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ヤリノホツノマタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤリノホツノマタ
分類
: 動物界 Animalia
: 軟体動物門 Mollusca
: 腹足綱 Gastropoda
亜綱 : 新生腹足亜綱 Caenogastropoda
: 新腹足目 Neogastropoda
上科 : エゾバイ上科 Buccinoidea
: ヤリノホツノマタ科 Dolicholatiridae
: ヤリノホツノマタ属
Dolicholatirus Bellardi, 1884
学名
Dolicholatirus lancea
(Gmelin1791)
和名
ヤリノホツノマタ

ヤリノホツノマタ(槍の穂角叉)、学名 Dolicholatirus lancea は、ヤリノホツノマタ科に分類される海産の巻貝の一種。種小名はラテン語ランスを表す名詞lancea」。名詞なので属名の性に応じた語尾変化はなく、形容詞と誤認して lanceus と綴るのは誤り。別名ヤリノホツノマタガイ

分布

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日本(紀伊半島九州西岸以南)、インド西太平洋[1][2]

形態

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成貝は殻高70mmほどに達する[2]。殻は細長く、高い螺塔と長く太めの水管溝をもつ。各表には太く明瞭な縦肋と細く鋭い螺肋がある。螺肋は縦肋上でも縦肋間でも明瞭で、水管溝にもある。全体に荒削りな彫刻となっていて光沢は全くない。縦肋や水管溝は灰白色で縦肋間は暗色に染まる。螺肋は灰白色、あるいは帯紅色となる。殻口内は黒紫褐色で、外唇側内面に数本の灰白色の内肋がある[1][2]。足の表面は白色地に橙色の粗い網目模様があり、触角は橙色部が多い[3]

生態

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潮間帯から水深50mまでの岩礁や珊瑚礁に生息する[1]

分類

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この属は伝統的にイトマキボラ科 Fasciolariidae に分類されていたが、分子系統解析の結果から独立の科としてヤリノホツノマタ科 Dolicholatiridae が創設され、そこに分類されるようになった[4]

出典

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  1. ^ a b c 菱田嘉一 (2000). 世界海産貝類コレクション大図鑑―美しい世界の貝. 電気書院. pp. 499(p.219). ISBN 978-4485998199 
  2. ^ a b c 奥谷喬司; 土屋光太郎 (2000). イトマキボラ科 p.504-513 in 奥谷喬司(編著)『日本近海産貝類図鑑』. 東海大学出版会. pp. xlviii+1173 (p.506 [pl. 252, fig. 16], 507). ISBN 4486014065 
  3. ^ Today's thumbnai Dolicholatirus lancea (8 July 2013)”. Kwajalein Underwater (Scott and Jeanette Johnson). 2021年9月14日閲覧。
  4. ^ Kantor, Y.I.; Fedosov, A.E.; Kosyan, A.R.; Puillandre, N.; Sorokin, P.A.; Kano, Y.; Clark, R.; Bouchet, P. (2021-07-17). “Molecular phylogeny and revised classification of the Buccinoidea (Neogastropoda)”. Zoological Journal of the Linnean Society: 1-69. doi:10.1093/zoolinnean/zlab031.