21日). 2016年4月12日閲覧。 注:英語版・ロシア語版は、2016年4月12日の時点でクラッキングされている模様。
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 179. ISBN 978-1-032-50895-5
- ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 287. ISBN 978-1-032-50895-5
外部リンク
[編集]- 公式サイト
- 動画