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固定電話

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一般電話から転送)
机上に置かれた黒電話

固定電話(こていでんわ)とは、携帯電話などの移動体電話の普及に伴って、一定の場所に固定された電話を指して使われる再命名による呼称。特に、個人宅に設置されたものは「家電」(いえでん)もしくは「一般電話」とも俗称される。

主な特徴

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  • 設置場所が電気通信事業者により特定されている。
  • 使用場所へ物理的な加入者線の引き込みが行われる場合がほとんどである(無線方式の加入者収容もごく少数存在する)。
  • 初期の携帯電話に比べると通信が安定しており、音声の帯域が広く高音質である。
  • 電話交換機から電力が供給されるため、電源がない場所でも設置可能である[注 1]

日本の固定電話

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日本[1][2][3][4]では、基礎的電気通信役務である0AB〜J電話番号の、加入電話ISDN含む)や共同電話IP電話無線アクセス利用のホームプラス電話おうちのでんわhomeでんわワイヤレス固定電話を指す場合がほとんどである。移動しない050番号のIP電話、を含む場合がある。

0AB〜J電話の場合、設置場所が電気通信事業者により特定され加入者が無断で移動できないようになっているため、電話番号(市外局番、市内局番)から契約者の所在地が判別できる(例・東京都区部:03、愛知県名古屋市:052、大阪市:06)。このことから、許認可や契約行為の際の所在地を確認する電話番号として使用される(携帯電話や050番号は所在地確認には利用できない)。貸金業者貸金業法の規定により、貸金業登録簿に記載できる電話番号は0AB〜J電話のみとされる。

警察消防当局はそれぞれの緊急番号である110番119番の受報においてその位置を知る事ができる。

申し込みにより、当該番号に付加する特殊電話サービス(フリーダイヤルナビダイヤルなどの着信)を利用が可能な場合が多い。

電話番号 中継網 加入者線 局給電 緊急通報 種類 FAX 当該年3月末加入数(万) 単位 電気通信
事業者
サービス 備考
通知番号 回線確保 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 開始 終了
0AB〜J PSTN
回線交換
ツイスト
ペアケーブル
0AB〜J 回線保留 加入電話 Super G3 1880 1754 1636 1514 1410 1312 1210 - 契約 NTT
西
1889年 2024年 メタルIP電話
などへ移行
INSネット G4 Super G3 254 233 214 194 177 160 143 - 1988年
SB 1997年
KDDI 2016年
直収電話 Super G3 172 166 162 153 143 134 125 118 KDDI 2016年
SB 2024年
同軸ケーブル -
[注 2]
CATV 12   J:COM 2017年[5]
NGN
[注 3]
VoIP
FTTH コール
バック
光IP電話 G3 T.37 T.38 3245 3364 3446 3521 3568 3594 3612 3610 電話番号利用数 NTT
東西
2003年  
ISP ブロードバンドインターネット接続
とセット
FTTH
同軸ケーブル
ケーブルプラス J:COM
KDDI
2005年 電話の単独利用も可
FTTH ケーブルライン SB 2007年
無線 0A0 ホームプラス T.37                 KDDI 2015年 音声VoLTE
モデム利用不可
ダイヤルイン
代表番号など事業所向け機能なし
おうちのでんわ SB 2017年
homeでんわ G3 ドコモ 2022年
0AB〜J ワイヤレス
固定電話
T.37 NTT
東西
2024年
ツイスト
ペアケーブル
メタルIP
アナログ
G3   1120 契約 各社へ卸売
メタルIP INS   123 2028年
050 IP網 - - - 050
IP
T.37 853 891 895 892 899 941 957 959 番号 2003年 インターネット電話
InternetFAXを含む

日本の現況

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2022年の固定電話の世帯普及率は63.9%である[6]

かつて6000万件以上あった契約数は2000年度に携帯電話に追い抜かれ、2020年度は2000万件を割り込んだ。携帯電話やSNSで家族や友人と連絡し、固定電話に不慣れなまま就職する若い世代には、職場の固定電話に着信があると緊張し、わざと電話をとらなかったり、電話応対中に泣き出したり、果てはそうしたストレスから離職したりする者もいる。このため固定電話応対の研修や代行を行う企業もある[7]

脚注

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注釈

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  1. ^ 停電時でも使える必要があるエレベーター内の電話の電話回線として需要がある。
  2. ^ 停電補償は加入者が行う。
  3. ^ NTTグループによるNGN(狭義)ではなく、他事業者独自のIP網を含むNGN(広義)のこと。

出典

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  1. ^ (参考4)NTT東日本・NTT西日本を合計した加入電話・ISDN契約数の推移』(プレスリリース)NTT東日本、2022年5月31日https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20220531_01_05.html2022年6月24日閲覧 
  2. ^ 2022年度 決算補足資料』(プレスリリース)日本電信電話、2023年5月12日https://group.ntt/jp/ir/library/timely_disclosure/2023/pdf/007.pdf2024年3月10日閲覧 
  3. ^ 2023年度 決算補足資料』(プレスリリース)日本電信電話、2024年5月10日https://group.ntt/en/ir/library/timely_disclosure/2024/pdf/008.pdf2024年6月30日閲覧 
  4. ^ 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 令和5年度第4四半期(3月末)』(プレスリリース)総務省 総合通信基盤局、2024年6月28日https://www.soumu.go.jp/main_content/000936792.pdf2024年6月30日閲覧 
  5. ^ J:COM PHONEはなぜ、サービスを終了したのですか? | JCOMサポート
  6. ^ 通信利用動向調査(世帯編)』(プレスリリース)総務省、2023年5月25日https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR202200_001.pd2024年7月14日閲覧 
  7. ^ 「固定電話恐怖症増える 応対外注やスキル研修も」『読売新聞』朝刊 2020年7月8日(くらし家庭面)

関連項目

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外部リンク

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