ロブ・フォード
ロブ・フォード Rob Ford | |
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2011年撮影 | |
生年月日 | 1969年5月28日 |
出生地 | カナダ オンタリオ州エトビコ |
没年月日 | 2016年3月22日(46歳没) |
前職 | 実業家 |
所属政党 |
オンタリオ進歩保守党 (en:Progressive Conservative Party of Ontario[1]) → 無所属(トロントの自治行政は非政党制によるため) |
親族 | ダグ・フォード・シニア (Doug Ford, Sr.) (父)、ダグ・フォード・ジュニア (Doug Ford, Jr.) (兄) |
第64代 トロント市長 | |
在任期間 | 2010年12月1日 - 2014年11月30日 |
トロント市議会議員 | |
選挙区 | (Ward 2) Etobicoke North |
在任期間 | 2000年11月14日 - 2010年11月30日 |
在任期間 | 2014年12月1日 - 2016年3月22日 |
ロバート・ブルース・"ロブ"・フォード(Robert Bruce "Rob" Ford、1969年5月28日 - 2016年3月22日)は、カナダの政治家、実業家。オンタリオ州トロントの第64代市長を務めた。フォードは、2010年トロント市長選挙 (Toronto mayoral election, 2010) で当選し、12月1日から市長に就任した。
経歴
[編集]市長就任前、フォードはエトビコ地区を代表する市議会議員を務めていた。市議会議員としては2000年トロント市議会選挙 (Toronto municipal election, 2000) で初当選し、2003年、2006年の選挙でも再選された。兄のダグ・フォード・ジュニア (Doug Ford, Jr.) は、現在トロント市議である。父ダグ・フォード・シニア (Doug Ford, Sr.) も、かつては政治家として活動しており、オンタリオ州議会議員 (Member of Provincial Parliament (Ontario)) を務めた。フォード家は、エトビコに拠点を置く、ラベル制作や印刷事業を行う多国籍企業 Deco Labels を所有している。
スキャンダル
[編集]政界進出後のフォードは、個人的な事柄や公務との関係で数多くの批判を浴び、法的措置をとられており、特に利益相反行為を指摘された裁判 (Rob Ford conflict of interest trial) では、危うく失職しかけるところまで追いつめられた[2]。2013年には、薬物乱用疑惑が持ち上がり、カナダ国内にみならず国際的にも大きく報道された[3]。この疑惑は、フォード市長を捜査対象に含むトロント市警察 (Toronto Police Service) の調査が進められる中でも報道が続いた[4]。これらの疑惑について、フォードは最終的に事実であることを認め、「おそらく、酔っぱらってぼんやりしていたときに一度 (probably in one of my drunken stupors)」クラック・コカインを使用したと述べた[5]。
フォードが薬物乱用を認めたことは様々な議論を巻き起こしたが、不適切な行為の告発はさらに続き、トロント市議会は2013年11月15日に、市長権限の一部をフォードから取り上げ、フォードの任期の残存期間中は副市長ノーム・ケリー (Norm Kelly) にこれを委ねるという決定をした[6]。2013年11月18日には、市議会はさらに追加の決議を行い、より多くの権限をフォードからケリーに移した[7]。フォートは休職に追い込まれ、アルコール中毒と薬物中毒の治療を行った。
死去
[編集]数多くのスキャンダルにもかかわらず、フォードは2014年10月に予定されていた次の市長選挙には出馬する予定でいた。しかし、自身が悪性腫瘍に侵されていたことが分ると2014年9月に選挙からの撤退を表明した。フォードは多形性脂肪肉腫と診断され、手術と放射線治療、そして化学治療が実施された。フォードは市長の任期を終えたのちに市議会議員に立候補して当選した。しかし脂肪腫が膀胱に転移し、彼が市議として活動できた時間は長くなかった。家族によって "get-well-soon"と呼ばれるウェブサイトが開設され、2週間でフォードの支持者からの肯定的なメッセージが5000通集まった[8]。フォードは2016年3月22日に死去した(46歳)[9][10]。葬儀はトロントのセントジェームス大聖堂で3月30日に行われた。
功績
[編集]サッカーの教育に熱心であり、20,000ドルを寄付して活動資金に困窮するサッカーチームを支援するためにロブフォードフットボール財団という組織を立ち上げている[11]。市長時代の前半は議会もフォードに協力的であった。フォードは市長になったのちに、年間60ドルの個人用車両登録税を廃止し、トロント交通局の値上げも中止させた。スカボロー線の延長も推進した。市議時代には各評議員の200,000ドルのオフィス予算、会議への旅費、市のリムジンの使用およびクラブ会員資格の終了を提案し、2001年の固定資産税を5%増やす法案にも反対票を投じている。2001年の議員報酬は年間わずか10ドルしか受け取らず、2002年の報酬は年間4ドルであった。
出典・脚注
[編集]- ^ Gilbert, Richard (2010年12月30日). “When will Ford's honeymoon end?”. Toronto Star: p. A23
- ^ Dale, Daniel. “Rob Ford: 42 remarkable moments from Toronto mayor’s career”. Toronto Star June 10, 2013閲覧。
- ^ Peat, Don (May 25, 2013). “Mayor Rob Ford's unforgettable legacy”. Toronto Sun
- ^ “Rob Ford says he won’t resign after Toronto police say they found video | National Post”. News.nationalpost.com. 2013年11月3日閲覧。
- ^ McVeigh, Karen (2013年11月5日). “Toronto mayor Rob Ford admits using crack cocaine in a 'drunken stupor'”. The Guardian 2013年11月9日閲覧。
- ^ “Rob Ford stripped of key powers in council vote”. CBC News. (2013年11月15日) 2013年11月15日閲覧。
- ^ “Rob Ford promises 'outright war' as powers further restricted”. CBC News. (2013年11月18日) 2013年11月18日閲覧。
- ^ Farooq, Ramisha (March 17, 2016). “Rob Ford get well soon" website receives nearly 3000 messages”. Toronto Star March 22, 2016閲覧。
- ^ White, Patrick; Gray, Jeff (March 22, 2016). “Former Toronto Mayor Rob Ford dies at 46”. The Globe and Mail March 22, 2016閲覧。
- ^ “Rob Ford: Former Toronto mayor dies of cancer at 46”. Reuters. ABC News. (March 22, 2016) March 23, 2016閲覧。
- ^ Grossman, David (September 13, 2009). “Rob Ford a team player to schools”. Toronto Star