コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ログバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社ログバー
Logbar Inc.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
150-0013
東京都渋谷区恵比寿4-7-6 Urban Ebis Studio 1A[1]
設立 2013年2月25日[1]
業種 精密機器
法人番号 7011001093793 ウィキデータを編集
事業内容 ICT端末の開発[2]
代表者 吉田卓郎代表取締役CEO
山崎貴之(代表取締役、COO[1]
資本金 3億7610万円[1]
純利益 ▲3億4455万8000円(2020年01月31日時点)[3]
総資産 4億7634万5000円(2020年01月31日時点)[3]_
従業員数 35人(2017年11月現在)[1]
外部リンク https://logbar.jp/ja/index.html
テンプレートを表示

株式会社ログバー(英:Logbar Inc.)は日本のベンチャー企業。

概要

[編集]

株式会社ログバーは2013年2月25日に吉田卓郎、山崎貴之を取締役として設立された[1]。関連企業として米国サンフランシスコのLogbar Inc. U.S.Aがある[1]

沿革

[編集]
  • 2013年2月25日 - 設立[1]
  • 2014年10月 - 「Ring」初代モデル発売[4]
  • 2015年4月 - 第2世代モデル「Ring ZERO」発売[4]
  • 2017年6月 - 翻訳端末「ili」の国内法人向けサービスを開始[1][5]
  • 2018年2月 - 翻訳端末「ili」の一般販売開始[6]
  • 2020年12月 - iliの販売終了。
  • 2021年3月 - サポート終了。

商品

[編集]

指輪型ウェアラブル端末の「Ring」[1][7]、翻訳端末の「ili」[1]がある。「Ring」はBluetoothを利用した指を動かして家電の操作などを行う端末であり[7]TechCrunch主催のベンチャー企業プレゼン大会「TechCrunch Tokyo 2013」で最優秀賞を獲得[7][8]、米国のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で88万ドル(約9000万円)を調達[4]、2015 CES INNOVATION AWARDSで "HONOREE" に選出される[9]など評価されたものの売り上げは低調であり、吉田社長は2018年の『ITmedia ビジネスオンライン』のインタビューで「多機能性が裏目に出てしまった」と語り「ili」ではシンプルさにこだわりを見せている[10]

翻訳端末「ili」

[編集]

「ili(イリー)」はログバーの開発したウェアラブル翻訳端末[11]。「i」の文字を人に見立てて、利用者がiliを介してつながっているイメージから命名された[12]。開発にあたり資本・業務提携契約をしているフュートレック[注釈 1]から音声翻訳の技術提供を受けている[15][6]。インターネットへの接続が不要であり、翻訳の精度を重視して旅行用に特化されている[2]。長く複雑な文章の翻訳には適さないものの[12]最速0.2秒での翻訳が可能であり、2018年1月時点で日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語に対応している[10]。また単語追加機能が搭載されている[16]

2016年1月、2016 CES INNOVATION AWARDSで "HONOREE" に選出された[17]。同年9月にホノルルで開催された「ハワイ ツーリズム カンファレンス 2016」では日本のハワイ州観光局局長が3日目の講演の最後に本商品を紹介し、同日ログバーは自社サイトでiliがハワイ州観光局の公認商品になったと発表した[18][19]

2016年10月から12月に東京メトロが実施したスタートアップ企業との協業プログラム「Tokyo Metro ACCELERATOR 2016」でログバーが東京メトロアクセラレーター賞を獲得し、プログラムの第一弾として2017年3月に東京メトロの2つの駅で「ili」による旅客案内の実証試験が行われた[20][21]

同年6月に国内法人向けのサービスを開始した[1][5]。同年9月、大分県別府市が外国人観光客の消費拡大のため自治体としては初めてiliを導入した[5]。別府市は9月から11月の3カ月間にわたり合計60台をレンタルして市内の公共施設、交通施設、宿泊施設や飲食店に配置する試行プロジェクトを実施した[16]。同年12月6日、元SMAPメンバーの草彅剛をイメージキャラクターに採用したと発表[12]、同日に2018台が一般向けに先行販売され約1時間で完売した[22]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 株式会社フュートレックは2000年に設立された大阪市に本社をおく企業[13]。音声認識や翻訳技術に実績のある会社であり、2014年にはNTTドコモSYSTRAN INTERNATIONALと共に株式会社みらい翻訳の設立に出資している[14]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l COMPANY - Logbar(ログバー)”. 株式会社ログバー. 2018年3月2日閲覧。
  2. ^ a b “別府市が音声翻訳機 外国人観光客の「言葉の壁」解消へ”. 大分合同新聞. (2017年8月13日). https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/08/18/JD0056060018 2018年3月2日閲覧。 
  3. ^ a b 株式会社ログバー 第7期決算公告
  4. ^ a b c “進化した“魔法の指輪”「Ring ZERO」--初代モデルの反省生かし大幅改良”. CNET JAPAN (朝日インタラクティブ). (2015年4月30日). https://japan.cnet.com/article/35063946/ 2018年3月5日閲覧。 
  5. ^ a b c 大島透 (2017年8月27日). “別府市 携帯翻訳機の大量導入を計画 経済効果に期待”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20170827/k00/00e/040/181000c 2018年3月2日閲覧。 
  6. ^ a b ili (イリー) 、公式オンラインストアで一般販売開始”. 株式会社フュートレック (2018年2月15日). 2018年3月6日閲覧。
  7. ^ a b c “魔法のリング、未来の扉開け 指の動きで機器操作”. NIKKEI STYLE(日経MJ2013年11月27日付) (日本経済新聞日経BP). (2013年12月8日). https://style.nikkei.com/article/DGXZZO63686800W3A201C1000000?channel=DF130120166014&style=1 2018年3月2日閲覧。 
  8. ^ Hiroaki Nakata (2013年11月15日). “TechCrunch Tokyo 2013:スタートアップバトル出場24社を紹介 — 優勝は指輪型デバイスのRing”. TechCrunch Japan. http://jp.techcrunch.com/2013/11/15/tc-tokyo-2013-startup-battle/ 2018年3月5日閲覧。 
  9. ^ Phoebe Parke (2015年1月9日). “Driverless Mercedes, super-fast phone chargers: Coolest tech at CES 2015”. CNN. https://edition.cnn.com/2015/01/09/tech/coolest-things-ces-2015/index.html 2018年3月6日閲覧。 
  10. ^ a b 濱口翔太郎 (2018年2月1日). “「#つよぽんイリー」で話題 “魔法の翻訳機”「ili」誕生の舞台裏”. ITmedia ビジネスオンライン. https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/01/news024.html 2018-03-35閲覧。 
  11. ^ 飯塚直 (2016年10月5日). “ウェアラブル翻訳機「ili」がハワイ州観光局の公認商品に認定”. CNET JAPAN (朝日インタラクティブ). https://japan.cnet.com/article/35090032/ 2018年3月2日閲覧。 
  12. ^ a b c すずまり (2017年12月11日). “海外旅行の味方、リアル"翻訳コンニャク"”. PRESIDENT Online (プレジデント社). http://president.jp/articles/-/23931 2018年3月5日閲覧。 
  13. ^ 会社概要”. 株式会社フュートレック. 2018年3月6日閲覧。
  14. ^ “高精度な機械翻訳を実現へ、ドコモなど3社「みらい翻訳」設立に出資”. ケータイWathc (株式会社インプレス). (2014年9月29日). https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/668919.html 2108年3月6日閲覧。 
  15. ^ “フュートレックが急騰、提携先がウエアラブル翻訳機発表”. 会社四季報ONLINE (東洋経済新報社). (2016年12月30日). https://shikiho.jp/tk/news/articles/0/152079 2018年3月2日閲覧。 
  16. ^ a b 谷上隆 (2017年9月1日). “市内各所に音声翻訳機を配備、別府市がインバウンド向け実証”. 新・公民連携最前線 (日経BP). http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/PPP/news/082900433/ 2018年3月2日閲覧。 
  17. ^ 川島弘之 (2016年1月7日). “ASCII.jp:手に持って話すだけ、瞬時に音声翻訳してくれる端末「ili」”. ASCII.jp (アスキー・メディアワークス). https://ascii.jp/elem/000/001/101/1101374/ 2017年4月14日閲覧。 
  18. ^ “【ハワイ ツーリズム カンファレンス 2016】「こんにちは」が「ハロー」になる、ウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」をレンタル可能に”. トラベルWatch (株式会社インプレス). (2016年9月30日). https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1022582.html 2018年3月2日閲覧。 
  19. ^ “iliがハワイ州観光局の公認商品へ!”. ili(イリー)翻訳機アップデート情報 (株式会社ログバー). (2016年9月29日). https://updates.iamili.com/ja/hawaiiofficial.html 2018年3月2日閲覧。 
  20. ^ “駅の改札に通訳デバイス「ili」、東京メトロが実験”. ケータイWatch (株式会社インプレス). (2017年3月6日). https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1047945.html 2018年3月5日閲覧。 
  21. ^ “音声翻訳デバイス「ili(イリー)」の実証実験を実施します!”. 東京メトロ. (2017年3月6日). https://www.tokyometro.jp/news/2017/188056.html 2018年3月5日閲覧。 
  22. ^ “音声翻訳デバイス「ili」一般向けに先行発売 1時間で2018台完売”. ITmedia NEWS. (2017年12月6日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1712/06/news104.html 2018年3月5日閲覧。 

外部リンク

[編集]