ユーラトム条約

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欧州原子力共同体を設立する条約
Treaty establishing the European Atomic Energy Community
通称・略称 ユーラトム条約(The Euratom Treaty)
署名 1957年3月25日
署名場所 イタリアの旗 イタリアローマ・カピトリーノの丘
発効 1958年1月1日
締約国 27ヶ国[1](全ての欧州連合の加盟国
当事国
寄託者 イタリア政府
言語
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ユーラトム条約: Euratom Treaty)は、正式名称は欧州原子力共同体を設立する条約: Treaty establishing the European Atomic Energy Community)であり、文字通り欧州原子力共同体を設立する条約である。この条約はローマ条約欧州経済共同体を設立する条約)とともに1957年3月25日に署名された。

ユーラトム条約は条約で設立された組織の知名度が低いために、ほとんど知られていない。欧州経済共同体は今では欧州連合にまで発展したが、欧州原子力共同体は欧州連合の機関が運営する形ではあるが、1957年当時のまま残っている。当初は独立組織として設立されたものの、1967年ブリュッセル条約(合併条約)により、欧州経済共同体の内部組織である欧州石炭鉄鋼共同体と合併した。

後の時代で、ヨーロッパの世論における原子力を取り巻く敏感さのために、ユーラトム条約はほとんど修正されていない。ゆえに、特に民主主義的な監視の面で、時代遅れ過ぎるという主張もあった。原子力を条約に盛り込むことで多くの民が反対に回るかもしれないと恐れたがために、それまでの条約を全て統合するはずだった欧州のための憲法を制定する条約(未承認)には含まれなかった。しかしながら、この条約もまた欧州連合に関する有効な条約(欧州連合基本条約)の一つに違いはないのである。

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ Detailpagina Verdragenbank, Verdrag tot oprichting van de Europese Gemeenschap voor Atoomenergie (EURATOM)” (オランダ語). Ministry of Foreign Affairs (Netherlands). 2011年8月21日閲覧。
  2. ^ Article 225 of the Euratom Treaty

外部リンク[編集]

署名
発効
条約
1948年
1948年
ブリュッセル
1951年
1952年
パリ
1954年
1955年
パリ協定
1957年
1958年
ローマ
1965年
1967年
統合
1986年
1987年
単一議定書
1992年
1993年
マーストリヒト
1997年
1999年
アムステルダム
2001年
2003年
ニース
2007年
2009年
リスボン
                   
欧州諸共同体 (EC) 欧州連合 (EU) 3つの柱構造
欧州原子力共同体
I

I
欧州石炭鉄鋼共同体 (ECSC) 2002年に失効・共同体消滅 欧州連合
(EU)
    欧州経済共同体 (EEC) 欧州共同体 (EC)
     
III
司法・内務
協力
  警察・刑事司法協力
欧州政治協力 共通外交・安全保障政策
II
(組織未設立) 西欧同盟    
(2010年に条約の効力停止)