ヤセル・アル・ハビブ
ヤセル・アル・ハビブ(アラビア語: ياسر الحبيب, 英: Yasser Al-Habib)はクウェート出身でロンドンに住むイスラーム教シーア派の聖職者(cleric)。 2004年のInternational Religious Freedom Reportによると、ヤセル・アル・ハビブは2003年12月の録音テープにおいて、イスラーム教スンナ派に批判的な言動を行っている。それを聞いたスンナ派に属する過激派は、2004年にスンナ派のモスクの外でシーア派を批判するビラを配るなど、対立姿勢を強めている[1]。
背景
[編集]イスラーム教は成立のかなり初期に、指導者の正当性を巡ってシーア派とスンナ派に分裂している。シーア派は、第4代正統カリフ、アリー・イブン・アビー・ターリブの息子を正当とする立場の宗派である。アリーは預言者ムハンマドの娘婿であり、その息子は預言者の孫である。それに対して初代正統カリフのアブー・バクルや、第2代正統カリフのウマル・イブン・ハッターブは預言者の血縁ではないことから、シーア派信者の中には、アブー・バクルやウマルを、後継者位を簒奪した人物であるとして批判する人が存在する。
シーア派はイランを中心に盛んな宗派である。クウェートではスンナ派が主流であるが、人口の30%がシーア派である[2]。
ヤセル・アル・ハビブの主張
[編集]アブー・バクルとウマルについて
[編集]アル・ハビブはアブー・バクルとウマル・イブン・ハッターブに批判的な立場を取っている。アル・ハビブはロンドンに新しく作られた本部の開所式において「我々がアブー・バクルとウマルに対して肯定的な態度を取ることはないだろう」と話し[3]、その理由についての講演も行っている。この講演はアル・ハビブの公式ウェブサイトで公開されている[4]。
ムハンマド・フセイン・ファドラッラーについて
[編集]2010年7月に亡くなったレバノンのシーア派の指導者ムハンマド・フセイン・ファドラッラーについて、彼の教義や方法には間違っている点が多いと批判している[5]。
エジプト政府について
[編集]シーア派の聖職者でコダム・アル=マフディー(アラビア語: هيئة خدام المهدي)の指導者ハッサン・シェーラがエジプト政府に逮捕された件について、ヤセル・アル・ハビブは批判を行っている[6]。
活動
[編集]アル・ハビブは2010年6月14日にロンドンに仮本部を構え、そこに拠点を移した[3]。
参考文献
[編集]- ^ International Religious Freedom Report 2004 - Kuwait
- ^ 外務省中東第二課 クウェート国概況、2008年8月
- ^ a b The Drop - Sheikh al-Habib at the opening ceremony of the new headquarters Archived 2010年9月17日, at the Wayback Machine.
- ^ The drop, Office of Sheikh Al-Habib in London - Video Youtube
- ^ The drop, Office of Sheikh Al-Habib in London - Sheikh al-Habib Hails our Great Scholars’ Refusal to pay tribute to Fadlullah Archived 2010年9月17日, at the Wayback Machine.
- ^ [1]