ミツバハマゴウ
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ミツバハマゴウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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ミツバハマゴウの花
(2023年8月 沖縄県石垣市平久保) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Vitex trifolia L. |
ミツバハマゴウ(三葉浜荊・三葉浜栲、別名タチハマゴウ、学名:Vitex trifolia[1])はシソ科ハマゴウ属の落葉低木[2]。鹿児島県準絶滅危惧種[3]。本種を含むハマゴウ属は、過去のクロンキスト体系ではクマツヅラ科に分類されていた[4][5][6]。
特徴
[編集]高さ1–5 m。別名の通りハマゴウとは異なり幹が立ち上がり匍匐せず、葉は通常3出複葉だが単葉も多く、対生する。葉柄は1–2 cmでハマゴウより長い。小葉は全縁で頂小葉長3–8 cm。小葉の基部は細くなり、小葉柄はほとんど無い。葉に臭気がある。花序は頂生または腋生し、花は淡紫色、やや唇型で春〜秋に開花。実は径5–7 mmの球形で、木質状で褐色[5][6][2][7][8]。
分布と生育環境
[編集]鹿児島県トカラ列島(世界北限[3])の平島・宝島〜沖縄県先島諸島にやや稀にみられる[9]。旧世界の熱帯に広く分布。ハマゴウが海岸に生育するのに対して、本種はやや陸側寄りに多い。海岸近くの低木林の林縁やマングローブ域の陸側、川べりなど、やや湿ったところにに生育[4][5][6][2]。
利用
[編集]庭木や公園樹に用いられる[2]。防潮・防風垣に適する。ハマゴウと同様に、昆虫が葉の臭気を嫌うので害虫駆除に用いられた[5]。種子、挿し木で繁殖可能[6]。
近縁種
[編集]ハマゴウの他に、石垣島と西表島にはヤエヤマハマゴウ V. bicolorが稀に生育する[10]。ヤエヤマハマゴウは葉数がさらに多く、小葉3–5枚の掌状複葉と小葉柄が明瞭である点で本種と判別可能[5][2]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑 第5巻 低地の植物』新星図書出版、1979年。 ※ クマツヅラ科としている
- 天野鉄夫『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、1982年。 ※ クマツヅラ科としている
- 屋比久壮実『花ごよみ 亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画、2006年。ISBN 4990191730。 ※ クマツヅラ科としている
- 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄〜八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 片野田逸郎『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056。
- 林将之; 名嘉初美「ハマゴウ」『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350。 ※ ハマゴウの項に解説のみ掲載
- 鈴木英治; 丸野勝敏; 田金秀一郎; 寺田竜太; 久保紘史郎; 平城達哉; 大西亘「鹿児島県の維管束植物分布図集-全県版-」『鹿児島大学総合研究博物館研究報告』第17巻、鹿児島大学総合研究博物館、407頁、2022年。ISSN 2188-9074 。
外部リンク
[編集]- ミツバハマゴウ おきなわの木 沖縄県森林管理課
- ミツバハマゴウ フラワーパークかごしま
- ミツバハマゴウ 熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース
- ミツバハマゴウ(三葉浜栲) 松江の花図鑑