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リュウキュウハナイカダ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リュウキュウハナイカダ
リュウキュウハナイカダの雄花
保全状況評価
準絶滅危惧環境省レッドリスト
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類
core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : 真正キク類 II euasterid II
(キキョウ類 campanulids)
: モチノキ目 Aquifoliales
: ハナイカダ科 Helwingiaceae
: ハナイカダ属 Helwingia
: ハナイカダ H. japonica
亜種 : リュウキュウハナイカダ
H. japonica subsp. liukiuensis
学名
Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr. subsp. liukiuensis (Hatus.) H.Hara et S.Kuros.
リュウキュウハナイカダ(2024年10月 沖縄県本部町)
リュウキュウハナイカダの緑色の幹(2024年10月 沖縄県本部町)

リュウキュウハナイカダ(琉球花筏、学名:Helwingia japonica subsp. liukiuensis[1][2])  はモチノキ目ハナイカダ科(旧ミズキ科ハナイカダ属の半落葉またはほぼ常緑の低木。本州~九州に分布するハナイカダの亜種。環境省準絶滅危惧、鹿児島県準絶滅危惧[3]

特徴、利用

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高さ1–3 m。雌雄異株。若い枝は緑色で無毛。葉は単葉で互生し、長さ7–18 cm、枝先に集まってつく。葉の基部には托葉がある。葉の表面は光沢があり、鋸歯縁で、葉先は尾状に伸びる。ハナイカダに比べて葉の幅が狭く細長い披針形。花や果実は葉の中肋上につき、そこから葉柄までの中肋は太くなっている。雄花・雌花ともに黄緑色で、花期は冬~春。果実は黒色の球形で径5–10 mm、初夏に成熟し、少し甘みがあり可食。ハナイカダの染色体数は2n=114の6倍体だが、本種は2n=38の2倍体[4][5][6][7][8][9][10]

分布と生育環境

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南西諸島の奄美大島、徳之島、伊平屋島および沖縄本島に分布。国外では台湾と中国南東部(浙江省、安徽省)に分布。山地の谷沿いや石灰岩地帯の明るく湿った林縁などに生育する[4][5][7][8][9][2]

脚注

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  1. ^ リュウキュウハナイカダ”. ylist.info. 2024年10月20日閲覧。
  2. ^ a b Helwingia japonica subsp. liukiuensis (Hatus.) H.Hara & S.Kuros. | Plants of the World Online | Kew Science” (英語). Plants of the World Online. 2024年10月20日閲覧。
  3. ^ (鈴木ほか 2022, p. 414)
  4. ^ a b (池原 1979, p. 141)
  5. ^ a b (天野 1982, p. 133)
  6. ^ (八田 1997, p. 142)
  7. ^ a b (大川 & 林 2016, p. 427)
  8. ^ a b (片野田 2019, p. 80)
  9. ^ a b (大橋 2021, p. 453)
  10. ^ (林 & 名嘉 2022, p. 225)

参考文献

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  • 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑 第6巻 山地の植物』新星図書出版、1979年。  ※ ミズキ科、学名Helwingia liukiuensisとしている
  • 天野鉄夫『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、1982年。  ※ ミズキ科、学名Helwingia liukiuensisとしている
  • 八田洋章 著「リュウキュウハナイカダ」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 4巻、朝日新聞社、東京、1997年、142頁。ISBN 9784023800106  ※ ミズキ科としている
  • 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024 
  • 片野田逸郎『琉球弧・植物図鑑 from AMAMI』南方新社、2019年。ISBN 9784861244056 
  • 大橋広好 著「ハナイカダ」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 2巻、平凡社、2021年、453頁。ISBN 9784582535396 
  • 林将之; 名嘉初美「ハナイカダ」『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350 
  • 鈴木英治; 丸野勝敏; 田金秀一郎; 寺田竜太; 久保紘史郎; 平城達哉; 大西亘「鹿児島県の維管束植物分布図集-全県版-」『鹿児島大学総合研究博物館研究報告』第17巻、鹿児島大学総合研究博物館、414頁、2022年。ISSN 2188-9074https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/publications/plants/map_Kagoshima_all.pdf 

外部リンク

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