コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ミステリー列車が消えた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
十津川警部シリーズ > ミステリー列車が消えた
ミステリー列車が消えた
著者 西村京太郎
発行日 1982年
発行元 新潮社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 409
コード ISBN 4101285020
ISBN 978-4101285023(文庫本)
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

ミステリー列車が消えた』(ミステリーれっしゃがきえた)は、西村京太郎の長編推理小説1982年新潮社から刊行された。

ストーリー

[編集]
「出発は8月8日(土)23:59、東京駅の10番線から。行先は不明」

国鉄が企画した行先不明のブルートレインミステリー号」。雑誌「旅窓」記者の津山は取材のため、同僚で恋人の乗兼由紀子と東京駅にいた。翌朝に到着した場所から連絡を入れると約束してミステリー号に乗り込んだ津山だが、翌日の昼になっても連絡が無い。心配になり東京駅を訪れた由紀子は、顔見知りの青木助役から「ミステリー号は、すでに京都の梅小路機関区を見学し、次の目的地の鳥取に向かった」と聞かされる。しかし、さらに問い合わせると、ミステリー号は到着予定時刻を2時間以上過ぎても鳥取駅に到着していないという。

そんな中、国鉄総裁秘書室に一本の電話がかかってきた。

「ミステリー号の乗客400人を誘拐した。身代金は10億円」

忽然と消えてしまった一本の臨時列車を巡り、国鉄と十津川警部が前代未聞の大事件に挑む。

主な登場人物

[編集]

警察関係者

[編集]
  • 十津川省三 - 警視庁捜査一課警部。
  • 亀井定雄 - 警視庁捜査一課刑事。十津川の部下。十津川とのコンビで活動する。
  • 本多時孝 - 警視庁捜査一課課長。十津川・亀井らの上司。
  • 桜井 - 警視庁捜査一課刑事。
  • 小川 - 警視庁捜査一課刑事。38歳。鉄道模型が趣味。口数が少ない。
  • 三上 - 警視庁刑事部長。
  • 真田 - 警視庁の検視官。十津川とは顔見知りで人は好いが口が悪い。
  • 藤代 - 愛知県警警部。35歳。
  • 大久保 - 愛知県警刑事。藤代の部下。

国鉄関係者

[編集]
  • 木本 - 国鉄総裁。今回の事件の依頼者。
  • 北野浩 - 総裁秘書。十津川らと行動を共にする。
  • 後藤 - 国鉄本社で勤務する若手の職員。北野が不在時に電話の応対を担った。
  • 日下 - 大阪鉄道管理局営業部長。42歳。ミステリー列車を起案した責任者。
  • 浅井 - 大阪鉄道管理局長。日下の上司。
  • 岡部義夫 - 大阪鉄道管理局営業部員。日下の部下。ミステリー列車に添乗している。
  • 中村正人 - 大阪鉄道管理局の機関士。ミステリー列車に乗務している。
  • 上原久仁 - 大阪鉄道管理局の車掌。32歳。ミステリー列車に乗務するはずだったが、多摩川で遺体となって見つかる。
  • 青木 - 東京駅の助役。乗兼由紀子とは取材で知り合う。
  • 阿部 - 鳥取駅の助役。ミステリー列車の異変に気付く。
  • 島崎 - 向日町運転所長。十津川らと人質の行方について検討する。
  • 石立英夫 - 関西の大学生。21歳。国鉄が委託した企業のアルバイト社員で、向日町運転所で勤務している。

その他

[編集]
  • 津山研一 - 月刊雑誌「旅窓」記者。ミステリー列車に取材で乗車していた。
  • 乗兼由紀子 - 月刊雑誌「旅窓」記者。津山の同僚であり、恋人。東京駅まで津山を見送りに来た。ミステリー列車の異変に気付く。
  • 太田 - 東京在住の医者。55歳。旅行団体「ねんにかい」の世話役。足の負傷で松葉杖を使用している。
  • 石山清之 - 「太陽工業」に勤務する20歳代後半の係長。旅行団体「ねんにかい」に所属している。東京・中野の自宅マンションで殺害されているのが見つかる。
  • 西本功 - 俳優。ミステリー列車に乗車する小学生の息子を東京駅まで見送りに来ていた。
  • 鈴木謙一 - 航空管制官。
  • 星野英夫 - 航空管制官。
  • 一色 - 航空管制センター主任。鈴木・星野の上司。
  • 芦田 - 海上保安庁の巡視船「いそしぎ」の船長。

トリックの可否

[編集]

本作における列車消失トリックを、日本の現実の鉄道運行システムにおいて実行することは、2022年現在も不可能である。

池田光雅の著書「拝啓 十津川迷警部殿」では、当作品中のミステリー列車消失のトリックについて、「根本的に無理で、はっきり言えば、複雑かつ高度な運転管理・保安システムを全面的に無視しないと何も進展しないのです[1]」と評している。

テレビドラマ

[編集]

1995年版

[編集]

十津川警部シリーズ10・ミステリー列車が消えた』は、TBS系列2時間ドラマ月曜ゴールデン』(毎週月曜日21:00 - 22:54、JST)で1995年12月25日に放送された。主演は渡瀬恒彦

脚注

[編集]
  1. ^ 池田光雅『拝啓 十津川迷警部殿』冬樹社、1988年、132頁。ISBN 4-8092-3037-6 

関連項目

[編集]