コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ラファフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ラファフ パレスチナ共和制国家都市
رفح
ラファフ(2010年撮影)
ラファフ(2010年撮影)
位置
ガザ地区におけるラファフの位置の位置図
ガザ地区におけるラファフの位置
位置
ラファフの位置(パレスチナ自治区内)
ラファフ
ラファフ
ラファフ (パレスチナ自治区)
座標 : 北緯31度17分19秒 東経34度15分07秒 / 北緯31.28861度 東経34.25194度 / 31.28861; 34.25194
行政
パレスチナ国の旗 パレスチナ
 地区 ガザ地区
  ラファフ県
 市 ラファフ パレスチナ共和制国家都市
地理
面積  
  市域 33.2 km2
人口
人口 2017年現在)
  市域 171,899人
    人口密度   5,178人/km2
  備考 [1]
その他
等時帯 パレスチナ時間 (UTC+2)
夏時間 パレスチナ夏時間 (UTC+3)
ラファフ難民キャンプは統計に含んでいない。

ラファフアラビア語:رفح, Rafaḥ)市は、パレスチナガザ地区南端ラファフ県の県都。エジプトとの国境ラファ検問所がある。

2015年の国勢調査では人口は約17万人だった(ラファフ難民キャンプ英語版を除く)[1]2023年パレスチナ・イスラエル戦争では、戦火から逃れるためガザ地区全域から国内避難民が流入した[2]

名称

[編集]

(アラビア語での発音)

現代アラビア語による現地名はラファフرَفَحٌ, Rafaḥ)。中世のアラビア語資料では現代と同じラファフرَفَحٌ, Rafaḥ)ないしは2字目が母音aを伴わないラフフ(رَفْحٌ, Rafḥ)の発音であるとの記載[3]が残されている。

原語アラビア語での発音に対する日本語カタカナ表記は、中東関連学界標準の岩波イスラーム辞典方式[4]だとラファフとなる。

しかしながらアラビア語の ح(ḥ)は日本語の「フ」に現れる無声両唇摩擦音とは異なる無声咽頭摩擦音であるため、実際に耳で聞いた場合には便宜上のカタカナ表記規則に従ったラファフよりもラファハに近く聞こえるなどする。こうした理由から文語アラビア語会話や口語アラビア語(現地方言)による日常会話発音に依拠して、日本外務省ウェブサイト[5][6]などでもラファハと書かれることがしばしば行われている。

日本語メディアでは、ラテン文字表記語末のḥを黙字扱いした英語風の発音ないしは英語表記Rafahの誤読といった理由から、ラファ[2]と表記されることが多い。

概要

[編集]

ガザ地区の南西端に位置し、隣接するエジプト北シナイ県からはラファ検問所を通してガザ地区への生活物資が搬入される。これに加えてエジプトに通じる地下トンネルが数多くあり、食料などの必需品や武器の密輸が行われていることでも知られる。

南にヤーセル・アラファート国際空港があるが、2002年1月以来閉鎖されている。

伝統的にファタハの支持者が多く住む。

人口

[編集]

元々住んでいた住人は少なかったが、ハーンユーニス(ハーン・ユーニス)住民ならびにネゲブ砂漠シナイ砂漠の遊牧民(ベドウィン)部族民らが避難移住したことにより年々増加[7]。面積の割には人口密度が高い街となった。

  • 1922年:599人
  • 1931年:1,423人
  • 1945年:2,220人
  • 1963年:4,233人
  • 1967年:10,800人
  • 1979年:90,000人
  • 1997年:91,931人
  • 2007年:121,774人
  • 2017年:171,899人

2023年10月7日ハマースの対イスラエル奇襲で始まった戦争では、イスラエル軍による空爆や地上侵攻に追い立てられた住民らがラファフに殺到した。また、12月上旬にはハーンユーニスへの爆撃が激しさを増したことでラファフへの流入は増加。市内はパレスチナ人避難者190万人(ガザ人口の85%)の多くが押し寄せる広大な収容キャンプの様相を呈した[8]

気候

[編集]

地中海に近いが、砂漠気候で、気温は夏は30、冬は10℃ほどとなる[7]

交通

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b Rafah”. Citypopulation (2023年8月2日). 2023年11月14日閲覧。
  2. ^ a b ラファ過密 飢え深刻/避難民が殺到 数日に1回ビスケット■薬入手困難」『読売新聞』朝刊2023年12月20日(国際面)2023年12月24日閲覧
  3. ^ معنى شرح تفسير كلمة (رفح)”. almougem.com. 2023年10月19日閲覧。
  4. ^ 『岩波 イスラーム辞典』岩波書店、2002年、11頁。 
  5. ^ ガザ地区のラファハにおけるイスラエルの軍事行動について(外務報道官談話)”. 2024年5月30日閲覧。
  6. ^ 外務省ウェブサイトについてはラファとラファハという2通りの表記が混在している。
  7. ^ a b رفح”. Palestinian News & Information Agency (WAFA). 2023年10月19日閲覧。
  8. ^ ガザ南部で攻撃激化、最南部ラファに避難者押し寄せる 国連は支援機能していないと”. BBC (2023年12月8日). 2023年12月11日閲覧。