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三位一体と神秘的なピエタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『三位一体と神秘的なピエタ』
英語: The Trinity and Mystic Pietà
作者ハンス・バルドゥング
製作年1512年
寸法112.3 cm × 89.1 cm (44.2 in × 35.1 in)
所蔵ナショナル・ギャラリー (ロンドン)

三位一体と神秘的なピエタ』(さんみいったいとしんぴてきなピエタ、: The Trinity and Mystic Pietà)は、ドイツルネサンス期の画家ハンス・バルドゥングが1512年に板上に油彩で制作した絵画である。 画家が暮らしたストラスブールのサン・ピエール・ル・ヴュー (St Pierre-le-Vieux) 教会のために制作された可能性がある。大理石に刻印されたかのように見える画家の署名と1512年の制作年が、画面下部右側にいる女性たちの上に見える。作品は、1894年にナショナル・ギャラリー (ロンドン) に収蔵された[1]

作品

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絵画は、父なる神、神によって支えられている息子のイエス・キリスト、2人の上のハトの姿をしている聖霊からなる三位一体を表している[1]十字架に磔にされた息子を支える神を絵画に加えることは、14世紀後半と15世紀前半には人気があるものであったが、それ以外の美術の歴史では稀であった[2]

三位一体に、泣いている聖母マリア福音書記者聖ヨハネが加わっている。2人はキリストの入っている赤い大理石の墓の中に立っている。キリストの遺体は白い布で包まれ、脇腹の槍の傷跡が見える。聖母は涙をベールで拭い、ヨハネは手を胸に当てている[1]

聖人たちの下には小さく描かれた人物像があるが、美術史家によると彼らは絵画を委嘱した家族である。紋章から、おそらくストラスブールのベットショルト (Bettschold) 家とロットシルト (Rothschild) 家の人々であろう[1]。そのうちの1人は右手を挙げて、キリストを仰ぎ見ている。中世においては、絵画の寄進者はしばしば聖人たちよりずっと小さく描かれたが、それは寄進者と聖人たちの違いを強調するためであった[3]

絵画を所蔵しているロンドンのナショナル・ギャラリーでは、「バルドゥングの絵画は、哀悼者の人間的感情を強調し、父なる神さえ単に嘆き悲しむ親として提示することで、我々の想像力による絵画への没入を招く」と考えている[3]

脚注

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参考文献

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  • Dunkerton, Jill; Foister, Susan; Penny, Nicholas (2002). Dürer to Veronese: Sixteenth-century Painting in the National Gallery. London: National Gallery Publications. ISBN 978-0-300-09533-3. https://books.google.com/books?id=KIhL9u8ZB80C&pg=PP1 
  • Herbert McAvoy, Liz (2008). A Companion to Julian of Norwich. Woodbridge, Suffolk: Boydell & Brewer Ltd. ISBN 978-1-84384-172-2. https://books.google.com/books?id=hKcnOau0_zsC&pg=PP1 

外部リンク

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