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ミシェル内閣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミシェル内閣
: Regering-Michel
: Gouvernement Michel
: Regierung Michel
ベルギー王国 第94代内閣
成立年月日2014年10月11日
終了年月日2019年10月27日
組織
元首フィリップ国王
首相シャルル・ミシェル
閣僚数18
14(大臣)
4(閣外大臣)
与党改革運動
新フラームス同盟
キリスト教民主フラームス
フラームス自由民主
詳細
成立直前の選挙2014年ベルギー連邦議会選挙英語版
議会任期第54立法期
前内閣ディ・ルポ内閣英語版
次内閣ウィルメス内閣

ミシェル内閣(ミシェルないかく、オランダ語: Regering-Michelフランス語: Gouvernement Michelドイツ語: Regierung Michel)は、シャルル・ミシェル首相に任命され、2014年10月11日に成立したベルギーの内閣である。

概要

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改革運動(MR)、新フラームス同盟(N-VA)、キリスト教民主フラームス(CD&V)およびフラームス自由民主(Open Vld)による中道右派連立政権である。2014年5月25日に実施された下院選挙英語版後、連立協議が行われ、10月7日に4党が連立政権樹立に合意した[1]。その後、10月11日フィリップ国王立ち会いの下で就任宣誓式が行われ、新内閣が正式に発足した[2]2010年前回選挙英語版後は政権発足までに約540日を要したが、今回は約140日での政権発足となった[1][3]

青地に黄色の十字が描かれたスウェーデンの国旗

改革運動(MR)およびフラーム巣自由民主(Open Vld)のシンボルカラーである青、新フラームス同盟(N-VA)の黄色、そしてキリスト教民主フラームス(CD&V)のシンボルである十字にちなみ、「スウェーデン連立」と呼ばれる。また、北部フランデレン地域の分離独立を志向する新フラームス同盟(N-VA)が初めて政権参加したこと、フランス語圏の政党が改革運動(MR)のみである(同時期の南部ワロン地域及びブリュッセル首都圏地域の議会では改革運動(MR)は野党であり、国政と地方政治のねじれ現象が発生した)ことなどによる、政治的なリスクの高さから「神風連立」とも呼ばれることもある[4][5]

ミシェル首相は当時38歳で、ベルギー史上最年少での首相就任となった[2][3]

2018年12月9日に移民のためのグローバルコンパクト 英語版をめぐる閣内対立から、新フラームス同盟(N-VA)が連立政権から脱退し、残る3党による内閣改造が行われた(第2次内閣)[6]。また、連立与党の議席は議会の過半数を割り、少数与党となった。議会では社会党(PS)と社会党・別(SP.A)等の野党が不信任案を提出すると表明したことから、ミシェル首相は12月18日に辞任を表明し[7]、フィリップ国王は12月21日に辞任を許可した。ただし、ミシェル内閣は次の政府が決まるまでの暫定政府として存続することになった。

2019年5月26日には連邦議会選挙英語版 2019年7月2日にミシェル首相が同年12月からの欧州理事会議長に選出されたため、10月27日に首相を辞任し、ソフィー・ウィルメス内閣が発足した[8][9]

構成

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第1次内閣

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第1次内閣(2014年10月11日-2018年12月9日)は以下の14人の大臣および4人の閣外大臣により構成される[10]

所属政党:       改革運動(MR)       新フラームス同盟(N-VA)       キリスト教民主フラームス(CD&V)       フラームス自由民主(Open Vld)

第1次ミシェル内閣の閣僚一覧
大臣(Ministers)
職名 氏名 所属政党
首相 シャルル・ミシェル
Charles Michel
MR
副首相
雇用・経済・消費者大臣
貿易担当
クリス・ペーテルス英語版
Kris Peeters
CD&V
副首相
保安・内務大臣
大都市・建物公団担当
ヤン・ヤンボン英語版
Jan Jambon
N-VA
副首相
開発協力・デジタルアジェンダ・電気通信・郵政大臣
アレクサンダー・デ・クロー
Alexander De Croo
Open Vld
副首相
外務・ヨーロッパ問題大臣
ベリリス・連邦文化機関担当
ディディエ・レンデルス英語版
Didier Reynders
MR
予算大臣
国営宝くじ担当
エルヴェ・ジャマール 英語版
Herve Jamar
MR
司法大臣 クーン・ヘーンス英語版
Koen Geens
CD&V
社会問題・公衆衛生大臣 マギー・デ・ブロック
Maggie De Block
Open Vld
年金大臣 ダニエル・バクレーヌ 英語版
Daniel Bacquelaine
MR
財務大臣 ヨハン・ファン・オーフェルトフェルト英語版
Johan Van Overtveldt
N-VA
中産階級・自営業・中小企業・農業・社会統合大臣 ウィリー・ボルシュ 英語版
Willy Borsus
MR
エネルギー・環境・持続可能開発大臣 マリー=クリスティーヌ・マルゲム英語版
Marie-Christine Marghem
MR
国防大臣
公務員担当
ステーフェン・ファンデプット英語版
Steven Vandeput
N-VA
運輸大臣
ベルゴコントロール・ベルギー国有鉄道担当
ジャクリーヌ・ガラン 英語版
Jacqueline Galant
MR
閣外大臣(Secretaries of State)
貿易担当閣外大臣 ピーター・デ・クレム英語版
Pieter De Crem
CD&V
ソーシャルダンピング対策・プライバシー保護・北海担当閣外大臣 バルト・トムレイン 英語版
Bart Tommelein
Open Vld
貧困対策・機会均等・障害者・脱税対策・科学政策担当閣外大臣 エルケ・スルールス英語版
Elke Sleurs
N-VA
難民・移民担当閣外大臣
行政簡素化担当
テオ・フランケン英語版
Theo Francken
N-VA

第1次内閣における閣僚の交代等

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2015年5月21日、N-VA所属の大臣についての担当業務の変更があり、ヤン・ヤンボン副首相が担当していた「大都市」はエルケ・スルールス閣外大臣の担当になった。また、エルケ・スルールス閣外大臣が担当していた「脱税対策」は、ヨハン・ファン・オーフェルトフェルト財務大臣の担当になった。

2015年9月21日、エルヴェ・ジャマール予算大臣が、リエージュ州知事になるためソフィー・ウィルメスに交代した。

2016年3月22のブリュッセルでの連続テロ事件を受け、ジャクリーヌ・ガラン運輸大臣は、事件発生前にブリュッセル空港のセキュリティーに関する報告書を受けていたと報じられたことを受けて4月15日に辞任し[11]フランソワ・ベロー 英語版に交代した。

2016年4月29日、バルト・トムレイン(ソーシャルダンピング対策・プライバシー保護・北海担当閣外大臣)が辞任し、フィリップ・デ・バッカー 英語版に交代した。

2017年2月20日、エルケ・スルールス貧困対策・機会均等・障害者・脱税対策・科学政策担当閣外大臣が辞任し、ズハル・デミール 英語版に交代した。

2017年7月26日、ウィリー・ボルシュ中産階級・自営業・中小企業・農業・社会統合大臣が、ワロン政府の首相に任命されたため辞任し、デニス・デュカルメ 英語版に交代した。

2018年11月12日、ステーフェン・ファンデプット国防大臣がハッセルト市長になるため辞任し、サンダー・ルーンズ 英語版に交代した。

第2次内閣

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第2次内閣(2018年12月18日-2019年10月27日)は、13人の大臣で構成される。閣外大臣は置かれなかった[12]

第2次ミシェル内閣の閣僚一覧
大臣(Ministers)
職名 氏名 在任期間 所属政党
首相 シャルル・ミシェル
Charles Michel
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
副首相兼雇用・経済・消費者保護大臣
(対外貿易・貧困対策・機会の均等・障害者担当)
クリス・ペーテルス
(Kris Peeters)
2018年12月9日-2019年7月2日 CD&V
副首相兼外務・欧州・防衛大臣
(ベリリス・連邦文化機関担当)
ディディエ・レンデルス
(Didier Reynders)
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
副首相兼金融・開発援助大臣
(脱税対策担当)
アレクサンダー・デ・クロー
(Alexander De Croo)
2018年12月9日-2019年10月27日 Open Vld
法務大臣(建物公団担当) クーン・ヘーンス
Koen Geens
2018年12月9日-2019年10月27日 CD&V
(兼務)副首相 2019年7月2日-2019年10月27日
デジタル化・電気通信・郵政大臣
(行政簡素化・社会的不正との闘い・プライバシー保護・北海担当)
フィリップ・デ・バッカー
(Philippe De Backer)
2018年12月9日-2019年10月27日 Open Vld
内務・安全保障大臣 ピーター・デ・クレム
(Pieter De Crem)
2018年12月9日-2019年10月27日 CD&V
(兼務)対外貿易担当 2019年10月2日-2019年10月27日
社会事業・厚生・難民移民大臣 マギー・デ・ブロック
(Maggie De Block)
2018年12月9日-2019年10月27日 Open Vld
中産階級・自営業・中小企業・農業・社会統合大臣
(大都市担当)
デニス・デュカルメ
(Denis Ducarme)
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
予算・公共サービス大臣
(国営宝くじ・科学政策担当)
ソフィー・ウィルメス
(Sophie Wilmes)
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
年金大臣 ダニエル・バクレーヌ
(Daniel Bacquelaine)
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
モビリティー大臣
(Skeyes[13]・国営企業・ベルギー国鉄担当)
フランソワ・ベロー
(Francois Bellot)
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
エネルギー・環境・持続可能な開発大臣 マリー=クリスティーヌ・マルゲム
(Marie-Christine Marghem)
2018年12月9日-2019年10月27日 MR
雇用・経済・消費者保護大臣
(対外貿易・貧困対策・機会の均等・障害者担当)
バウター・ベーク
(Wouter Beke)
2019年7月2日[14]-2019年10月2日 CD&V
雇用・経済・消費者保護大臣
(貧困対策・機会の均等・障害者担当)
ナタリー・ミール
(Nathalie Muylle)
2019年10月2日[15]-2019年10月27日 CD&V

第2次内閣における閣僚の交代等

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2019年7月2日[14]、クリス・ペーテルス副首相兼雇用・経済・消費者保護大臣が辞任し、副首相はクーン・ヘーンス法務大臣に交代し、雇用・経済・消費者保護大臣はバウター・ベークに交代した。

2019年10月2日[15]、バウター・ベーク雇用・経済・消費者保護大臣は、フランダース政府の大臣になるため辞任し、ナタリー・ミールに交代した。ただし、対外貿易担当はピーター・デ・クレム内務・安全保障大臣が兼務した。

脚注

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  1. ^ a b “ベルギー新政権合意、北部の分離独立派が初参加”. 産経ニュース. (2014年10月8日). https://web.archive.org/web/20141026163829/http://www.sankei.com/world/news/141008/wor1410080031-n1.html 2014年11月8日閲覧。 [リンク切れ]
  2. ^ a b “ミシェル氏が首相就任 ベルギーで新政権発足”. 産経ニュース. 共同通信社. (2014年10月11日). http://www.sankei.com/world/news/141011/wor1410110032-n1.html 2014年11月8日閲覧。 [リンク切れ]
  3. ^ a b “ベルギー:ミシェル新政権が発足 史上最年少38歳”. 毎日新聞. (2014年10月11日). https://web.archive.org/web/20141014051129/http://mainichi.jp/select/news/20141012k0000m030081000c.html 2014年11月8日閲覧。 [リンク切れ]
  4. ^ “New Belgian government takes office with cost-cutting agenda”. Reuters. (2014年10月11日). https://www.reuters.com/article/us-belgium-government-idUSKCN0I009S20141011 2021年12月30日閲覧。 
  5. ^ 今、ベルギー政治で話題の「神風連立」とは?”. ベルギー青い鳥 (2014年7月1日). 2021年12月30日閲覧。
  6. ^ “Hoe de regering Michel twee keer ten onder ging”. De Standaard. (2018年12月9日). https://www.standaard.be/cnt/dmf20181204_04008732 2021年12月30日閲覧。 
  7. ^ “Michel dient ontslag van de regering in: ‘Ik ga naar de koning’ (Brussel)”. De Standaard. (2018年12月18日). https://www.standaard.be/cnt/dmf20181218_04044109 2021年12月30日閲覧。 
  8. ^ Audience”. La Monarchie belge (2019年10月29日). 2021年12月30日閲覧。
  9. ^ ベルギーで初めて女性が首相に就任、連立協議はなお難航(ベルギー)”. 日本貿易振興機構(ジェトロ) (2019年10月29日). 2021年12月30日閲覧。
  10. ^ Composition et repartition des competences des ministres et secretaires d'Etat federaux - La Belgique - Portail des services publics belges - ウェイバックマシン(2014年10月16日アーカイブ分)
  11. ^ Belgium minister quits in Brussels airport security row “Belgium minister quits in Brussels airport security row”. (2016年4月5日). https://www.bbc.com/news/world-europe-36054505 Belgium minister quits in Brussels airport security row 2021年12月30日閲覧。 
  12. ^ Samenstelling en bevoegdheidsverdeling van de federale regering - ウェイバックマシン(2018年12月10日アーカイブ分)
  13. ^ 民間航空機の管制を行う公営企業。旧ベルゴコントロール(Belgocontrol)。
  14. ^ a b “Wouter Beke legt eed af als minister”. TV Limburgオランダ語版. (2019年7月2日). https://www.tvl.be/nieuws/wouter-beke-legt-eed-af-als-minister-80953 2021年12月30日閲覧。 
  15. ^ a b “Nathalie Muylle volgt Wouter Beke op als Federaal Minister”. Focus en WTV. (2019年10月2日). https://www.focus-wtv.be/nieuws/nathalie-muylle-volgt-wouter-beke-op-als-federaal-minister 2021年12月30日閲覧。