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ランキン渦またはランキンの結合渦(英: Rankine's combined vortex)とは、渦度分布の一様な中核部分と、その外側の渦なしの部分からなる渦である[1]。日常的に水面などに見られる渦[2]を流体力学で考察する際に、単純化された近似モデルとして使われる。
ランキン渦が考察の対象とするのは、自由表面を持つ水が鉛直軸の周りに回転している状況である。水面には大気圧 がかかっているとする。
また、次の仮定を行う:
- 流体は完全流体である。
- 流速は高さ 方向の成分を持たず、また に依存しない。すなわち2次元流れである。
- 外力(ここでは重力)はポテンシャルを持つ保存力である。
これを、半径 の円内に渦度 が一様に分布し、円外は渦なしであるものと考えると、渦の中心から半径 の位置の速度 は円周方向成分のみを持ち、
となる[1]。一方、圧力 は、高さを で表すと次のように表される[3]:
ここで は流体の密度、 は重力加速度である。
無限遠での水面の高さを とすると、自由表面の圧力 は での圧力に等しいから
が成り立ち、これを用いて上式を書き換えれば、
と表される。
水面の形は、上式で となる高さ であるから、
と得られる。したがって水面は、渦の中では回転放物面の形を持ち、渦の外では に反比例するようなくぼみとなる。くぼみの最深点は
で与えられ、渦度 と渦の半径 の積(=渦の周辺での流速)の2乗に比例する。