コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ローマ市電7000形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ローマ市電7000形電車
ローマ電気鉄道・軌道会社500形電車
ローマ市電7100形電車
7000形(7009)(2017年撮影)
基本情報
運用者 ATAC
ローマ電気鉄道・軌道会社イタリア語版
製造所 スタンガ機械工場イタリア語版
製造年 1947年 - 1952年
製造数 58両
投入先 ローマ市電
主要諸元
編成 2車体連接車、片運転台
軸配置 Bo'2'Bo'
軌間 1,445 mm
電気方式 直流550 V
架空電車線方式
最高速度 50 km/h
車両定員 180人(乗客密度6人/m2
車両重量 25 t
全長 20,375 mm
車体高 3,220 mm
固定軸距 1,800 mm
台車中心間距離 6,500 mm
主電動機 TIBBイタリア語版
主電動機出力 72 kW
出力 288 kW
制御方式 抵抗制御方式
制動装置 発電ブレーキ空気ブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6]に基づく。
テンプレートを表示

ローマ市電7000形電車(ローマしでん7000がたでんしゃ)は、イタリアの都市・ローマ路面電車ローマ市電)の車両。収容力が高い2車体連接車で、製造メーカーにちなんだ「スタンガ(Stanga)」や、スタンガ製の連節車を意味する「TAS(Treno Articolato Stanga)」とも呼ばれる[1][2][3][4][6]

概要

[編集]

従来の車両から収容力を高めた2車体連接車として製造された形式。大戦前の1938年からローマ電気鉄道・軌道会社イタリア語版に導入された400形電車イタリア語版に加え、これを基に開発され1942年に当時のATAG(現:ATAC)に導入されながらも翌1943年空襲で修復不能なほどの損害を受けた試作車が設計時の参考となった[4][6][5]

先に導入された400形と同様、前後車体の端部に動力台車、車体間に付随台車を設置した構造になっており、車内の連節部分には回転可能な円形の板が設置されている。一方で車体長は20,375 mmと長くなり、後部の乗降扉の幅が広くなった。また、TIBBイタリア語版製の主電動機も出力が増したものになっている他、制動装置として電磁吸着ブレーキが搭載されている。集電装置は製造当初ビューゲルが用いられた[4][5]

1947年から1952年にかけて50両(5001 - 5099、奇数のみ)が製造され[注釈 1]、ATACが運営するローマ各地の路面電車路線に導入された。一方、1952年にはローマ電気鉄道・軌道会社にも、集電装置を菱形パンタグラフに変更した同型車両が8両(501 - 508)導入され、同社が運営していたローマ・テルミニ駅 - チネチッタ間の郊外系統に導入された。その後、1980年ローマ地下鉄A線の開通により廃止された事を受けてこれらの車両はATACに買収され、改修工事や車両番号の変更(7101 - 7115、奇数のみ)が実施された[1][2][4]

ATACが導入した車両についても1980年代に改修工事を受け、2023年10月時点でも40両が在籍しているが、同年に導入が発表されたスペインCAF製の超低床電車ウルボス(Urbos)」により、将来的な置き換えが予定されている。ただし、一部車両についてはローマの歴史的遺産として動態保存系統「アーキオトラム(Archeotram)」向けへの改修工事が実施され、「ウルボス」導入以降も使用される事になっている。また、7021は「トラム・リストランテ(Tram Ristorante)」、7115は「トラムジャズ(Tramjazz)」と言う名称で、車内で食事が楽しめる観光・イベント用車両として使用されている他、2両が文化財・文化活動・観光省(現:文化省観光省イタリア語版)によって文化財に認定され、車庫に保管されている[1][2][3][4][8]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ ATACが所有する路面電車車両は、1990年まで電動車奇数付随車偶数番号が付けられていた[7]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d New tramways for Rome”. Urban Transport Magazine (2023年10月3日). 2024年12月12日閲覧。
  2. ^ a b c d In Roma it’s still CAF. Tender for 121 new trams awarde”. Sustinable Bus (2023年10月2日). 2024年12月12日閲覧。
  3. ^ a b c Centro Studi OQ: la nostra proposta per l'Archeotram di Roma”. Odissea Quotidiana (2024年3月20日). 2024年12月12日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Giovanni Mantovani 2023, p. 24.
  5. ^ a b c Giovanni Mantovani 2023, p. 13.
  6. ^ a b c Giovanni Mantovani 2023, p. 20.
  7. ^ Giovanni Mantovani 2023, p. 30-31.
  8. ^ Vanno in pensione dodici tram Stanga”. ATAC. 2024年12月12日閲覧。

参考資料

[編集]