ランプのある青年の肖像
作者 | ロレンツォ・ロット |
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製作年 | 1506年ごろ |
寸法 | 42.3 cm × 35.3 cm (16.7 in × 13.9 in) |
所蔵 | 美術史美術館、ウィーン |
『ランプのある青年の肖像』(ランプのあるせいねんのしょうぞう、伊:Ritratto di giovane con lucerna)は、イタリアの盛期ルネサンスの画家ロレンツォ・ロットによる油彩のカンヴァス画である。1506年ごろの制作で、オーストリアのウィーンにある美術史美術館に収蔵されている。本作は通常、ロットがトレヴィーゾに滞在した時期のものとされている。1816年にウィーンの美術館に購入された。
絵画は、4分の3正面を向き、鑑賞者を見ている若い男性の胸像を描いている。感染症による、わずかな皮膚の異常、細長い鼻、柔らかい髪などの細部に最大の注意が払われている。光の使用と構図は、『ベルナルド・デ・ロッシ司教の肖像』(1505年)など、ロットによる他の初期の作品と類似している。顔は暗色の服と帽子に枠取られ、緑の縁取りのある、白い錦織の飾り布を背景に描かれている。
右側の暗い背景への開口部には、明るいランプが表されている。ランプは、青年の性格や行動を示唆している可能性があり、さまざまに解釈されているシンボル(福音書のエピソードへの言及から、炎の薄暗さによる人生の儚さの寓話まで)である。
モデルは、トレヴィーゾの司教、ベルナルド・デ・ロッシの若い書記官であるブロッカルド・マルキオストロと特定された。1503年に、二人はともに陰謀に命を賭けた。カーテンの装飾は暗喩である。ヒレアザミ (carduus) の模様のある錦織(brocade)は、「Brocade + carduus = Brocardus」となり、ブロッカルド (Broccardo) の名にかけ合わされている。そのような暗喩は、ロットの成熟期に描かれた『ルチーナ・ブレンバーティの肖像』など何点かの作品に含まれている。
出典
[編集]- Pirovano, Carlo (2002). Lotto. Milan: Electa