ムネクリイロボタル
ムネクリイロボタル | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Cyphonocerus ruficollis |
ムネクリイロボタル Cyphonocerus ruficollis はホタル科の昆虫の1つ。
特徴
[編集]体長は6-8mm[1]。背面は多少光沢があって黒から黒褐色で、前胸だけが橙赤色をしている。頭部は粗い点刻が不均等に散らばる。前頭は平たくて幅広くくぼみがあり、その中央前側に縦溝がある。触角は黒い毛が生えており、第1節は太くて長く、第2節はごく短く、第3-10節はほぼ同程度の長さでそれぞれから同じくらいの長さの2本の横枝が出る。ただしこの横枝は雌では短くて突起状となる。第11節は細長くて先端が細くなって終わる。前胸背は緩やかに盛り上がり、黄色の毛が生えており、前側は円形っぽくなって縁があり、粗大な点刻が皺状に密生している。また中央に縦溝がある。また後ろの縁の両肩内側が少し窪み、両端は後ろ向きに突き出している。小楯板はやや細長い三角形で後端は丸まる。鞘翅には黒い毛があり、皺状に点刻があり、ややはっきりした3本の縦脈が走る。腹部は光沢があって黒く、軽い点刻がある。
幼虫は半円筒形に近く、細長くて丸みがある。頭部は小さく、茶褐色を帯びる。胸部から腹部の背面は全体に光沢のある黒で、腹面は淡黄色をしている。腹部第8節に発光器があって淡黄色に見える。オキナワエダヒゲボタルに似ているが、本種の方が光沢が強い[2]。
生態など
[編集]成虫は6-7月に見られる。幼虫期間は1年を超え、越冬も幼虫が行う[2]。
湿潤な環境に多く見られ、山林を背景にした林縁の草地、あるいは林床の草地などに見られ、人家周辺に出現することもある。成虫は昼夜共に活動する。産卵は地中に行われる。幼虫はオカチョウジガイなどの陸生貝類を捕食する。歩行能力は低く、草の上に這い上ることなどは出来ない。また夜間に地表で連続的な光を放ち、その光は成虫のそれより強い。地中に蛹室を作って蛹化する[2]。
分布
[編集]分布は本州・四国・九州で範囲は広いものの実際の生息地は限定的である[2]。
近縁種
[編集]同属のものにヘリアカクシヒゲボタル C. marginatus があり、四国、九州から知られるが多くない[3]。体色が異なり、この種では全体に暗褐色で前胸背と鞘翅の外縁が赤みを帯び、また触角の櫛状の分枝がより長い[4]。他に同属の種としては沖縄島にオキナワクシヒゲボタル C. okinawanus、石垣島にヤエヤマクシヒゲボタル C. yayeyamensis が知られている[3]。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 石井悌他編、『日本昆蟲圖鑑』、(1950)、北隆館
- 中根猛彦他、『原色昆虫大圖鑑 〔第2巻〕』、(1963)、北隆館
- 上野俊一他、『原色日本甲虫図鑑(II)』、(1985)、保育社
- 黒沢良彦他編著、『原色日本甲虫図鑑(III)』、(1985)、保育社
- 志村隆編、『日本産幼虫図鑑』、(2005)、学習研究社