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ミラベグロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミラベグロン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Myrbetriq (US), Betanis (Japan), Betmiga (EU)
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能29-35%[1]
血漿タンパク結合71%[1]
代謝Hepatic via (direct) glucuronidation, amide hydrolysis, and minimal oxidative metabolism in vivo by CYP2D6 and CYP3A4. Some involvement of butylcholinesterase[1]
半減期50 hours[1]
排泄Urine (55%), faeces (34%)[1]
データベースID
CAS番号
223673-61-8
ATCコード G04BD12 (WHO)
PubChem CID: 9865528
ChemSpider 8041219
別名 YM-178
化学的データ
化学式C21H24N4O2S
分子量396.506 g/mol
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ミラベグロン(Mirabegron)は、アステラス製薬が開発したアドレナリンβ3受容体作動薬の1つである[2]過活動膀胱(OAB)の治療に使用される[3][1][4][5]。商品名ベタニス。日本で2011年7月に承認された[6]後、アメリカ合衆国で2012年7月[7]、欧州で2013年1月[8]に承認を取得した。開発コードYM-178。

効能・効果

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ミラベグロンの効能・効果は「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁」であり、膀胱の排尿筋に存在するアドレナリンβ3受容体に作用し、膀胱平滑筋を弛緩させて膀胱容積を増加させる[9]

ところで、アドレナリンβ3受容体のアゴニストをラットに投与すると、エネルギー消費量を増やすことが知られている[10]。そして、同じくアドレナリンβ3受容体アゴニストであるミラベグロンは、褐色脂肪細胞の活性化と代謝増進作用を有することが発見された。健康非肥満成人15名に投与したところ、安静状態での心拍数、代謝、血圧の上昇が認められ、心血管系への刺激作用があると思われる[11]

禁忌

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ミラベグロンは、製剤成分に過敏症の既往を有する患者のほか、重篤な心疾患または重度の肝機能障害(Child-Pughスコア10以上)を有する患者、フレカイニドまたはプロパフェノンを投与中の患者、妊婦および妊娠している可能性のある婦人ならびに授乳婦には使用禁忌である[12]

副作用

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重大な副作用として添付文書に記載されているものは、尿閉と高血圧である(共に頻度不明)。心拍数増加と血圧上昇の発現率は共に1%未満とされる[12]。口内乾燥の発現率は、偽薬と同程度であり[13]、代表的な抗コリン薬であるトルテロジン(発現率10%以上[14])より低い。

出典

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  1. ^ a b c d e f mirabegron (Rx) - Myrbetriq”. Medscape Reference. WebMD. 17 November 2013閲覧。
  2. ^ 創薬研究の光と影-開発の喜び-◇9 「ミラベグロン」創製への道”. 薬事日報 (2013年5月1日). 2015年3月12日閲覧。
  3. ^ Gras, J (2012). “Mirabegron for the treatment of overactive bladder”. Drugs of today (Barcelona, Spain : 1998) 48 (1): 25-32. doi:10.1358/dot.2012.48.1.1738056. PMID 22384458. 
  4. ^ MYRBETRIQ (mirabegron) tablet, film coated, extended release [Astellas Pharma US, Inc.]”. DailyMed. Astellas Pharma US, Inc. (September 2012). 17 November 2013閲覧。
  5. ^ Betmiga 25mg & 50mg prolonged-release tablets”. electronic Medicines Compendium. Astellas Pharma Ltd (22 February 2013). 17 November 2013閲覧。
  6. ^ アステラス製薬過活動膀胱治療剤「ベタニス錠」製造販売承認取得のお知らせ”. アステラス製薬 (2011年7月1日). 2015年3月12日閲覧。
  7. ^ Sacco E, Bientinesi R, et al. Discovery history and clinical development of mirabegron for the treatment of overactive bladder and urinary incontinence. Expert Opin Drug Discov. 2014 Apr;9(4):433-48. doi: 10.1517/17460441.2014.892923. Epub 2014 Feb 22. PMID 2455903
  8. ^ アステラス製薬のミラベグロンが欧州で承認獲得、3極での市場導入に成功”. 日経バイオテク (2013年1月11日). 2015年3月12日閲覧。
  9. ^ “New Drug Approvals 2012 - Pt. XIV - Mirabegron (MyrbetriqTM)”. ChEMBL. (5 July 2012). http://chembl.blogspot.co.uk/2012/07/new-drug-approvals-2012-pt-xiv.html 28 September 2012閲覧。 
  10. ^ Effect of CL-316,243, a thermogenic beta 3-agonist, on energy balance and brown and white adipose tissues in rats.
  11. ^ Cypess, Aaron; Weiner, Lauren; Roberts-Toler, Carla; Elía, Elisa; Kessler, Skyler; Kahn, Peter; English, Jeffrey; Chatman, Kelly et al. (6 January 2015). “Activation of Human Brown Adipose Tissue by a β3-Adrenergic Receptor Agonist”. Cell Metabolism 21 (1): 33-38. doi:10.1016/j.cmet.2014.12.009. PMID 25565203. 
  12. ^ a b ベタニス錠25mg/ベタニス錠50mg 添付文書” (2016年3月). 2016年7月3日閲覧。
  13. ^ 鈴木雅徳, 鵜飼政志, 笹又理央, 関信男「新規過活動膀胱治療薬ミラベグロン(ベタニス®錠)の薬理学的特性および臨床試験成績」『日本薬理學雜誌』第139巻第5号、日本薬理学会、2012年5月、219-225頁、doi:10.1254/fpj.139.219ISSN 00155691NAID 100305727522020年8月15日閲覧 
  14. ^ デトルシトールカプセル2mg/デトルシトールカプセル4mg 添付文書” (2016年2月). 2016年7月3日閲覧。

外部リンク

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