一線譜
一線譜(いっせんふ、別名:一本線)とは、主に打楽器などの記譜に用いられる楽譜のひとつである。
五線譜が5本の線で構成される楽譜であるに対し、1本の線のみで構成される楽譜であり、音楽記号について変化記号(調号や臨時記号)はあまり使われず、クレッシェンド、デクレッシェンドなどの演奏記号は(特にオーケストラなどの打楽器の一線譜で)用いられる。
楽器ごとの違い
[編集]和太鼓
[編集]記譜法としては普通、右で叩く音を線の上に、左で叩く音を線の下に書かれる。また、リムを叩く場合は本来縦線の横に●を書かれるのにかわり、縦線の上に×を書いて表す。また、両桴で叩く場合は、(五線譜の一番下の線で言うと)「レ」と「ファ」の音を同時に出すときのような書き方をする。また、音符と休符は余韻をどれだけ取るかで使い分けられて、これは通常の使われ方と同じである。
ただ、別段規約が取り決められているわけではなく、団体によっては特定の音符の上(もしくは下)にアクセント記号をつけて、強く打つ音を表しているところもある。
また、一線譜は一般に入手は困難[1]なため、その代用として五線譜を用いる場合もある。(この場合は中心の線を基準とし、それぞれ(上から)、右は2本目、左は4本目の部分に記述する。)
オーケストラなどの打楽器
[編集]記譜方法としては、小太鼓や大太鼓、シンバルなどといった、一つの音しか出さない楽器場合は、線の中央部に音符を記し、二つの音程がある場合は線の上部・下部、三つの音程がある場合は線の上部・中央部・下部に音符を記す。
なお、打楽器の奏法によって音符の符頭(たま)を×印や△印で記し、その音符の付近に注釈を記す楽譜が見受けられる。
オーケストラなどの打楽器の場合、パート譜にあたる一線譜は音楽記号が書かれることが多く、調号や臨時記号はあまり記されないが、演奏記号は多くの楽譜において使用される。
脚注
[編集]- ^ このため、通常は自作(一本線を引くだけ)となる。