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幾何学におけるラウスの定理(ラウスのていり)とは、三角形とその内部に作られた三角形との比を決定する定理である。
この定理はエドワード・ラウスが1896年に書いた Treatise on Analytical Statics with Numerous Examples の82ページに登場する。
三角形 ABC の BC 上に D を、CA 上に E を、AB 上に F をとる。
, , としたとき、三角形 ABC の面積に対する AD, BE, CF の3本の線で囲まれる三角形の面積は以下の式で表される。
一例として、x = y = z = 2 のときには元の面積の1/7の三角形(en)が作られる。xyz = 1 のときはこの式は0となるが、これはチェバの定理の逆が成り立つため3線が1点に集まるからである。
三角形 ABC の面積を 1 とする。三角形 ABD と直線 FRC に対しメネラウスの定理を適用すると以下の式が得られる。
これを変形する。
三角形 ARC の面積は以下のように求まる。
同様に 、 が得られる。
以上から三角形 PQR の面積は以下のように求められる。
- Murray S. Klamkin and A. Liu (1981) "Three more proofs of Routh's theorem", Crux Mathematicorum 7:199–203.
- H. S. M. コクセター (1969) Introduction to Geometry, statement p. 211, proof pp. 219–20, 2nd edition, Wiley, New York.
- J. S. Kline and D. Velleman (1995) "Yet another proof of Routh's theorem" (1995) Crux Mathematicorum 21:37–40
- Routh's Theorem, Jay Warendorff, The Wolfram Demonstrations Project.
- Weisstein, Eric W. "Routh's Theorem". mathworld.wolfram.com (英語).
- Routh's Theorem by Cross Products at MathPages
- Ayoub, Ayoub B. (2011/2012) "Routh's theorem revisited", Mathematical Spectrum 44 (1): 24-27.