ミステリー列車が消えた
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ミステリー列車が消えた | ||
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著者 | 西村京太郎 | |
発行日 | 1982年 | |
発行元 | 新潮社 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
ページ数 | 409 | |
コード |
ISBN 4101285020 ISBN 978-4101285023(文庫本) | |
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『ミステリー列車が消えた』(ミステリーれっしゃがきえた)は、西村京太郎の長編推理小説。1982年に新潮社から刊行された。
ストーリー
[編集]- 「出発は8月8日(土)23:59、東京駅の10番線から。行先は不明」
国鉄が企画した行先不明のブルートレイン「ミステリー号」。雑誌「旅窓」記者の津山は取材のため、同僚で恋人の乗兼由紀子と東京駅にいた。翌朝に到着した場所から連絡を入れると約束してミステリー号に乗り込んだ津山だが、翌日の昼になっても連絡が無い。心配になり東京駅を訪れた由紀子は、顔見知りの青木助役から「ミステリー号は、すでに京都の梅小路機関区を見学し、次の目的地の鳥取に向かった」と聞かされる。しかし、さらに問い合わせると、ミステリー号は到着予定時刻を2時間以上過ぎても鳥取駅に到着していないという。
そんな中、国鉄総裁秘書室に一本の電話がかかってきた。
- 「ミステリー号の乗客400人を誘拐した。身代金は10億円」
忽然と消えてしまった一本の臨時列車を巡り、国鉄と十津川警部が前代未聞の大事件に挑む。
主な登場人物
[編集]警察関係者
[編集]- 十津川省三 - 警視庁捜査一課警部。
- 亀井定雄 - 警視庁捜査一課刑事。十津川の部下。十津川とのコンビで活動する。
- 本多時孝 - 警視庁捜査一課課長。十津川・亀井らの上司。
- 桜井 - 警視庁捜査一課刑事。
- 小川 - 警視庁捜査一課刑事。38歳。鉄道模型が趣味。口数が少ない。
- 三上 - 警視庁刑事部長。
- 真田 - 警視庁の検視官。十津川とは顔見知りで人は好いが口が悪い。
- 藤代 - 愛知県警警部。35歳。
- 大久保 - 愛知県警刑事。藤代の部下。
→「十津川警部シリーズ § 登場人物」も参照
国鉄関係者
[編集]- 木本 - 国鉄総裁。今回の事件の依頼者。
- 北野浩 - 総裁秘書。十津川らと行動を共にする。
- 後藤 - 国鉄本社で勤務する若手の職員。北野が不在時に電話の応対を担った。
- 日下 - 大阪鉄道管理局営業部長。42歳。ミステリー列車を起案した責任者。
- 浅井 - 大阪鉄道管理局長。日下の上司。
- 岡部義夫 - 大阪鉄道管理局営業部員。日下の部下。ミステリー列車に添乗している。
- 中村正人 - 大阪鉄道管理局の機関士。ミステリー列車に乗務している。
- 上原久仁 - 大阪鉄道管理局の車掌。32歳。ミステリー列車に乗務するはずだったが、多摩川で遺体となって見つかる。
- 青木 - 東京駅の助役。乗兼由紀子とは取材で知り合う。
- 阿部 - 鳥取駅の助役。ミステリー列車の異変に気付く。
- 島崎 - 向日町運転所長。十津川らと人質の行方について検討する。
- 石立英夫 - 関西の大学生。21歳。国鉄が委託した企業のアルバイト社員で、向日町運転所で勤務している。
その他
[編集]- 津山研一 - 月刊雑誌「旅窓」記者。ミステリー列車に取材で乗車していた。
- 乗兼由紀子 - 月刊雑誌「旅窓」記者。津山の同僚であり、恋人。東京駅まで津山を見送りに来た。ミステリー列車の異変に気付く。
- 太田 - 東京在住の医者。55歳。旅行団体「ねんにかい」の世話役。足の負傷で松葉杖を使用している。
- 石山清之 - 「太陽工業」に勤務する20歳代後半の係長。旅行団体「ねんにかい」に所属している。東京・中野の自宅マンションで殺害されているのが見つかる。
- 西本功 - 俳優。ミステリー列車に乗車する小学生の息子を東京駅まで見送りに来ていた。
- 鈴木謙一 - 航空管制官。
- 星野英夫 - 航空管制官。
- 一色 - 航空管制センター主任。鈴木・星野の上司。
- 芦田 - 海上保安庁の巡視船「いそしぎ」の船長。
トリックの可否
[編集]本作における列車消失トリックを、日本の現実の鉄道運行システムにおいて実行することは、2022年現在も不可能である。
池田光雅の著書「拝啓 十津川迷警部殿」では、当作品中のミステリー列車消失のトリックについて、「根本的に無理で、はっきり言えば、複雑かつ高度な運転管理・保安システムを全面的に無視しないと何も進展しないのです[1]」と評している。
テレビドラマ
[編集]1995年版
[編集]『十津川警部シリーズ10・ミステリー列車が消えた』は、TBS系列の2時間ドラマ『月曜ゴールデン』(毎週月曜日21:00 - 22:54、JST)で1995年12月25日に放送された。主演は渡瀬恒彦。
脚注
[編集]- ^ 池田光雅『拝啓 十津川迷警部殿』冬樹社、1988年、132頁。ISBN 4-8092-3037-6。