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ヴェローナ断崖

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴェローナ断崖
Verona Rupes
宇宙探査機ボイジャー2号が1986年1月に撮影したヴェローナ断崖(中央右)[1]
種類 断崖
天体 ミランダ
座標 南緯18度18分 東経347度48分 / 南緯18.30度 東経347.80度 / -18.30; 347.80[2]座標: 南緯18度18分 東経347度48分 / 南緯18.30度 東経347.80度 / -18.30; 347.80[2]
直径 116 km
標高 5 - 15 km[3]
5 - 10 km[4]
20 km[5]
発見者 ボイジャー2号
名の由来ロミオとジュリエット』の舞台となったヴェローナ

ヴェローナ断崖(ヴェローナだんがい、: Verona Rupes)は、天王星衛星ミランダに存在する断崖

1986年1月に宇宙探査機ボイジャー2号によって発見され、名前はウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台となったイタリアの都市ヴェローナに由来し、1988年国際天文学連合(IAU)によって採用された[2]。この断崖は、衛星の崩壊と再構築を引き起こした大きな衝突によって形成されたか[6][7]、あるいは地殻の裂け目によって形成された可能性が示唆されている[8]。ミランダの重力が弱いことを考慮すると、頂上から落下するのに約12分かかり、約200 km/hの速度で下に到達する[5]

高さについては多くの推定があり、高さは 5 - 10 km[4]と推定されていたが、別の推定では 20 km[5]と高く、これは地球グランド・キャニオンの約10倍の高さであり、太陽系でもっとも落差の大きい断崖と考えられている。また、ある研究によれば、視差による斜めからの眺めを考慮しない場合、ヴェローナ断崖の本当の高さは約 5 - 15 kmであり、境界線に向かって徐々に浅くなると推定されている[3]。断崖は明暗境界線を越えて北半球まで伸びていると推定されるが、ボイジャー2号ではそれ以上遠くを観測することはできなかった[9] 。境界線を越えて伸びる暗い縁に対する断崖の傾斜は約 25 - 30 度と推定されている[3]

脚注

[編集]
  1. ^ PIA00044: Miranda high resolution of large fault”. JPL, NASA. 2007年7月23日閲覧。
  2. ^ a b "Verona Rupes". Gazetteer of Planetary Nomenclature. USGS Astrogeology Research Program.
  3. ^ a b c 1991LPI....22.1341S Page 1341”. adsabs.harvard.edu. 2024年8月4日閲覧。
  4. ^ a b Thomas, P.C. (1988). “Radii, shapes, and topography of the satellites of Uranus from limb coordinates”. Icarus 73 (3): 427–441. Bibcode1988Icar...73..427T. doi:10.1016/0019-1035(88)90054-1. 
  5. ^ a b c APOD: 2016 November 27 - Verona Rupes: Tallest Known Cliff in the Solar System”. apod.nasa.gov. 2018年2月20日閲覧。
  6. ^ Miranda”. USGS (2003年5月8日). July 4, 2003時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年11月28日閲覧。
  7. ^ Chaikin, Andrew (2001年10月16日). “Birth of Uranus' provocative moon still puzzles scientists”. space.com. Imaginova Corp. pp. 1. July 9, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年7月23日閲覧。
  8. ^ Chaikin, Andrew (2001年10月16日). “Birth of Uranus' provocative moon still puzzles scientists”. space.com. Imaginova Corp. pp. 2. 2007年7月23日閲覧。
  9. ^ Plescia, J. B. (1988-03-01). “Cratering history of Miranda: Implications for geologic processes”. Icarus 73 (3): 442–461. doi:10.1016/0019-1035(88)90055-3. ISSN 0019-1035. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0019103588900553. 

関連項目

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