ローケ (モニター)
ローケ (Loke) はスウェーデン海軍のモニター。スウェーデンでの艦種は装甲艇 (Pansarbåt)、後に二等装甲艇[1]。艦名のローケは、北欧神話の神である[2]。
モータラ造船所で建造[3]。1867年3月起工[4]。1869年9月4日進水[4]。1871年10月22日に就役ないし引き渡し[4]。または1871年11月竣工[5]。
先に建造された「ジョン・エリクソン」、「トルデン」、「ティルフィン」より少し大型で、基準排水量1594.7トン、全長62.45m、最大幅13.81m、吃水3.64m[5]。または満載排水量1594トン、全長64.4m、最大幅13.47m[6]。
主砲はフィンスポング19口径24cmM/69型後装施条砲2門で、1882年(1890年[7])にフィンスポング21口径24cmM/76型後装施条砲に換装された[5]。また、1877年から1882年にかけてパルムクランツ12mmM/75型10銃身機銃1挺とパルムクランツ25mmM/77型4銃身機銃(ノルデンフェルト製[7])1挺が搭載され、1887年にはM/77型機銃2挺となった[8]。
水平2気筒機械と円缶4基を搭載し、出力は430指示馬力[5]。公試では7.8ノットを発揮した[4]。
装甲厚は前の3隻から砲塔前面が445mm(447mm[5])、側面が371.125mm(381mm[5])に変わっている[4]。他に、司令塔が237mmになった[5]とも。
「ローケ」はほとんど就役状態になることはなく、巡航は6度行ったのみであった[9]。最後の巡航を行った1880年以降は係船状態となり、改装のための資金要求が2度拒否されると、1908年8月21日に退役となった[9]。その後売却され、第一次世界大戦前に解体されたものと思われる[10]。
脚注
[編集]- ^ 『海防戦艦』97、102ページ
- ^ "Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", p. 168
- ^ 『海防戦艦』100-101ページ、"Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", p. 169
- ^ a b c d e "Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", p. 169
- ^ a b c d e f g 『海防戦艦』101ページ
- ^ "The Swedish Monitors", p. 26
- ^ a b "Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", p. 177
- ^ 『海防戦艦』100-101ページ
- ^ a b "The Swedish Monitors", p. 28, "Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", p. 180
- ^ "Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", p. 180
参考文献
[編集]- 橋本若路『海防戦艦 設計・建造・運用 1872~1938』イカロス出版、2022年、ISBN 978-4-8022-1172-7
- Daniel G Harris, "The Swedish Monitors", Warship 1994, Conway Maritime Press, 1994, ISBN 0-85177-630-2, pp. 22-34
- Stellan Bojerud, "Monitors and Armored Gunboats of the Royal Swedish Navy Part 1", Warship International, Vol. 23, No. 2, 1986, pp. 167-180