コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

モーデル曲線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
y2 = x3 + 1 は (-1, 0), (0, 1) および (0, -1) に解を持つ。

代数学において、モーデル曲線(-きょくせん、英語: Mordell curve)とは、n を非零整数定数として y2 = x3 + n の形式で表される楕円曲線である[1]

ルイス・モーデルはこれらの曲線の格子点について詳しく研究した[2]。彼はすべてのモーデル曲線が高々有限個の格子点 (x, y) を持つと示した。言い換えれば、平方数立方数の差は無限大に発散するということである。発散速度はベイカーの定理によって調べられている。この問題はホールの予想英語版として取り扱われている。

性質

[編集]

(x, y) がモーデル曲線上の格子点であるとき、(x, −y) も同様に格子点となる。

対応するモーデル曲線が格子点を持たないような n が存在する[1]。例えば

6, 7, 11, 13, 14, 20, 21, 23, 29, 32, 34, 39, 42, ... (オンライン整数列大辞典の数列 A054504
−3, −5, −6, −9, −10, −12, −14, −16, −17, −21, −22, ... (オンライン整数列大辞典の数列 A081121

n = −2 の場合についてはフェルマーのサンドイッチ定理英語: Fermat's Sandwich Theorem)として知られる[3]

解のリスト

[編集]

n の絶対値が25以下の場合のモーデル曲線 y2 = x3 + n の解のリストを示す。y ≥ 0 となる解のみ示してある。

n (x,y)
1 (−1, 0), (0, 1), (2, 3)
2 (−1, 1)
3 (1, 2)
4 (0, 2)
5 (−1, 2)
6
7
8 (−2, 0), (1, 3), (2, 4), (46, 312)
9 (−2, 1), (0, 3), (3, 6), (6, 15), (40, 253)
10 (−1, 3)
11
12 (−2, 2), (13, 47)
13
14
15 (1, 4), (109, 1138)
16 (0, 4)
17 (−1, 4), (−2, 3), (2, 5), (4, 9), (8, 23), (43, 282), (52, 375), (5234, 378661)
18 (7, 19)
19 (5, 12)
20
21
22 (3, 7)
23
24 (−2, 4), (1, 5), (10, 32), (8158, 736844)
25 (0, 5)
n (x,y)
−1 (1, 0)
−2 (3, 5)
−3
−4 (5, 11), (2, 2)
−5
−6
−7 (2, 1), (32, 181)
−8 (2, 0)
−9
−10
−11 (3, 4), (15, 58)
−12
−13 (17, 70)
−14
−15 (4, 7)
−16
−17
−18 (3, 3)
−19 (7, 18)
−20 (6, 14)
−21
−22
−23 (3, 2)
−24
−25 (5, 10)

1998年、J. Gebel, A. Pethö, H. G. Zimmer は 0 < |n| ≤ 104 を満たすすべての格子点を見つけている[4][5]

2015年、M. A. Bennett と A. Ghadermarzi は 0 < |n| ≤ 107 の格子点を計算した[6]

脚注

[編集]
  1. ^ a b Weisstein, Eric W. "Mordell Curve". mathworld.wolfram.com (英語).
  2. ^ Louis Mordell (1969). Diophantine Equations 
  3. ^ Weisstein, Eric W. "Fermat's Sandwich Theorem". mathworld.wolfram.com (英語). 2022年3月24日閲覧
  4. ^ Gebel, J.; Pethö, A.; Zimmer, H. G. (1998). “On Mordell's equation”. Compositio Mathematica 110 (3): 335–367. doi:10.1023/A:1000281602647. 
  5. ^ A081119およびA081120
  6. ^ M. A. Bennett, A. Ghadermarzi (2015). “Mordell's equation : a classical approach”. LMS Journal of Computation and Mathematics 18: 633-646. arXiv:1311.7077. doi:10.1112/S1461157015000182. http://www.math.ubc.ca/~bennett/BeGh-LMSJCM-2015.pdf. 

外部リンク

[編集]