コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ラショーン・トーマス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラション・トーマスから転送)
ラショーン・トーマス
LeSean Thomas
生年月日 1975年
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ブロンクス区
職業 アニメーション監督
プロデューサー
アニメーター
キャラクターデザイナー
イラストレーター
コミック・ブック漫画家原作者
ジャンル アニメーション
コミック・ブック
主な作品
ブラック・ダイナマイト英語版
レジェンド・オブ・コーラ
ブーンドックス
チルドレン・オブ・イーサ
キャノン・バスターズ英語版
Yasuke -ヤスケ-
テンプレートを表示

ラショーン・トーマスLeSean Thomas1975年 - )は、アメリカ合衆国アニメーションクリエイタープロデューサーディレクター[1][2]ニューヨーク市サウス・ブロンクス出身[1][3]

主にロサンゼルスニューヨークで活動していたが、2009年に韓国に移ったのち、2021年時点[4]では日本東京都目黒区に拠点を置いている[2][5]

携わった主な作品に、カートゥーン・ネットワークアダルトスイムの『ブーンドックス』と『ブラック・ダイナマイト英語版』、ニコロデオンの『レジェンド・オブ・コーラ』、Crunchyrollの『チルドレン・オブ・イーサ』、Netflixのオリジナルアニメ『キャノン・バスターズ英語版』と『Yasuke -ヤスケ-』などがある[1][2]

人物

[編集]

日本のアニメに強い影響を受け、東京に暮らしながらも、アメリカ育ちのアフリカ系アメリカ人としてそのルーツとパッションを作品にふんだんに注ぎ込んでいる[3][6]

アメリカのアニメ業界で働き、2009年から韓国で制作するアメリカ向けアニメでスキルを磨きながらヒット番組でその才能を発揮した後、『キャノン・バスターズ』からは自身のオリジナル作品を発表するようになった[2][7]

日本アニメの深く掘り下げられたキャラクター、そして制作技術や映画的構成は、複雑な女性主人公のアクションショーのアイデアとともに、彼の作品の世界構築の考えを完全に変えるのに役立ったという[6]

最も好きなアニメをあえて一つ挙げるとすれば、『カウボーイビバップ』だと言っている。その理由は、アニメというメディアに馴染みのない人にとってのグローバルな入り口となるアニメだと考えているため[6]。また、その監督の渡辺信一郎は、彼の精神を象徴する存在だとのこと[6]

アメリカのテレビアニメについて、各放送ネットワークはほとんど見切りをつけてしまっていると考えている[6]。そしてアカデミックな場所でピクサーやディズニーなどアメリカのアニメ以外のアニメ制作を学ぶ場所はないので、アメリカ人に日本アニメの影響の強いアニメーションを作る技術を持ったスタッフはほとんどいない[6]。そのため、日本アニメのような作品を作りたい場合には韓国のアニメスタジオに下請けに出している[6]。彼が韓国に行ったり日本で仕事をしたりするのもそのためだという[6]

経歴

[編集]

小学校の頃からいつもオリジナル漫画を描いて自分の世界に没頭していたが、「それでトラブルに巻き込まれないなら」と両親は何も言わなかった[6]。また、学校に一緒に絵を描く活動に参加する友達がいたことで、絵を描くことに集中できる安全な場所を作ることができた[6]

1985年放送の『ロボテック』で日本のものとは知らずに初めて日本アニメに触れ、80年代後半にはチャイナタウンの繁華街で日本のアニメのVHSを字幕付きで販売している場所を見つける[6]。アメリカの放送局の番組には全く興味がなく、一部の仲間たちと日本のアニメに熱中してた[6]

10代後半になると、ジム・リージョー・マデュレイラに憧れてコミック・ブックのイラストレーターになることを目指したが、なかなかうまく行かなかった[6]

イラストレーションへの情熱から数年ほど子供向けアクセサリーのデザインに携わった後、90年代後半にはWebカートゥーンプロジェクトのキャラクターデザイナーおよびレイアウトアーティストになり、自身の短いWebシリーズプロジェクトの制作と監督をするようになった[6]。その後、20世紀末にはMTVのコマーシャルやディズニーの『リジー&Lizzie』などのテレビアニメーション制作に従事することになった[6]

2000年代前半の3年ほどの短期間、インディペンデントのコミック・ブックプロジェクトでシーケンシャル・アーティスト英語版として仕事をした後、『ブーンドックス』でテレビアニメーションの制作に戻った[6]。当時、『キャノン・バスターズ英語版』のコミック・ブックを描いていたが、2つの仕事を両立させるのは無理だと気づき、月刊で出すのをあきらめて『ブーンドッグス』に集中することにした[6]

2009年からはアニメーション制作/ストーリーボード・アーティストとして韓国のスタジオで働くようになる[2]

『ブーンドッグス』参加から7年が過ぎ、テレビアニメーションのクリエイターとしてのキャリアがコミック・ブックのイラストレーターとしての在職期間を上回ることになった頃、『キャノン・バスターズ』をアニメ化するか、JRPGにインスパイアされたゲームにすることを目指していたトーマスは、2014年に韓国での『ブラック・ダイナマイト』の仕事を終えると、そこでの人脈やKickstarterクラウドファンディングを使ってパイロット版アニメを制作した[6]

2017年、クラウドファンディングでの成功が話題になったことでCrunchyroll初のオリジナル短編アニメ『チルドレン・オブ・イーサ』を制作することになった[6]。制作スタジオとしてYapiko AnimationをCrunchyrollに推薦し、各スタッフは自身でピックアップした[6]。7月には全米300の映画館で開催した「第2回クランチロール・ムービー・ナイト」で、その制作現場を紹介するメイキング映像が公開された[8][9]

2022年、原作・監督を担当したNetflixアニメ『Yasuke -ヤスケ-』が「NAACPイメージ・アワード[注 1]の「Oustanding Animated Series」部門にノミネートされる[10]

作品リスト

[編集]

テレビアニメ

[編集]

OVA

[編集]

Webアニメ

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 全米有色人種地位向上協会が、映画、テレビ、演劇、音楽、文学などのマスメディアにおけるアフリカ系アメリカ人の優秀さを表現した作品に毎年授与する。

出典

[編集]
  1. ^ a b c about” (英語). Lesean Thomas公式ホームページ. 2022年9月21日閲覧。
  2. ^ a b c d e Satelight’s Thomas Romain and LeSean Thomas (Cannon Busters) coming to AX 2015~!” (英語). アニメ・エキスポ (2015年5月8日). 2022年9月21日閲覧。
  3. ^ a b 相次ぐイベントの延期とBlack Lives Matter:ゲーム・エンターテインメントから黒人文化と社会問題を知る10作品”. IGN Japan. 産経デジタル (2020年6月3日). 2022年9月21日閲覧。
  4. ^ TBS. “DigiCon6 ASIA|TBSテレビ”. TBSテレビ. 2024年7月12日閲覧。
  5. ^ Nick Romano (2021年4月1日). “LaKeith Stanfield becomes Yasuke, the first African samurai, in debut trailer for Netflix anime series” (英語). Entertainment Weekly. https://ew.com/tv/yasuke-trailer-lakeith-stanfield-netflix-anime/ 2022年9月21日閲覧。 
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Ollie Barder (2017年9月26日). “LeSean Thomas On Netflix's Upcoming 'Cannon Busters' And The Creative Cross-Cultural Future Of Anime” (英語). Forbes. https://www.forbes.com/sites/olliebarder/2017/09/26/lesean-thomas-on-netflixs-upcoming-cannon-busters-and-the-creative-cross-cultural-future-of-anime/?sh=1aca94aa1b9e 2022年9月21日閲覧。 
  7. ^ Netflix、アフリカ人武士が主人公のオリジナルアニメ『Yasuke -ヤスケ-』を4月29日に配信開始へ”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2021年3月10日). 2022年9月21日閲覧。
  8. ^ 「コミュニティづくり」に力を注ぐ日本アニメ専門のクランチロール 映画館を活用したリアルイベントも開催”. COURRiER. 講談社 (2017年11月6日). 2022年9月21日閲覧。
  9. ^ SAMEER RAO (2017年7月25日). “'Children of Ether' Creator LeSean Thomas: Anime Characters of Color are 'A Pretty Big Deal'” (英語). COLORLINES. 2022年9月21日閲覧。
  10. ^ Netflix Anime Yasuke Earns 2022 NAACP Image Award Nomination In Oustanding Animated Series Category” (英語). Crunchyroll (2022年1月19日). 2022年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月21日閲覧。

外部リンク

[編集]