ライスワックス
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ライスワックス(Rice bran wax)は、こめ油から抽出される植物性の蝋である。
化学組成
[編集]ライスワックスの主成分は、脂肪酸と高級アルコールエステルである。脂肪酸は、パルミチン酸(C16)、ベヘン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)やその他の脂肪酸からなる。高級アルコールは、主に1-ヘキサコサノール(C26)、トリアコンタノール(C30)からなる。また、スクアレンやリン脂質も含む。
利用
[編集]ライスワックスは食用可能であり、その比較的高い融点を利用して、カルナウバワックスの代替として用いられる。紙のコーティング、織物、爆発物、果物や野菜のコーティング、菓子、医薬品、ろうそく、電子機器、織物や皮革のサイズ剤、防水、カーボン紙、タイプライターのインクリボン、インク、潤滑剤、クレヨン、接着剤、チューインガム、化粧品等に用いられる[1]。
化粧品では、保湿剤として用いられ、また剥離剤の基礎物質としても用いられる。トリグリセリドの最低1%重量濃度のライスワックスは、結晶化して安定なゲルを形成する[2]。
物理性質
[編集]- 融点:77 - 86℃
- 鹸化価:75 - 120
- ヨウ素価:11.1 -17.6
- 遊離脂肪酸:2.1 -7.3%
- リン:0.01 - 0.15%
- 色:オフホワイトからわずかな橙色/茶色
- 匂い:脂肪、クレヨン様
- INCI名:Oryza Sativa (Rice) Bran Wax.
出典
[編集]- ^ Orthoefer, F. T. (2005). “Chapter 10: Rice Bran Oil”. In Shahidi, F.. Bailey's Industrial Oil and Fat Products. 2 (6 ed.). John Wiley & Sons, Inc.. p. 465. ISBN 978-0-471-38552-3 2012年3月1日閲覧。
- ^ Dassanayake, Lakmali; Kodali, Dharma R.; Ueno, S.; K., Sato (December 2009). “Physical Properties of Rice Bran Wax in Bulk and Organogel”. Journal of the America Oil Chemist's Society 86 (12). doi:10.1007/s11746-009-1464-6.