ヤマクルマガイ
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ヤマクルマガイ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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死殻と蓋(右)
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Spirostoma japonicum (A. Adams, 1867) | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ヤマクルマガイ |
ヤマクルマガイ Spirostoma japonicum は、ヤマタニシ科の陸産貝類の1種。ごく平らな殻を持ち、蓋が円錐形に高く盛り上がっている。
特徴
[編集]殻は円座形で螺塔はほとんど平らになっている[1]。螺層は4.5層で各層はよく膨らんでいて繋ぎ目は深くなっている。体層は大きくて丸い。殻皮は滑らかで黄褐色、光沢がある。殻口は丸く、前向きにやや傾き、その縁は滑らか、分厚くなってやや反転している。臍孔はとても広くて、その内側に全部の螺層を見ることが出来る。殻の大きさには雌雄の二型があり、雌の殻の方が大きくて殻高6.4-7.1mm、殻径11.8-15.7mmであるのに対して、雄では殻高5.8-6.8mm、殻径11.8-15.7mmである[2]。
殻の蓋は丸くて革質で、外側は円錐形に中央が高まっており、その表面に螺旋の模様があってまるでハエの蛹のようにも見える[3]。
分布と生息環境
[編集]本州の中部以南・以西から四国、九州に分布する[2]。国外では朝鮮半島南部からも知られる[3]。
林の下、特に砂丘の灌木林の下に多い[3]。樹種としてはタブノキ、ヤブニッケイ、ウバメガシ(いずれも日本南部の海岸林の代表的な構成種)の下の落葉に生息する[2]。
類似種など
[編集]屋久島、種子島、口ノ島には本種に似ているが殻高6mm、殻径10.5mmとはっきりと小型のものがあり、これをヒメヤマクルマガイ S. j. nakadai と言う。本種の亜種とされるがかつては別種に扱っていた[4]。これ以外には日本では類似の種はない。
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殻の上面
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大きさ:年賀状の切手部分で
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裏面・ヘソの内側に巻いている殻が見える。
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殻口側
出典
[編集]参考文献
[編集]- 岡田他『新日本動物図鑑 〔中〕』第二版(訂)、北隆館、1967年。
- 東正雄『原色日本陸産貝類図鑑』保育社、1982年。
- 武田晋一(写真)・西浩孝(解説)『カタツムリ ハンドブック』文一総合出版、2015年。