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マーク (プロレス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

マーク (mark) は、プロレスを真剣勝負(リアル)であると認識し、物語(ストーリー)も実際のものであると認識するファン層を示すプロレスにおける隠語である。ケーフェイの存在を認識していないファンは、マークとされる。対義語はスマート (smart)。

かつてのプロレスはボクシングのような「勝敗を争う競技」であるか否かがぼかされており、どの地域でもプロレスと格闘技の混同は多少見られた。日本でもプロレスが定着した1950年代にはすでにこの手の議論が行われていた。

概要

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幼年者に多いとされるが、成人のマークも存在する。日本では以下の理由により、その勢力は急速に低下している。

プロレス会場における日米の感情表現の違いから、アメリカ人はマークが多いと日本で巷間される。1990年代前半に UsenetのRec.Sport.Pro-Wrestling では、プロレスの試合には打ち合わせ済みの決着 (predetermined outcome) が19世紀から存在したことをFAQに明記していたのに対し、同時期の日本では同様の話題に関するフレームが多発し、一概にアメリカ人にマークが多いとは断定できない。

日本のマーク

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日本では一部のプロレスのみをリアルと認識しているマークが多い。 例えば、現在のアメリカン・プロレスはリアルではないが、日本のプロレスは別物と考えるマークなどである。 これは、マーク向け専門誌が、力道山ジャイアント馬場らが修行した1950年代、1960年代のアメリカン・プロレスを持ち上げる一方で、日本との関係が薄くなった1980年代以降のアメリカン・プロレスを堕落したものとして紹介した影響である。

プロレスに対して偏った認識を持つマークの存在は、しばしばファン同士の誹謗・中傷の原因となっている。

ストロングスタイルを標榜したかつての新日本プロレスは、マーク層の取り込みに極めて積極的であった。1980年代はストーリー上の悪役が嫌がらせを受けたり[1]、ファンが公演内容への不満から会場へ放火を試みる[2]などの事件を起こした。近年の新日本は、マーク層のファンが減少してファンにアピールする要素も減少している。

1980年代以降に登場したUWF系団体は、ノックアウト、ギブアップによる完全決着を売物にしたプロレスでマーク層の支持を得た。当時の老舗団体はプロレスラーの格に配慮し、両者リングアウトや乱入など不透明決着を乱発して、プロレスの仕組みを理解しきれないマークがフラストレーションを感じていた。UWF系団体の完全決着を重視するスタイルは、老舗団体であった新日本プロレス、全日本プロレスにも影響を与えた。

脚注

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  1. ^ 1981年に悪役として新日本プロレスに参戦したラッシャー木村は愛犬がファンからの嫌がらせを受けた。
  2. ^ 1984年の蔵前国技館。1987年の大阪城ホール両国国技館