コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ミリ波画像伝送用及びミリ波データ伝送用特定小電力無線局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ミリ波画像伝送用及びミリ波データ伝送用特定小電力無線局(ミリはがぞうでんそうようおよびミリはデータでんそうようとくていしょうでんりょくむせんきょく)は、過去にあった特定小電力無線局の一種である。

定義

[編集]

総務省令電波法施行規則第6条第4項第2号(12)に、

ミリ波画像伝送(ミリメートル波帯周波数電波を使用して行う画像伝送をいう。)用及びミリ波データ伝送(ミリメートル波帯の周波数の電波を使用して行うデータ伝送をいう。)用で使用するものであつて、57GHzを超え66GHz以下の周波数の電波を使用するもの

と定義していた。[1]

促音の表記は原文ママ

概要

[編集]

特定小電力無線局として共通の特徴は、特定小電力無線局#概要を参照。

電波産業会(略称ARIB)が、無線設備規則第49条の14第13号及び関連告示の技術基準を含めて、標準規格

  • ARIB STD-T69 特定小電力無線局ミリ波画像伝送用無線設備[2]
  • ARIB STD-T74 特定小電力無線局ミリ波データ伝送用無線設備(超高速無線LANシステム)[3]

を策定していた。

画像伝送用は集合住宅での共同視聴に、データ伝送用は高速無線LANに用いられる。

技術的条件

[編集]
周波数 空中線電力 空中線(アンテナ)の絶対利得
60.5GHz 0.01W以下 40dB以下
76.5GHz
79.5GHz 0.01W以下
但し占有周波数帯幅が2GHz以下の場合は1MHzの帯域幅における平均電力が5μW以下
35dB以下
  • 混信防止機能
    • 受信した電波の変調その他の特性を識別することにより、自局が発射した電波の反射波と他の無線局が発射した電波を判別できること
    • 60.5GHzおよび76.5GHzは、計測時以外は電波の発射を停止する機能を搭載すること。

沿革

[編集]

2000年(平成12年)

  • 特定小電力無線局の一種として制度化[4][5]
  • ARIBが「 STD-T69」を制定[2]

2001年(平成13年)- ARIBが「 STD-T74」を制定[3]

2007年(平成19年)- 電波の利用状況調査の中で、3.4GHz以上の免許不要局の出荷台数が公表 [6]

  • 以降、三年周期で公表された。

2015年(平成27年)- 特定小電力無線局から削除[1]

2016年(平成28年)- ARIBは制度改定を受け標準規格を改廃

  • ARIB STD-T69は「小電力データ通信システム/ミリ波画像伝送用無線設備」と改称[2]
  • ARIB STD-T74は「ARIB STD-T117 小電力データ通信システム/60GHz帯超高速スループットワイヤレスLANシステム」に置き換えられ廃止[3]

出荷台数

[編集]
出荷台数
年度 出典
周波数 平成15年度 平成16年度 平成17年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[8]
62.5GHz 67 110 246
周波数 平成18年度 平成19年度 平成20年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[9]
59-66GHz 204 106 607
周波数 平成21年度 平成22年度 平成23年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[10]
62.5GHz 17,433 1,123 4,130
周波数 平成24年度 平成25年度 平成26年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[11]
57-66GHz 4,683 9,032 7,718
周波数 平成27年度 平成28年度 平成29年度 第2章電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[12]
57-66GHz 161 32 12
周波数の表記は出典の通り

旧技術基準による機器の使用期限

[編集]

無線設備規則のスプリアス発射等の強度の許容値に関する技術基準の改正[13]により、旧技術基準に基づき認証された適合表示無線設備に使用期限が設定[14]された。

特定小電力無線局から小電力データ通信システムとなったことによる使用期限の変更はない。

この期限は、後にコロナ禍により延期[15]されている。

詳細は特定小電力無線局#旧技術基準による機器の使用期限を参照。

脚注

[編集]
  1. ^ a b 平成27年総務省令第99号による電波法施行規則改正により削除
  2. ^ a b c 標準規格概要(STD-T69) ARIB - 標準規格等一覧
  3. ^ a b c 標準規格概要(STD-T74) ARIB - 標準規格等一覧
  4. ^ 平成12年郵政省令第48号による電波法施行規則改正
  5. ^ 平成12年郵政省告示第499号による平成元年郵政省告示第42号改正
  6. ^ 「平成18年度電波の利用状況調査の調査結果の概要」の公表及び「平成18年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見の募集(総務省 報道資料 平成19年1月31日)別紙1(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  7. ^ 平成27年総務省令第99号による電波法施行規則改正附則第2項
  8. ^ 「平成18年度電波の利用状況調査の評価結果の概要」p.952(「平成18年度電波の利用状況調査の調査結果の概要」の公表及び「平成18年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見の募集 別紙2(総務省 報道資料 平成19年1月31日))(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  9. ^ 「平成21年度電波の利用状況調査の調査結果」p.708(「平成21年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成21年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 平成22年5月28日))(2010年6月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  10. ^ 「平成24年度電波の利用状況調査の調査結果」p.681 (「平成24年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 平成25年5月10日))(2013年6月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  11. ^ 「平成27年度電波の利用状況調査の調査結果」p.735(「平成27年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成27年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 平成28年3月31日))(2016年4月2日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  12. ^ 「平成30年度電波の利用状況調査の調査結果」p.2-1(「平成27年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成27年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集 別紙2(総務省 報道資料 令和元年5月27日))(2019年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  13. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正
  14. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第3条第1項
  15. ^ 令和3年総務省令第75号による無線設備規則改正

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]