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ミモシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
L-ミモシン
識別情報
CAS登録番号 500-44-7 チェック
PubChem 3862
ChemSpider 3728 チェック
日化辞番号 J9.396C
EC番号 2079051
ChEMBL CHEMBL251433 チェック
特性
化学式 C8H10N2O4
モル質量 198.18 g mol−1
融点

291 °C, 564 K, 556 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ミモシン (mimosine) は、アルカロイド異常アミノ酸である。チロシンと構造が似ているが、毒性があり、タンパク質を構成しない。オジギソウ属のいくつかの種やレウカエナ属の全ての種で見られる。

本化合物はロイセノール (leucenol) としても知られ、ギンネムの種子で最初に単離され[1]、後にアダムスらによって研究された[2]

性質

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ミモシンは融解すると分解される。塩酸塩は174.5 ℃から175.0 ℃、シュウ化水素酸塩は179.5 ℃、ヨウ化水素酸塩は183.0 ℃から183.5 ℃で分解する。ミモシンは一塩基酸塩のみを形成するが、メチルエステルは二塩酸塩を形成する。

生理作用

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ミモシンは分裂中のG1期後期の細胞に取り込まれ、DNA複製の開始を阻害する[3]反芻動物では、ミモシンは3,4-ジヒドロキシピリドン (DHP) または2,3-DHPに分解される。

オーストラリアパプアニューギニアアフリカフロリダ等で中毒の事例があるが、その他の熱帯亜熱帯の地域では記録はない。ミャンマーヤギは、レウカエナ属を50%含む飼料を食べると脱毛した。ハワイのヤギやウシは反芻することで3,4-DHPを分解することができる。このような耐性の違いは、ミモシンや3,4-DHPに耐えられる腸内微生物がいるかどうかの違いに起因すると考えられている。少なくとも、オーストラリアのヤギはハワイのヤギが持っているような能力を持っていないことが知られている。

出典

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  1. ^ Mascré, Compt. rend., 1937, 204, 890.
  2. ^ Adams, R.; Cristol, S. J.; Anderson, A. A.; Albert, A. A. (1945), “The Structure of Leucenol. I”, J. Am. Chem. Soc. 67: 89, doi:10.1021/ja01217a032 
  3. ^ Krude, T. (1999). “Mimosine Arrests Proliferating Human Cells before Onset of DNA Replication in a Dose-Dependent Manner”. Exp. Cell Res. 247 (1): 148-159. doi:10.1006/excr.1998.4342.