コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ヤイロチョウ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤイロチョウ科
インドヤイロチョウ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : タイランチョウ亜目 Tyranni
下目 : ヒロハシ下目 Eurylaimides
: ヤイロチョウ科 Pittidae
学名
Pittidae Swainson1831
タイプ属
Pitta Vieillot1816
和名
ヤイロチョウ(八色鳥)
英名
Pitta
  • Hydrornis
  • Erythropitta
  • Pitta

ヤイロチョウ科(ヤイロチョウか、学名 Pittidae)は、鳥類スズメ目タイランチョウ亜目の科である。ヤイロチョウ(八色鳥)と総称されるが、狭義にはヤイロチョウは1種 Pitta nympha を意味する。

特徴

[編集]

分布

[編集]

ユーラシアオーストラリア区。タイランチョウ亜目のうちアメリカ大陸にまったく生息しない科はヤイロチョウ科のみである(ヒロハシ科を分割しない場合)。

アフリカ大陸オーストラリア大陸北部および東部、ユーラシア大陸南部、インドネシアソロモン諸島日本パプアニューギニアフィリピン

形態

[編集]

全長15–28cm。全身が複数の色彩をした羽毛で覆われ、特に頭部や腹面が鮮やかな色彩をした種が多い。尾羽は短い。

嘴は太く、やや下方へ湾曲する。後肢は長く、地表で歩行するのに適している。

多くの種では雌雄で色彩は変わらない。

生態

[編集]

低地から山地にかけての常緑樹林落葉樹林などに生息する。主に地表棲だが、樹上で大声で鳴くこともある。群れは形成せず、単独で生活する。危険を感じると走ったり、短距離を低空飛行し逃げる。

食性は動物食で、昆虫類、陸棲の貝類ミミズなどを食べる。地表を徘徊し、嘴で落ち葉や腐食質等をどかして獲物を捕食する。

繁殖形態は卵生。樹上や地表などの様々な場所に木の枝を組み合わせた球状や楕円形状の巣を作る。

系統

[編集]

ヒロハシ科姉妹群であり、合わせてヒロハシ下目(旧世界亜鳴禽類)となる。

ヤイロチョウ科はかつて複数の属が1つの属に統合されたが、3つの大きな系統が見つかり、ふたたび3属に分離された[1]

タイランチョウ亜目
ヒロハシ下目

ヒロハシ科 Eurylaimidae

ヤイロチョウ科

Hydrornis

Erythropitta

Pitta

タイランチョウ下目

カマドドリ下目

属と種

[編集]

国際鳥類学会議 (IOC) による[2][3]。3属32種からなる。

全てをヤイロチョウ属 Pitta 1属とすることもある。ただし Hydrornis 属の一部の種は、属を Pitta とする場合、種小名の語尾を女性形にしなければならない。

人間との関係

[編集]

属名 Pitta、および英語名 pitta はインド南部で鳥を指す言葉に由来する。

開発による生息地の破壊等により生息数が減少している種もいる。

出典

[編集]
  1. ^ Irestedt, M.; Ohlson, J. I.; et al. (2006), “Nuclear DNA from old collections of avian study skins reveals the evolutionary history of the Old World suboscines (Aves, Passeriformes)”, Zool. Scripta 35: 576–580 
  2. ^ Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), “NZ wrens & pittas to ovenbirds”, IOC World Bird Names (version 2.5), オリジナルの2011年5月22日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20110522065025/http://www.worldbirdnames.org/n-wrens.html 
  3. ^ IOC World Bird Names Version 2.5 には一部の種小名の性に間違いがあるので Version 2.6 (DRAFT) Archived 2010年8月13日, at the Wayback Machine. に従い訂正

参考文献

[編集]
  • 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、49頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズA.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥類III』、平凡社1986年、20–23、152頁。
  • 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 拡大版』、日本野鳥の会1989年、216頁。
  • 小原秀雄浦本昌紀太田英利松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、103、201頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社、2000年、91、185–186頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ5 東南アジアの島々』、講談社、2000年、100、184頁。
  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』、講談社、2000年、192–193頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、83、139頁。
');