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モスティン男爵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
モスティン男爵
Baron Mostyn
創設時期1831年9月10日
創設者ウィリアム4世
貴族連合王国貴族
初代初代男爵エドワード・ロイド英語版
現所有者7代男爵グレゴリー・モスティン
推定相続人ロジャー・ロイド=モスティン
付随称号(ペングウェラの)準男爵
モットー我が助けは神に由来す
(Auxilium Meum A Domino)

モスティン男爵英語: Baron Mostyn)はイギリスの男爵貴族連合王国貴族爵位。庶民院議員エドワード・ロイド英語版1831年に叙位されたことに始まり、以降はロイド=モスティン家がその爵位を保持する。

本項ではその前身となったロイド準男爵[注釈 1]に関しても触れる。 

歴史

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初代男爵を描いた肖像画
男爵家の所有するモスティン・ホールとその庭

エドワード・プライス・ロイド(1710頃-1795)はロイド家出身者のうち最初に称号を得た人物で、彼は1778年にグレートブリテン準男爵位の「(フリント州ペングウェラの)準男爵(Baronet, of Pengwerra in the County of Flint)」を授けられた[1][2][3]。この準男爵位には残余権が付与されており、エドワードの弟とその男子にも相続を認めていた[3]。ゆえに、彼ののちは存命の甥エドワードが準男爵位を継承した[2][3]

その2代準男爵エドワード(1768-1854)が男爵家の祖となった人物であり、フリント・バラズ選挙区英語版及びボーマリス選挙区英語版選出の庶民院議員を務めた政治家である[3][4]。彼は1795年に義父サー・ロジャー・モスティン英語版からウェールズの地所を相続したほか[4][5]1831年9月10日には連合王国貴族として「フリント州モスティンのモスティン男爵(Baron Mostyn, of Mostyn in the County of Flint)」に叙せられた[2][3][4][5]

その息子の2代男爵エドワード英語版(1795-1884)フリントシャー選挙区英語版及びリッチフィールド選挙区英語版選出の庶民院議員を務めたほか、メリオネスシャー統監英語版[注釈 2]も務めた[2][3]。彼は父が叙爵された1831年に勅許を得て、母方の名家「モスティン(Mostyn)」の名をその姓に加えた[2][3]。エドワードの子トマス英語版は父の跡を継いでフリントシャー選出の庶民院議員を務めたが、爵位を継ぐ前に31歳で急逝した[6]。そのため、爵位はエドワードの孫ルワレンが継承した[2][3][5]。以降も直系男子による継承が続いており、ルワレンの玄孫である7代男爵グレゴリーが男爵家現当主である[5]

7代男爵グレゴリー(1984-)は、2011年3月22日に父の死去に伴って爵位を継承した[5][7][8][9]。モスティン男爵家は、自ら開発したウェールズ北部のリゾート地スランディドゥノ英語版をはじめ、モスティン・エステーツ (Mostyn Estates) として多くの地所を抱えており、現当主は若手イギリス人の長者番付に度々名前が挙がっている[9][10][11]ハリー杉山は現当主のかつての同級生である[11][12][13][14]

モスティン男爵家の邸宅はフリントシャーモスティン英語版モスティン・ホール英語版[5]。モスティン・ホールには、リチャード3世に追われていたヘンリー7世が逃げ込み、先祖が匿ったとの伝承がある[11]

一覧

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ペングウェラのロイド準男爵(1778年)

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モスティン男爵(1831年)

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爵位の推定相続人は、7代男爵のみいとこの孫であるロジャー・ヒュー・ロイド=モスティン(1941年 - )で、2代男爵から数えて7代目にあたる[15]

その次代は長男クリストファー・エドワード・ロイド=モスティン(1968年 - )、更に次代はアレクサンダー・ジェイムズ・ロイド=モスティン(2000年 - )。

脚注

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注釈

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  1. ^ 準男爵位は爵位と異なり、準男爵という肩書だけ与えられる(「○○準男爵」といった形では与えられない)。他の準男爵位と区別する必要がある場合にのみ姓名を付けたり、由来する地名を付けたりして区別する。
  2. ^ メリオネスシャー英語版はかつてウェールズ中北部に存在したカウンティで、ウェールズの歴史的カウンティ英語版13州のひとつ。現在はグウィネズの一部である。役職については統監を参照のこと。

出典

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  1. ^ Current Great Britain Baronetcies”. www.cracroftspeerage.co.uk. 2020年9月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Arthur G.M. Hesilrige (1921). Debrett's peerage, and titles of courtesy, in which is included full information respecting the collateral branches of Peers, Privy Councillors, Lords of Session, etc. Wellesley College Library. London, Dean. p. 656. https://archive.org/details/debrettspeeraget00unse/page/656 
  3. ^ a b c d e f g h Cokayne, G. E., ed (1893). Complete Peerage of England, Scotland, Ireland, Great Britain and the United Kingdom, extant, extinct, or dormant (L to M). 5 (1st ed.). London: George Bell & Sons. p. 388. https://archive.org/details/completepeerage05cokahrish/page/n389/mode/2up 
  4. ^ a b c LLOYD, Sir Edward Pryce, 2nd Bt. (1768-1854), of Pengwern, Flints. and Bodfach, Mont. | History of Parliament Online”. www.historyofparliamentonline.org. 2020年9月1日閲覧。
  5. ^ a b c d e f Heraldic Media Limited. “Mostyn, Baron (UK, 1831)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2020年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月1日閲覧。
  6. ^ Craig, F. W. S. (1989) [1977]. British parliamentary election results 1832–1885 (2nd ed.). Chichester: Parliamentary Research Services. p. 525. ISBN 0-900178-26-4 
  7. ^ “The Lord Mostyn”. The Times. (2 April 2011). オリジナルの2011年8月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110831034320/http://thoughtsofoscar.blogspot.com/2011/04/lord-mostyn.html 
  8. ^ Waddington, David (2011年4月6日). “Tributes as sixth Lord Mostyn dies”. North Wales Pioneer. 2020年8月14日閲覧。
  9. ^ a b Wales’ richest are among the wealthiest”. WalesOnline (2011年5月9日). 2020年8月14日閲覧。
  10. ^ Powell, David (2013年11月23日). “Lord Mostyn: Britain's 13th richest under 30-years-of-age”. North Wales Live. 2020年8月14日閲覧。
  11. ^ a b c 「世界ふしぎ発見!」 2020年6月27日(土)放送内容”. 価格.com. 2020年8月14日閲覧。
  12. ^ ハリー杉山 (2014年2月9日). “幼馴染みサプライズ!!!”. LINE BLOG. 2020年8月14日閲覧。
  13. ^ ハリー杉山 [@harrysugiyama] (2019年2月9日). "今夜 幼馴染の グレゴリー、現モスティン卿が NHK BSプレミアム に出ます。1930〜 リアル白馬の王子さま です。 日本が大好きで日本語も独学で喋ります。ただ皆様、彼の隣に毎晩寝るのはくまもん と どーもくん、時にはアンパンマンのぬいぐるみです。それほど日本が大好き、、と言う事で 笑". X(旧Twitter)より2020年8月14日閲覧
  14. ^ ハリー杉山 [@harrysugiyama] (2020年6月21日). "幼馴染をインタビューしてます。ふしぎ発見です。相変わらず日本大好きなグレゴリー。そしてしっかりグーナーっぷりを発揮。#世界ふしぎ発見 #アーセナル". X(旧Twitter)より2020年8月14日閲覧
  15. ^ Archived copy”. 2013年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月9日閲覧。

参考文献

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  • Kidd, Charles, Williamson, David (editors). Debrett's Peerage and Baronetage (1990 edition). New York: St Martin's Press, 1990, [要ページ番号]

関連項目

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外部リンク

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