ミック・テイラー (アルバム)
『ミック・テイラー』 | ||||
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ミック・テイラー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
ロンドン Island's Basing Street Studios, Ramport Studios[1] サリー Ridge Farm[1] コーンウォール Sawmill Studios[1] | |||
ジャンル | ロック、ブルースロック | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | ミック・テイラー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ミック・テイラー アルバム 年表 | ||||
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『ミック・テイラー』(Mick Taylor)は、イングランドのロック・ミュージシャン、ミック・テイラーが1979年に発表した、ソロ名義では初のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]テイラーはローリング・ストーンズ脱退後、ジャック・ブルースのバンドに短期間のみ所属し、それから本作のリリースに至るまでの活動は、他アーティストの作品へのゲスト参加が中心だった[3]。「ギディー・アップ」や「スパニッシュ/ Aマイナー」はジャズ色が取り入れられた曲で、テイラーは1979年のインタビューにおいて「私の過去の演奏とは全く違う領域だ。本物のジャズではないにせよ、ジャズ風味、ジャズ志向ではある」「演奏のスタイル自体は今まで通りだけど、音楽的に、そしてハーモニー的に発展させてみたのさ」と語っている[4]。
本作のレコーディングには、ローウェル・ジョージ(リトル・フィート)、ピエール・ムーラン(ゴング)を含むゲスト・プレイヤーが参加した。なお、テイラーは本作に先立ち、リトル・フィートのアルバム『ウェイティング・フォー・コロンブス』、ピエール・ムーランズ・ゴングのアルバム『エクスプレソーII』にもゲスト参加している[3]。
ジャケット・デザインおよび写真撮影はヒプノシスにより[1][5]、本作のジャケットには、テイラーが当時所有していた1958年製のサンバーストのフェンダー・ストラトキャスター(テイラーによれば、ローリング・ストーンズ在籍時にも似たようなギターを持っていたが、そのギターは盗まれてしまったという)も写っている[4]。
反響・評価
[編集]アメリカでは5週Billboard 200入りし、1979年8月4日に最高119位を記録した[2]。
ベン・デイヴィーズはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「ミック・テイラーのセルフタイトルのデビュー・アルバムは、ローリング・ストーンズやブルースブレイカーズの元メンバーという先入観を持って聴くと、想像とは異なるだろう。それが、軽快な楽曲と保守的なサウンドのせいなのか、それとも彼の歌声にミック・ジャガーやジョン・メイオールほど特徴がないという事実のせいなのかは、議論の余地があるかもしれない」としつつ「ブルースとロックのスタイルを融合した彼のギター、そしてもちろんスライドギターは、常に感動的である」と評している[6]。また、マイケル・ヒートリーは『Record Collector Magazine』第397号において「彼のファンは以前の路線を望んでいるのだろうが、ミック自身はカーラ・ブレイのようなジャズ系の面々と交流し、明らかにジェフ・ベック的な路線を好むようになった」「ストーンズのロックに近いのは2曲("Broken Hands"と"Giddy-Up")のみである」「"Giddy-Up"にゲスト参加したローウェル・ジョージのスライドギターは注目に値するが、ミックに必要だったのは、もう一人のスライドの名手ではなく、ボーカリストや楽曲の共作者である」と評している[7]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はミック・テイラー作。3. 6. 8. はインストゥルメンタル。
- レザー・ジャケット - "Leather Jacket" - 3:42
- アラバマ - "Alabama" (lyrics by Colin Allen / music by Mick Taylor) - 3:47
- スロー・ブルース - "Slow Blues" - 3:24
- ベイビー・アイ・ウォント・ユー - "Baby I Want You" - 5:16
- ブロークン・ハンズ - "Broken Hands" - 4:00
- ギディー・アップ - "Giddy-Up" - 5:18
- S.W.5 - "S.W.5" - 5:37
- スパニッシュ/ Aマイナー - "Spanish / A Minor" - 12:12
参加ミュージシャン
[編集]- ミック・テイラー - ギター (all songs)、ボーカル (on #1, #2, #4, #5, #7)、ピアノ (on #4, #8a)、ストリングス・マシン (on #7, #8a)、シンセサイザー (on #8a, #8b)、エレクトリックピアノ (on #8b)、ベース (on #4, #5, #7, #8b)
- ローウェル・ジョージ - スライドギター (on #6)
- ジャン・ルーセル - ピアノ (on #1, #3, #6, #8b)
- クマ原田 - ベース (on #1, #3, #8a)、ストリング&ボウド・ベース (on #8b)
- アラン・スペナー - ベース (on #6)
- ピエール・ムーラン - ドラムス (on #1, #3, #8a)、ヴィブラフォン (on #8a)
- マイク・ドリスコール - バスドラム (on #2)、ドラムス (on #4, #5, #7, #8b)
- リチャード・ベイリー - ドラムス (on #6)
- Norman Mighell - タンブリン (on #1)
脚注
[編集]- ^ a b c d 裏ジャケットに記載のクレジット参照。
- ^ a b “Mick Taylor Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2023年7月7日閲覧。
- ^ a b Prato, Greg. “Mick Taylor - Biography & History”. AllMusic. 2020年5月4日閲覧。
- ^ a b Obrecht, Jas. “Mick Taylor on the Rolling Stones, John Mayall, and Playing Guitar”. Jas Obrecht Music Archive. 2020年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月7日閲覧。
- ^ Mick Taylor - Mick Taylor (1979, Vinyl) | Discogs
- ^ Davies, Ben. “Mick Taylor - Mick Taylor”. AllMusic. 2020年5月4日閲覧。
- ^ Heatley, Michael. “Mick Taylor”. Record Collector Magazine. Diamond Publishing. 2020年5月4日閲覧。