万暦赤絵
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万暦赤絵(ばんれきあかえ)とは中国の明の万暦年間に景徳鎮で作られた陶磁器で、色絵の白磁のことである。日本での用語であり、中国では万暦五彩という。
概要
[編集]景徳鎮で万暦年間に制作された白磁に染付(釉下コバルトによる藍の発色)と赤絵(白磁の釉上に焼き付ける赤・緑・黄・紫の釉薬)を併用した陶磁器である。中国では五彩と呼ばれる色絵陶磁器は明時代に盛行したが、万暦時代の製品は特に華美である。官窯としても多量に製造されたが、輸出品も多く特に日本に多く残っている。
日本では「万暦赤絵」と呼ばれて尊重された。この風潮は昭和初期に建築家の笹川慎一が広め、古美術商の山中商会がそれを後押ししたとされる[1]。志賀直哉が1933年(昭和8年)に発表した短編小説「万暦赤絵」も、そうした風潮の中で主人公の「私」が万暦赤絵を購入しようとしてできなかった様子を描いている[1]。