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ヤイマヒラヨシノボリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤイマヒラヨシノボリ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ハゼ亜目 Gobioidei
: ハゼ科 Gobiidae
亜科 : ゴビオネルス亜科 Gobionellinae
: ヨシノボリ属 Rhinogobius
: ヤイマヒラヨシノボリ R.yaima
学名
Rhinogobius yaima
(Suzuki, Oseko, Kimura & Shibukawa, 2020)
和名
ヤイマヒラヨシノボリ
(やいま平葦登)
英名
Yaeyama fluviatile goby

ヤイマヒラヨシノボリ(やいま平葦登、Rhinogobius yaima)は、ヨシノボリ類の両側回遊魚。2020年新種記載されたハゼで、成魚石垣島西表島の渓流に生息する。

分布

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琉球列島固有種[1]石垣島西表島に分布する[2]

形態

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成魚全長は7-8cmだが、最大で10cmになる[1]。縦列数40–43、脊椎骨数26、第1背鰭棘数6。他のヨシノボリよりも著しく頭部が縦扁していることが特徴。また、他種に比べ体が細長い[3][1]胸鰭は左右にせり出して見える。体の前半に3本程度の縦帯があり[1]、胸鰭基部の黒半が顕著である[1][4]。眼から吻端にかけての朱条は太く明瞭で[1]、ヨシノボリのなかではこの朱条は最大である。オスの体色は青みが強く、産卵期には黒くなる[3]。オスの尾鰭には橙色の4 横点列がある。また、メスの尾鰭基底に垂直に並んだ1 対の長方形または円形の黒色斑がある。オスの第1背鰭低く後端は倒しても第2背鰭起部に達せず、腹鰭第5軟条は普通最初に5分岐する。胸鰭基底、腹鰭起部前方、腹部腹中線周辺は無鱗である。生時もしくは生鮮時に側頭部から第2背鰭起部にかけての背面に橙色または赤色の2縦線がある[4]

生態

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主に流域の長い河川の[1]河川上流域[3]の急流を好み、渓流域の早瀬の礫底など流れの速い場所に生息する[3][1]。冬季は中流域にも出現することがある[1]仔魚は一度海に降りる両側回遊を行うが、成魚は落差40mを超えるような大きな滝の上にもみられる[3]。繁殖期は3月頃[1]

名称

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標準和名「ヤイマヒラヨシノボリ」のヤイマとは学名のyaimaからきており、学名のyaimaは八重山諸島に由来する。ヒラとは体が縦扁し平ぺったいことからである[2]。 また、他の和名として、イーブーという地方名がある[2][3]

色斑が「ヨシノボリ大型種(現在のオオヨシノボリ)」に似ていることから、もともと本種はヨシノボリ大型種と呼ばれていた。

その後、「ヨシノボリ大型種」に複数の型があるとわかり、ヨシノボリ南黒色大型と呼ばれるようになった。

「ヨシノボリ」が複数種に細分され、オオヨシノボリという種が発表されたことで、本種はオオヨシノボリ南黒色型と呼ばれるようになった。

「オオヨシノボリ南黒色型」は種に格上げされ、オオヨシノボリとは別種となり、ヒラヨシノボリという標準和名が提唱された。

「ヒラヨシノボリ」は2種に細分化され、ヤイマヒラヨシノボリ(Rhinogobius yaima)とケンムンヒラヨシノボリRhinogobius yonezawai)の新2種が記載された。

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j 細谷和海 『増補改訂 日本の淡水魚』 山と渓谷社 2019年 466~467頁
  2. ^ a b c 川のさかな情報館 ヨシノボリ https://ichthysinfo.web.fc2.com/ichthys/genus/yoshinobori.html
  3. ^ a b c d e f 松沢陽士 『ポケット図鑑日本の淡水魚258』 文一総合出版 2016年 269頁
  4. ^ a b 鈴木 寿之, 大迫 尚晴, 木村 清志, 渋川 浩一 琉球列島の河川急流域に生息するハゼ科ヨシノボリ属魚類2新種 神奈川県立博物館研究報告(自然科学) 2020年 2020 巻 49号