メハジキ
メハジキ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
Leonurus japonicus Houtt.[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
メハジキ(目弾き)[5][6][7] |
メハジキ(目弾き、茺蔚、学名:Leonurus japonicus)は、シソ科メハジキ属の一年草または越年草。別名、ヤクモソウ(益母草)[5][6][7]。野原や道端などに生えて、高さは1メートル前後になり、夏に紫色の花を咲かせる。全草が産前産後、婦人病、眼病などの薬草として利用されていた。
名前の由来
[編集]和名メハジキは、「目弾き」の意で、茎に弾力があり、昔は子どもたちが短く切った茎の切れ端を、瞼につっかえ棒にして張って、目を大きく開かせて遊んだことによる[5][6][7][8]。
分布と生育環境
[編集]日本では、北海道、本州、四国、九州、琉球に分布し[9]、国外では、朝鮮半島、台湾、中国大陸、ロシア沿海地方、東南アジア、南アジアに分布する。また、北アメリカに帰化している[5][6][7]。山野、野原、堤防、道ばた、荒れ地などに自生する[9][10]。
特徴
[編集]越年草[10]。根生葉には長い葉柄があり、卵円形で浅い切れ込みがあり、葉縁に粗い鈍鋸歯がある[10]。2年目に茎は直立し、四角形で短い圧毛が多く生え、高さは50 - 150センチメートル (cm) になり、まばらに分枝する[10]。茎につく葉は対生し、上部になるほど次第に小形になる[10]。茎の下部につく葉は、長さ4 - 9 cm、幅3 - 7 cmになり、長い葉柄があって深く3裂から全裂し[8]、裂片はさらに羽状に切れ込んで線状披針形となり、先は鈍頭または鋭突頭になり、基部は広いくさび形になる。葉の裏面には白色の短毛が密に生え、灰白色をおびる。茎の上部の葉は葉柄も短くなり、葉身もしだいに小さくなって長さ4 - 10 cmの卵形から披針形で側裂片は短くなり、最上部の茎葉は倒披針形で分裂しない[5][6][7]。根生葉は、花が咲くときには枯れる[10]。
花期は夏(7 - 9月)[9]。花は淡紅色の小型の唇形花で、茎の上部の葉腋に段状に数個かたまって、輪散花序になってつく[10]。花序の下に刺針状の短い小苞がある。萼は筒状で長さ6 - 7ミリメートル (mm) になり、等しく5裂して裂片の先は刺状に鋭くとがり、果実期には目立つ[9]。花冠は長さ10 - 13 mmの2唇形で、紅紫色をし、外面に白い毛が密生し、下唇は前方に突き出て3裂し内面に赤い縦筋がある。雄蕊は4個あり、上唇の内側に沿って伸びる。雌蕊は1個ある。
果実は長さ2 - 2.3 mmになる分果で4個あり、暗褐色から黒色でときに黒い斑が見られるが、斑がないものもある[9]。形は広いくさび形で、扁3稜形で先端は切形、背面は丸みがある[9]。分果は宿存性の萼につつまれる[5][6][7]。
全草に白く細かい毛が密生し、特有の匂いがある[10]。
利用
[編集]栽培は種子で繁殖させて、1年目の越冬は霜よけを行う[10]。
花の時期の全草を採取し乾燥させたものを、漢方で産前産後の保健薬にしたことから、益母草(やくもそう)と称し[5][6][7]、種子は茺蔚子(じゅういし)と称する生薬になる[10]。初夏の開花始めのときに地上部を刈り取って、屋内で風干しして、長さ2 cmぐらいに刻んで調製し、紙袋で貯蔵される[10]。全草(益母草)は、止血、浄血、婦人病薬としての補精、浴湯料として薬効があるとされ、種子(茺蔚子)は水腫、目の疾患、利尿に効果があるとされる[10]。全草、種子ともに婦人の要薬、特に産後の止血、浄血、補精、月経不順、腹痛に効用があるといわれている[10]。民間療法では、全草1日量5 - 8グラムを水300 ccで煎じて、2 - 3回に分けて服用する用法が知られている[10]。
ギャラリー
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花冠は葉腋に輪散花序になってつく。
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果期の宿存性の萼と中に果実。
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葉に長い葉柄があって深く裂け、裂片はさらに羽状に切れ込んで線状披針形となる。
脚注
[編集]- ^ メハジキ 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ メハジキ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ メハジキ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ メハジキ(シノニム) 「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e f g 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』p.163
- ^ a b c d e f g 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1073
- ^ a b c d e f g 『改訂新版 日本の野生植物 5』p.125
- ^ a b 大嶋敏昭監修 2002, p. 405.
- ^ a b c d e f 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2012, p. 63.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 馬場篤 1996, p. 109.
参考文献
[編集]- 大嶋敏昭監修『花色でひける山野草・高山植物』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、2002年5月20日、405頁。ISBN 4-415-01906-4。
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』平凡社、2017年。
- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『草木の種子と果実』誠文堂新光社〈ネイチャーウォッチングガイドブック〉、2012年9月28日、63頁。ISBN 978-4-416-71219-1。
- 林弥栄・平野隆久『山溪ハンディ図鑑 1 野に咲く花』山と溪谷社、1989年。
- 牧野富太郎原著、邑田仁・米倉浩司編集『新分類 牧野日本植物図鑑』北隆館、2017年。
- 馬場篤『薬草500種-栽培から効用まで』大貫茂(写真)、誠文堂新光社、1996年9月27日、109頁。ISBN 4-416-49618-4。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)