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ミルクヘビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミルクヘビ
トウブミルクヘビ
Lampropeltis triangulum triangulum
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: キングヘビ属 Lampropeltis
: ミルクヘビ L. triangulum
学名
Lampropeltis triangulum
(Lacepede, 1788)
和名
ミルクヘビ
英名
Milk snake

ミルクヘビ学名Lampropeltis triangulum)は、ナミヘビ科キングヘビ属に分類されるヘビ

分布

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  • L. t. abnorma グアテマラミルクヘビ

グアテマラベリーズ[1][2]

メキシコオアハカ州プエブラ州モレロス州[1][2]

  • L. t. elapsoides スカーレットキングヘビ

アメリカ合衆国南東部(アラバマ州サウスカロライナ州ケンタッキー州テネシー州ノースカロライナ州バージニア州東部、フロリダ州ミシシッピ州[1][2]

  • L. t. sinaloae シナロアミルクヘビ

メキシコ(シナロア州ソノラ州チワワ州[1]

  • L. t. triangulum トウブミルクヘビ

アメリカ合衆国北東部、カナダ南東部[1][2]

形態[3]

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最大全長199センチメートル[1]

  • L. t. abnorma グアテマラミルクヘビ

全長165センチメートル[1]。胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数(体列鱗数)は21か23[1]。総排出口までの腹面にある幅の広い鱗の数(腹板数)は217-244[1]。総排出口より後部の鱗の数(尾下板数)は47-61[1]。頭頂を覆う鱗(頭頂板)の前半分より前方が黒く、吻端に白い横縞が入る[1]。背面に19-31の赤い斑紋が入り、赤い鱗の後端が黒い[1]

  • L. t. campbelli プエーブラミルクヘビ

全長70-90センチメートル[2]。体列鱗数は21か23[1]。腹板数は196-219[1]。尾下板数は40-49[1]。頭部が黒く、前額板から鼻間板にかけてアルファベットの「U」字状の白い斑紋が入る[1][2]。背面に14-22の腹面で半数が途切れる赤い斑紋が入る[1][2]

  • L. t. elapsoides スカーレットキングヘビ

最大全長55.8センチメートルと最小亜種[1]。体列鱗数は17か19(まれに21)[1]。腹板数は152-191[1]。尾下板数は31-51[1]。側頭板は前方が1枚、後方が2枚[1]。背面に12-22の腹面でも途切れない赤い斑紋が入る[1][2]

  • L. t. gaigeae クロミルクヘビ

全長157.8センチメートル[1]。体列鱗数は19か21[1]。腹板数は216-236[1]。尾下板数は42-63[1]。成長に伴い黒一色になる[1]

  • L. t. micropholis ナンベイミルクヘビ

最大亜種[1]。体列鱗数は21か23[1]。腹板数は209-229[1]。尾下板数は39-51[1]

  • L. t. sinaloae シナロアミルクヘビ

全長126.6センチメートル[1]。体列鱗数は21か23[1]。腹板数は205-228[1]。尾下板数は42-60[1]。背面に10-16の腹面でも途切れない赤い斑紋が入る[1][2]。黒い斑紋は腹面でも途切れず、最前部の斑紋は口角に接する[1]

  • L. t. triangulum トウブミルクヘビ

全長90-114センチメートル[1][2]。体列鱗数は21(まれに19や23)[1]。腹板数は182-214[1]。尾下板数は35-54[1]。背面に24-54の褐色や灰褐色(幼蛇では赤い)の斑紋が入る[1]。腹面には市松模様状に黒い斑紋が入る[1][2]

分類

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25亜種に分かれるが[1]、形態が重複し差異がわずかで分布域がわからないと同定できない亜種もいるため有効性を疑問視する説もある[2]

  • Lampropeltis triangulum abnorma (Bocourt, 1886) グアテマラミルクヘビ Guatemalan milksnake
  • Lampropeltis triangulum amauna Cope, 1861 ルイジアナミルクヘビ Luisiana milksnake
  • Lampropeltis triangulum andesiana Williams, 1978 アンデスミルクヘビ Andean milk snake
  • Lampropeltis triangulum annulata Kennicott, 1861 メキシコミルクヘビ Mexican milksnake
  • Lampropeltis triangulum arcifera Werner, 1903 ハリースコミルクヘビ Jalisco milksnake
  • Lampropeltis triangulum blanchardi Stuart, 1935 ユカタンミルクヘビ Blanchard's milksnake
  • Lampropeltis triangulum campbelli Quinn, 1983 プエーブラミルクヘビ Pueblan milksnake
  • Lampropeltis triangulum celaenops Stejneger, 1903 ニューメキシコミルクヘビ New Mexico milksnake
  • Lampropeltis triangulum conanti Williams, 1978 コナントミルクヘビ Conant's milk snake
  • Lampropeltis triangulum dixoni Quinn, 1983 ディクソンミルクヘビ Dixon's milksnake
  • Lampropeltis triangulum elapsoides (Holbrook, 1838) スカーレットキングヘビ Scarlet milk snake
  • Lampropeltis triangulum gaigeae Dunn, 1937 クロミルクヘビ Black milksnake
  • Lampropeltis triangulum gentilis (Baird & Girard, 1853) ヘイゲンミルクヘビ Central Plains milksnake
  • Lampropeltis triangulum hondurensis Williams, 1978 ホンジュラスミルクヘビ Honduran milksnake
  • Lampropeltis triangulum micropholis Cope, 1861 ナンベイミルクヘビ Ecuadoran milk snake
  • Lampropeltis triangulum multistriata Kennicott, 1861 シロミルクヘビ Pale milksnake
  • Lampropeltis triangulum nelsoni Blanchard, 1920 ネルソンミルクヘビ Nelson's milksnake
  • Lampropeltis triangulum oligozona (Bocourt, 1886) チアパスミルクヘビ Pacific Central American milksnake
  • Lampropeltis triangulum polyzona Cope, 1861 ベラクルスミルクヘビ Atlantic Central American milksnake
  • Lampropeltis triangulum sinaloae Williams, 1978 シナロアミルクヘビ Sinaloan milksnake
  • Lampropeltis triangulum smithi Williams, 1978 スミスミルクヘビ Smith's milksnake
  • Lampropeltis triangulum stuarti Williams, 1978 スチュアートミルクヘビ Stuart's milksnake
  • Lampropeltis triangulum syspila (Cope, 1888) アカミルクヘビ Red milksnake
  • Lampropeltis triangulum taylori Tanner & Loomis, 1957 ユタミルクヘビ Utah milksnake
  • Lampropeltis triangulum triangulum (Lacepede, 1788) トウブミルクヘビ Eastern milksnake

生態

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森林草原、農耕地などに生息する[2]

食性は動物食で、亜種にもよるが小型爬虫類、鳥類やその卵、小型哺乳類などを食べる[1][2]

繁殖形態は卵生。

人間との関係

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ネズミを食べるために牛舎に侵入したのを、ウシの乳を目当てに侵入したと勘違いされたことが名前の由来とされる[1][2]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。野生では爬虫類を好む傾向にあるが、飼育下では大型亜種の場合は専門店などで販売されている冷凍マウスや冷凍ラットを解凍し個体の大きさに合わせて与えるだけで問題ない。しかし小型亜種の場合は成蛇でもマウスが大きい個体もいる。

画像

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関連項目

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  • キングヘビ属
  • サンゴヘビ属 - コブラ科毒蛇。本種がサンゴヘビ属のヘビと酷似していることから、しばしばニセサンゴヘビと呼ばれる。ただし体の配色は本種が赤 - 黒 - 白 - 黒 - 赤なのに対し、サンゴヘビ属は赤 - 白 - 黒 - 白 - 赤と、白と黒の順番が逆になっている(ただしブラジルサンゴヘビは赤 - 黒 - 白 - 黒 - 白 - 黒 - 赤と、やや複雑で紛らわしい配色のため注意)。

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、121-123頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 鳥羽通久 「ミルクスネークの分類」『クリーパー』第9号、クリーパー社、2001年、48-49、51-57頁。
  3. ^ curie, Marie (2024年8月29日). “Honduran Milk Snake: History, Care, Breeding, And Expert Tips” (英語). SNAKES WORLD. 2024年9月3日閲覧。
  • クリス・マティソン 『ヘビ大図鑑』 監訳千石正一、緑書房、2000年、88-89、160頁。
  • 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、誠文堂新光社2005年、33-35頁。