ルキウス・フリウス・ピルス
ルキウス・フリウス・ピルス L. Furius — f. — n. Philus | |
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出生 | 紀元前179年頃 |
死没 | 不明 |
出身階級 | パトリキ |
氏族 | フリウス氏族 |
官職 |
法務官(紀元前139年以前) 執政官(紀元前136年) |
指揮した戦争 | 第二次ケルティベリア戦争 |
ルキウス・フリウス・ピルス(ラテン語: Lucius Furius Philus、生没年不詳)は、紀元前2世紀中頃の共和政ローマの政務官。紀元前136年に執政官(コンスル)を務めた。スキピオ・サークルの一員ともされる。
出自
[編集]ピルスはパトリキ(貴族)であるフリウス氏族の出身である。フリウス氏族はエトルリア都市トゥスクルム(en)から移住したとされている[1]。カピトリヌスのファスティの欠損のため父および祖父のプラエノーメン(第一名、個人名)は不明であるが、紀元前223年の執政官プブリウス・フリウス・ピルスの孫と考えられている。父は紀元前171年にプラエトル(法務官)を務めたルキウス・フリウス・ピルスと推定される[2]。
経歴
[編集]執政官就任年とウィッリウス法の規定(43歳以上)から、ピルスは179年頃に生まれたと推定される[3]。現存する資料でのピルスに関する最初の記録は、紀元前137年末に、翌年の執政官選挙に立候補して当選したことである[4]。また、遅くとも紀元前139年には法務官を務めたはずである[5]。
紀元前136年の同僚執政官は、プレブス(平民)のセクストゥス・アティリウス・セッラヌスであった[6]。この年、ヒスパニアのヌマンティアと屈辱的な講和条約を締結した、ガイウス・ホスティリウス・マンキヌスの裁判が行われた。プブリウス・コルネリウス・スキピオ・ナシカ・セラピオとプブリウス・コルネリウス・スキピオ・アエミリアヌス・アフリカヌスが、条約批准に強く反対した。両執政官は、条約批准拒否を明確にするため、マンキヌスをヌマンティアに引き渡すことを元老院に提案した。ピルスの管轄地域はヒスパニア・キテリオルであったため、彼がマンキヌスをヌマンティアに連れていき、ヌマンティアに引き渡すこととなった。マンキヌスは裸で手を縛られ、ヌマンティアの門の前に立たされたが、ヌマンティアは受け取りを拒否した[4][7]。
ウァレリウス・マクシムスはピルスの政敵であるクィントゥス・カエキリウス・メテッルス・マケドニクスとクィントゥス・ポンペイウスのこの件に関する行動に触れている。ピルスが任地に出立しようとした際、両者はピルスが過剰な欲望を持っていると避難した。対するピルスは両者に対して自分に同行するよう命じた[8]。現代の研究者は、この決定を奇妙なものと感じている。おそらくピルスは自身の政敵二人に対し、彼の勝利を見せてやろうと考えたのであろうが、結果としては何も起こらなかった。翌年、後任の執政官クィントゥス・カルプルニウス・ピソにヒスパニア・キテリオルの管轄を委譲した[9]
知的活動
[編集]ピルスは、スキピオ・アエミリアヌスの友人の一人であり、いわゆる「スキピオ・サークル」に属しており、そのメンバーはギリシア文化の尊敬と穏健な政治改革構想を持っていた[4]。マルクス・トゥッリウス・キケロ、ピルスをこのサークルの他のメンバーとともに、『国家論』の主人公の一人にした[10]。 キケロはティベリウス・センプロニウス・グラックスの時代の弁論家として、ピルスを「非常にラテン語の演説がうまく、他の人よりも教育を受けていた」と評している[11]。
子孫
[編集]紀元前119年頃に造幣官を務めたマルクス・フリウス・ピルスは、ピルスの息子と思われる[2]。
脚注
[編集]参考資料
[編集]古代の資料
[編集]- アッピアノス『ローマ史』
- ウァレリウス・マクシムス『有名言行録』
- マルクス・トゥッリウス・キケロ『弁論家について』
- マルクス・トゥッリウス・キケロ『ブルトゥス』
研究書
[編集]- Simon G. The Wars of Rome in Spain. - M .: Humanitarian Academy, 2008 .-- 288 p. - ISBN 978-5-93762-023-1 .
- Broughton R. Magistrates of the Roman Republic. - New York, 1951. - Vol. I. - P. 600.
- Münzer F. Furius // Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft . - 1910. - Bd. VII, 1. - Kol. 315.
- Münzer F. Furius 78 // Paulys Realencyclopädie der classischen Altertumswissenschaft . - 1910. - Bd. VII, 1. - Kol. 360.
- Sumner G. Orators in Cicero's Brutus: prosopography and chronology. - Toronto: University of Toronto Press, 1973.- 197 p. - ISBN 9780802052810 .
関連項目
[編集]公職 | ||
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先代 マルクス・アエミリウス・レピドゥス・ポルキナ ガイウス・ホスティリウス・マンキヌス |
執政官 同僚:セクストゥス・アティリウス・セッラヌス 紀元前136年 |
次代 クィントゥス・カルプルニウス・ピソ セルウィウス・フルウィウス・フラックス |