レジナルド・ローズ
レジナルド・ローズ(Reginald Rose、1920年12月10日 - 2002年4月19日)は、アメリカの脚本家。初期のテレビドラマにおいて活躍した。映画化された『十二人の怒れる男』の作者として知られる。
来歴
[編集]ニューヨーク州マンハッタン生まれ。その後、タウンセンド・ハリス高校、ニューヨーク市立大学シティカレッジに在籍した後、1942年 - 1946年にアメリカ陸軍へ入り、中尉となった。
1950年に、CBSが製作した生放送の単発ドラマシリーズ「スタジオ・ワン(Westinghouse Studio One)」において、『Bus to Nowhere』という作品で初めてドラマ脚本を手掛けた。以降、同番組で多く脚本を手掛ける。
1954年、陪審制に基づき、ローズは殺人事件の陪審員に選出される。この時の議論は8時間にも及んだという。この実体験をふまえて、その後、陪審員によるディスカッションドラマ『十二人の怒れる男』を書いた。この作品は同年9月20日、フランクリン・J・シャフナーの演出により、「スタジオ・ワン」で生放送された。その後、エミー賞など数々の賞を受賞した。1957年には、シドニー・ルメット監督、ヘンリー・フォンダ主演で映画化され、こちらの脚本も担当した。
これ以外の作品でも、ローズの脚本は高い評価を受けることになる。1957年に「スタジオ・ワン」で放送された法廷もののドラマ『弁護士プレストン』は、1961年 - 1965年に連続テレビシリーズとして、同局で製作・放送された。
「スタジオ・ワン」で1954年1月11日に放送された『The Remarkable Incident at Carson Corners』という作品は、『ある町のある出来事』として日本語に翻案され、1959年10月18日にNHK教育テレビの「芸術劇場」で放送された(芸術祭奨励賞受賞)。また、1960年3月21日にも、ローズ原作の『結婚不案内』がNHK総合テレビで放送されている。
1955年6月13日に「スタジオ・ワン」で放送された作品『ホーレス・フォードのふしぎな世界(The Incredible World of Horace Ford)』は、ハーバート・ハーシュマンの手により、テレビドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』シーズン4の第15話(1963年4月18日放送)にて、タイトルもそのままにリメイクされた。また1970年3月28日には、『河東寒吉のふしぎな世界』として日本語に翻案され、NHK総合テレビで放送された。
ローズは1950年 - 1980年の間に、アメリカ3大ネットワーク(CBS、NBC、ABC)全てにドラマの脚本を手掛けた。さらにテレビドラマにとどまらず、映画作品の脚本も担当した。特に、イギリスの映画プロデューサーであるユアン・ロイドとは、『ワイルド・ギース』など4作品を手掛けた。
ローズは、1943年と1963年の2度、結婚している。最初の相手とは4人の子供を、2人目の相手とは2人の子供をもうけた。2002年、心臓麻痺の合併症で死去。
主な作品
[編集]テレビドラマ
[編集]- Bus to Nowhere(1950年)※「Studio One」の1エピソード
- The Porcelain Year(1950年)
- The Remarkable Incident at Carson Corners(1954年1月11日)※「Studio One」の1エピソード
- 十二人の怒れる男 - Twelve Angry Men(1954年9月20日)※「Studio One」の1エピソード
- ホーレス・フォードのふしぎな世界 - Incredible World of Horace Ford(1955年6月13日)※「Studio One」の1エピソード
- トワイライト・ゾーン - Twilight Zone(1963年)※1エピソードとしてリメイク
- 河東寒吉のふしぎな世界(1970年、NHK)※日本版リメイク
- 弁護士プレストン - The Defender(1957年・1961年 - 1965年)
- Black Monday(1962年)
- Dear Friends(1968年)
- This Agony, This Triumph(1972年)
ほか多数
映画
[編集]- やぶにらみの暴君 - La Bergere et le Ramoneur(1951年)※スクリプター
- 暴力の季節 - Crime in the Streets(1956年)
- 十二人の怒れる男 - 12 Angry Men(1957年)※製作も兼任
- 西部の人 - Man of the West(1958年)※脚色
- ワイルド・ギース - Wild Geese(1978年)※脚色
- シャレード'79 - Somebody Killed Her Husband(1978年)
- シーウルフ - The Sea Wolves(1980年)
- この生命誰のもの - Whose Life is it Anyway?(1981年)
- ファイナル・オプション - Who Dares Wins(1982年)
- ワイルド・ギースII - Wild Geese II(1985年)