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ワイルド・ハニー・パイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 曲名リスト > ワイルド・ハニー・パイ
ワイルド・ハニー・パイ
ビートルズ楽曲
収録アルバムザ・ビートルズ
英語名Wild Honey Pie
リリース1968年11月22日
録音
ジャンル
時間52秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ザ・ビートルズ 収録曲
オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ
(DISC 1 A-4)
ワイルド・ハニー・パイ
(DISC 1 A-5)
ザ・コンティニューイング・ストーリー・オブ・バンガロー・ビル
(DISC 1 A-6)

ワイルド・ハニー・パイ」(Wild Honey Pie)は、ビートルズの楽曲である。1968年に発売された9作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはポール・マッカートニーによって書かれた楽曲[3]。マッカートニーがマルチトラック・レコーダーの特性を生かし、すべての楽器を自身で演奏して録音した楽曲[注 1]。歌詞の内容は、「Honey Pie」と数回繰り返した後、最後に「I love you(愛してるよ!)」と叫んで締めるというもの。そのためか歌詞カードには「レボリューション9」と同様に歌詞が掲載されておらず、対訳も割愛されている。

レコーディング

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「ワイルド・ハニー・パイ」のレコーディングは、1968年8月20日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2で行われた[4]。レコーディングは、「マザー・ネイチャーズ・サン」の2回目のセッション終了後に続けて行われたため、演奏に参加したのは「マザー・ネイチャーズ・サン」と同様にマッカートニーのみとなっている[5][6][7][4]。なお、本作のレコーディングの前には、未発表曲「エトセトラ英語版」もレコーディングされた[4]

マッカートニーは、本作のレコーディングについて「僕らは実験モードに入っていたから、「ちょっとやってみてもいいかな?」と言った。まずはギターから始めて、コントロール・ルームだったか隣の小部屋で、マルチトラックの実験を始めた。大がかりなところなんてまったくなくて、すごく手作りっぽい感じだった。弦にヴィブラートをいっぱいかけて、彫刻みたいに作っていった。イカれたみたいに弦を引っぱってね。だから『ワイルド・ハニー・パイ』という名前なんだけど、これは僕が書いた『ハニー・パイ』からの引用だった」と振り返っている[3][4]

4トラック・レコーダーのトラック1と2にはアコースティック・ギターを弾きながら、フットペダルでバスドラムを叩きながら歌う声、トラック3にシンコペーションを効かせたタムを叩く音、トラック4に別のボーカル・パートが録音された[4]。なお、2種類のアコースティック・ギターのうち、片方の音はテープのスピードを僅かに変動させたことから、音にふらつきが生じている[4]

リリース・評価

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「ワイルド・ハニー・パイ」は、1968年11月22日にアップル・レコードから発売されたオリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』のA面5曲目に収録された。当初本作はアルバムから除外される予定となっていたが、ジョージ・ハリスンの当時の妻パティ・ボイドが大変気に入ったことから収録されることとなった[6]

ジャーナリストのデイビット・クヴァンティック英語版は、アルバム『ザ・ビートルズ』に関連した著書の中で、本作について「まさに劣っている楽曲」と書いている[8]。一方で『ローリング・ストーン』誌のヤン・ウェナー英語版は「サイケデリック・ミュージックとそれに結びつく様式に敬意を表している」と評している[9]

2003年に『スタイラス・マガジン英語版』誌が発表した「Top Ten Filler Tracks」で第1位を獲得し[10]、2018年に『インデペンデント』誌のジェイコブ・ストルワーシーは、アルバム『ザ・ビートルズ』収録曲を対象としたランキングで、本作を最下位にあたる30位に挙げた。本作について、ストルワーシーは「ありがたいことに、ビートルズで最も短い楽曲の1つ」と評している[11]

クレジット

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※出典[7]

カバー・バージョン

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  • フィッシュ - 1994年10月31日にニューヨークで開催されたアルバム『ザ・ビートルズ』に収録の全曲をカバーするライブで演奏。このライブでの演奏は、2002年に発売された4枚組のライブ・アルバム『LIVE PHISH 13 10.31.94』で音源化された[12]
  • ピクシーズ - 1995年に発売されたアルバム『Rough Diamonds』に収録[13]

脚注

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注釈

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  1. ^ この曲を録音した当時は、4トラック・レコーダーが使用されていた。

出典

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  1. ^ Courrier, Kevin (2008). Artificial Paradise: The Dark Side of the Beatles' Utopian Dream: The Dark Side of the Beatles' Utopian Dream. ABC-CLIO. p. 215. ISBN 978-0-313-34587-6. https://books.google.com/books?id=FK9zCgAAQBAJ&pg=PA215 
  2. ^ Athitakis, Mark. “A Beatles Reflection”. Humanities. National Endowment of the Humanities. 2018年9月30日閲覧。
  3. ^ a b c Miles 1997, p. 497.
  4. ^ a b c d e f White Album 2018, p. 14.
  5. ^ Lewisohn 1988, p. 150.
  6. ^ a b Harry 2000, p. 1151.
  7. ^ a b MacDonald 2005, p. 309.
  8. ^ Quantick 2002, p. 58.
  9. ^ Wenner, Jann S. (1968年12月21日). “Review: The Beatles' 'White Album'”. Rolling Stone. 2019年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
  10. ^ Top Ten Filler Tracks – Staff Top 1”. Stylus Magazine. 2006年12月31日時点の0 オリジナルよりアーカイブ。2020年10月10日閲覧。
  11. ^ Stolworthy, Jacob (2018年11月22日). “The Beatles' White Album tracks, ranked - from Blackbird to While My Guitar Gently Weeps”. The Independent (Independent News & Media). https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/features/the-beatles-white-album-tracks-ranked-paul-mccartney-john-lennon-george-harrison-50-anniversary-a8643431.html 2020年10月10日閲覧。 
  12. ^ Jarnow, Jesse. Live Phish, Vol. 13: 10/31/94, Glens Falls Civic Center, Glens Falls, NY - Phish | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月10日閲覧。
  13. ^ Rough Diamonds - Pixies | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年11月19日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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