ルルーシュ
ルルーシュは、アラビア語・ベルベル語文化圏である北アフリカのマグリブ地域(例:アルジェリア、チュニジア)のユダヤ教徒ないしは同地にルーツを持つユダヤ系フランス人、イスラエル人(ヘブライ語表記:ללוש)などに多く見られる家名(姓、名字)で、Lelouche、Lelouch、Lellouche、Lellouch、Lelluch、Lluchなどとラテン文字表記される。
また、同等の姓・家名としてAllouche、Allouchといった表記がある。
概要
[編集]意味
[編集]このルルーシュは東方アラブ諸国(マシュリク地域)における男性名・家名のアッルーシュ(علوش, ʿAllush, 「狼」の意ないしは男性名アリーの愛称[1])に対応しているが、マグリブ地域に関しては「子羊」を意味[2]。羊飼いや羊業者を営む家庭の呼び名だったことが由来、またはアラビア語男性名アリーの愛称語形由来[3]だと言われている。
表記
[編集]アッルーシュ(Allouche、Allouchなど)については定冠詞を伴わないアッルーシュ(علوش, ʿAllush)が由来で、ルルーシュ(Lelouch、Lelouch、Lellouche、Lellouchなど)として知られるものについては定冠詞を伴ったアル=アッルーシュ(العلوش, al-ʿAllush)のマグリブ地域発音・表記 لعلوش に対応。アラビア文字では للوش のようにつづられる場合もある[4]。
アルジェリアやチュニジアの家名として
[編集]記録によると15~16世紀のアルジェリアにはこの家名の一種であるアッルーシュ姓を持つユダヤ教徒ファミリーが実在していた[3]という。また隣国であるチュニジアにおいても「ルルーシュ(للوش, Lellouche/Lellouch)」はユダヤ人コミュニティーで用いられてきたファミリーネームの代表例[5]として知られている。
アルジェリアやチュニジアからのユダヤ系移民が居住するフランスやイスラエルなどでもこの家名を持つ人物らがおり、芸能人や文化人として活躍するなどしている。
例
[編集]- 人名
- クロード・ルルーシュ - フランスの映画監督。アルジェリアのユダヤ系一族にルーツを持つ。
- サラ・ルルーシュ - フランスの女優。クロードの娘。
- サロメ・ルルーシュ - フランスの女優。クロードの娘。
- エリー・ルルーシュ - フランスの男性競馬調教師。チュニジアのユダヤ系一族にルーツを持つ。
- ルルーシュ・ランペルージ - アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の主人公。
- その他
- ルルーシュ (競走馬) - 日本の競走馬。
外部リンク(参考サイト)
[編集]- Wikipedia英語版『Lellouche』
- Wikipediaフランス語版『Lelouch』
- Wikipedia英語版『History of the Jews in Tunisia』(チュニジアにおけるユダヤ人の歴史)
- Wikipediaアラビア語版『تاريخ اليهود في تونس』(チュニジアにおけるユダヤ人の歴史)
脚注
[編集]- ^ “The Living Arabic Project - علوش” (英語). livingarabic.com. 2024年2月25日閲覧。
- ^ “عامية | علوش” (アラビア語). عامية. 2024年2月25日閲覧。
- ^ a b “ALLOUCHE Origin of surname”. 2024年2月26日閲覧。
- ^ Les Juifs de l'Afrique du Nord - démographie & onomastique. Ouvrage honoré d'une subvention du Gouvernement général de l'Algérie. Imprimerie du lycée. (1936). p. 146
- ^ hariri, wafaa (2017年1月4日). “يهود تونس: أقلية مزدهرة اقتصاديًّا تقف في وجه الإغراءات الإسرائيلية” (アラビア語). Shafaqna Lebanon | شفقنا لبنان. 2024年2月25日閲覧。