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世界エスペラント大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

世界エスペラント大会(せかいエスペラントたいかい、Universala Kongreso de Esperanto, UK)とは、世界エスペラント協会(UEA)の年鑑によれば、UEAの主催のもとエスペランティストの行う国際的デモンストレーションである。UKは、文化的祭典、全世界的討論の場、観光の祭典、およびUEAの諸機関の実務会合を兼ねる。

UEAは毎年異なる国で大会を開くことにより、エスペラント運動の地理的分布および組織的活動の能力を尊重しようとしている。

開催地を決定するのはUEA理事会である。UEA事務総長は大会に関連する文書に署名し、大きな役割を果たすが、ロッテルダム所在のUEA事務員である大会常任書記(Konstanta Kongresa Sekretario)がUKの日常業務を遂行する。開催地では、地元大会組織委員会(Loka Kongresa Komitato)が活動する。

大会全体のプログラムは年によって異なるものの、次のような主な行事が開かれることがUKの伝統的特徴である。

  • 大会テーマに沿って討論、講演、および、より多くの啓発的プログラムが行われる。とりわけ国際大会大学(Internacia Kongresa Universitato)のセッション、上演、語学講座は大会ホスト国とその文化に関する知識を提供する。この点については開催地付近および遠方の観光地への遠足も手助けとなる。
  • とても豊かな文化プログラム。豊富な娯楽・芸術的公演により、エスペラント界における文化生活の水準が示される。民族的夕べおよび国際的夕べ、クラシックおよび近代的音楽のコンサート、演劇・舞踏会が含まれる。この分野にはほかに芸術コンクール、「書籍の日」、「学校の日」、「平和の日」、書籍販売コーナーが含まれるのを通例とする。
  • 参加者は、エスペラントのさらなる普及の可能性およびその科学・経済学・文化・政治の分野での有用性について討論する。UEAの諸機関、UEA専門団体、およびその他のエスペラント団体の会議が開かれるほか、執行機関の選挙も行われる。

世界大会は、エスペラント運動の博覧会となることを目的とするとともに、エスペランティストでない人の間でのエスペラントの認知度を可能な限り向上させることをも目的とする。

参加者などからの寄付を受け付ける特別の基金が設置される。夏までにUEAの中央事務所に届いた寄付は、大会冊子に記載される。2001年には、盲人基金(盲人エスペラント運動を支援するため)、親基金(国際少年少女大会を補助するため)、第三世界基金(第三世界のエスペランティストの参加を補助するため)、一般基金(UKの開催全般を支えるため)が設置された。

歴史

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大会に先立って1904年ドーバーカレーで会合が設けられ、翌1905年アルフレ・ミショーが主催してフランスのブローニュ=シュル=メールで第1回世界エスペラント大会が開催された。

初期のころは、大会ごとに次の大会の開催について決める方式をとっていた。ヘルシンキ方式が採用されていた1922年ごろから1932年ごろまでは国際中央委員会が大会を開催し、1933年からはUEAが開催している。1936年から1947年までの世界エスペラント協会お家騒動の期間は国際エスペラント連盟IEL)が開催していた。50周年を迎える1955年には第40回大会がイタリアボローニャで開かれ、第1回大会が開催されたブローニュ=シュル=メール姉妹都市となった。ブローニュ=シュル=メールでは2005年3月にも、第1回大会を記念する大会が開かれている。参加者数最大を記録したのはエスペラントの発表100周年を記念して1987年ワルシャワで開かれた第72回大会であり、正式参加登録者数は5,986名にのぼった。

日本では現在までに2回開催されている。日本最初の大会は1965年東京で開催された第50回大会である。日本で2回目の大会は2007年8月4日から8月11日に開催された第92回大会で、横浜市で開催された。開会式はみなとみらい21パシフィコ横浜で行われた。横浜での大会は日本エスペラント学会が日本でのエスペラント運動百周年(2006年)の記念事業として招致したものである。

過去および開催予定の大会のリスト

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都市 参加者数
109 2024 アルーシャ タンザニアの旗 タンザニア 845
108 2023 トリノ イタリアの旗 イタリア  
107 2022 モントリオール カナダの旗 カナダ  
106 2021 インターネット 当初はベルファストで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりインターネット上での開催に変更。  
105 2020 インターネット 当初はモントリオールで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりインターネット上での開催に変更。 1860[1]
104 2019 ラハティ  フィンランド 917[2]
103 2018 リスボン ポルトガルの旗 ポルトガル 1567[3]
102 2017 ソウル特別市 大韓民国の旗 韓国 1173[4]
101 2016 ニトラ スロバキアの旗 スロバキア 1252[5]
100 2015 リール フランスの旗 フランス 2698[6]
99 2014 ブエノスアイレス アルゼンチンの旗 アルゼンチン 706[7]
98 2013 レイキャヴィーク アイスランドの旗 アイスランド 1034[8]
97 2012 ハノイ  ベトナム 866[9]
96 2011 コペンハーゲン  デンマーク 1458[10]
95 2010 ハバナ  キューバ 1002[11]
94 2009 ビャウィストク ポーランドの旗 ポーランド 1860
93 2008 ロッテルダム オランダの旗 オランダ 1845
92 2007 横浜市 日本の旗 日本 1901
91 2006 フィレンツェ イタリアの旗 イタリア 2209
90 2005 ヴィリニュス  リトアニア 2235
89 2004 北京市 中華人民共和国の旗 中国 2031
88 2003 ヨーテボリ  スウェーデン 1791
87 2002 フォルタレザ ブラジルの旗 ブラジル 1484
86 2001 ザグレブ クロアチアの旗 クロアチア 1691
85 2000 テルアビブ イスラエルの旗 イスラエル 1212
84 1999 ベルリン ドイツの旗 ドイツ 2712
83 1998 モンペリエ フランスの旗 フランス 3133
82 1997 アデレード オーストラリアの旗 オーストラリア 1224
81 1996 プラハ  チェコ 2972
80 1995 タンペレ  フィンランド 2443
79 1994 ソウル特別市 大韓民国の旗 韓国 1776
78 1993 バレンシア スペインの旗 スペイン 1863
77 1992 ウィーン  オーストリア 3033
76 1991 ベルゲン  ノルウェー 2400
75 1990 ハバナ  キューバ 1617
74 1989 ブライトン イギリスの旗 イギリス 2280
73 1988 ロッテルダム オランダの旗 オランダ 2321
72 1987 ワルシャワ ポーランドの旗 ポーランド 5946
71 1986 北京市 中華人民共和国の旗 中国 2482
70 1985 アウクスブルク ドイツの旗 ドイツ 2311
69 1984 バンクーバー カナダの旗 カナダ 802
68 1983 ブダペスト  ハンガリー 4834
67 1982 アントウェルペン ベルギーの旗 ベルギー 1899
66 1981 ブラジリア ブラジルの旗 ブラジル 1749
65 1980 ストックホルム  スウェーデン 1807
64 1979 ルツェルン スイスの旗 スイス 1630
63 1978 ヴァルナ  ブルガリア 4414
62 1977 レイキャヴィーク アイスランドの旗 アイスランド 1199
61 1976 アテネ ギリシャの旗 ギリシャ 1266
60 1975 コペンハーゲン  デンマーク 1227
59 1974 ハンブルク ドイツの旗 ドイツ 1651
58 1973 ベオグラード ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア 1638
57 1972 ポートランド アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 923
56 1971 ロンドン イギリスの旗 イギリス 2071
55 1970 ウィーン  オーストリア 1987
54 1969 ヘルシンキ  フィンランド 1857
53 1968 マドリード スペインの旗 スペイン 1769
52 1967 ロッテルダム オランダの旗 オランダ 1265
51 1966 ブダペスト  ハンガリー 3975
50 1965 東京都 日本の旗 日本 1710
49 1964 デン・ハーグ オランダの旗 オランダ 2512
48 1963 ソフィア  ブルガリア 3472
47 1962 コペンハーゲン  デンマーク 1550
46 1961 ハロゲイト イギリスの旗 イギリス 1646
45 1960 ブリュッセル ベルギーの旗 ベルギー 1930
44 1959 ワルシャワ ポーランドの旗 ポーランド 3256
43 1958 マインツ ドイツの旗 ドイツ 2021
42 1957 マルセイユ フランスの旗 フランス 1468
41 1956 コペンハーゲン  デンマーク 2200
40 1955 ボローニャ イタリアの旗 イタリア 1687
39 1954 ハールレム オランダの旗 オランダ 2353
38 1953 ザグレブ ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア 1760
37 1952 オスロ  ノルウェー 1614
36 1951 ミュンヘン ドイツの旗 ドイツ 2040
35 1950 パリ フランスの旗 フランス 2325
34 1949 ボーンマス イギリスの旗 イギリス 1534
33 1948 マルメ  スウェーデン 1761
32 1947 ベルン スイスの旗 スイス 1370
31 1939 ベルン スイスの旗 スイス 765
30 1938 ロンドン イギリスの旗 イギリス 1602
29 1937 ワルシャワ ポーランドの旗 ポーランド 1120
28 1936 ウィーン  オーストリア 854
27 1935 ローマ イタリアの旗 イタリア 1442
26 1934 ストックホルム  スウェーデン 2042
25 1933 ケルン ドイツの旗 ドイツ 950
24 1932 パリ フランスの旗 フランス 1650
23 1931 クラクフ ポーランドの旗 ポーランド 900
22 1930 オックスフォード イギリスの旗 イギリス 1211
21 1929 ブダペスト  ハンガリー 1200
20 1928 アントウェルペン ベルギーの旗 ベルギー 1494
19 1927 ダンツィヒ 自由都市ダンツィヒの旗 自由都市ダンツィヒ 905
18 1926 エディンバラ イギリスの旗 イギリス 960
17 1925 ジュネーヴ スイスの旗 スイス 953
16 1924 ウィーン  オーストリア 3400
15 1923 ニュルンベルク ドイツの旗 ドイツ 4963
14 1922 ヘルシンキ  フィンランド 850
13 1921 プラハ チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア 2561
12 1920 デン・ハーグ オランダの旗 オランダ 408
11 1915 サンフランシスコ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 163
10 1914 パリ フランスの旗 フランス 第一次世界大戦で中止
9 1913 ベルン スイスの旗 スイス 1203
8 1912 クラクフ ポーランドの旗 ポーランド 1000
7 1911 アントウェルペン ベルギーの旗 ベルギー 1800
6 1910 ワシントンD.C. アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 357
5 1909 バルセロナ スペインの旗 スペイン 1287
4 1908 ドレスデン ドイツの旗 ドイツ 1500
3 1907 ケンブリッジ イギリスの旗 イギリス 1317
2 1906 ジュネーヴ スイスの旗 スイス 1200
1 1905 ブローニュ=シュル=メール フランスの旗 フランス 688

脚注

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  1. ^ https://vk.mondafest.net/aligxintoj/
  2. ^ https://uea.org/aktuale/komunikoj/2019/Rezolucio-de-la-104-a-Universala-Kongreso-de-Esperanto
  3. ^ https://uea.org/kongresoj/UK/2018/
  4. ^ https://uea.org/pdf/uk2017/Kandellumo_Verda_6.pdf/
  5. ^ https://uea.org/pdf/uk2016/Pribina6.pdf
  6. ^ Universala Esperanto-Asocio: "Fina statistiko de Lillo: 2698 aliĝintoj el 80 landoj".
  7. ^ Universala Esperanto-Asocio: "Rezolucio de la 99-a Universala Kongreso de Esperanto".
  8. ^ Universala Esperanto-Asocio: "La 98-a Universala Kongreso de Esperanto Archived 2013年5月3日, at Archive.is".
  9. ^ https://uea.org/pdf/uk2012/Loa!-5.pdf
  10. ^ Vikinga Voĉo, n-ro 6 (La kongresa Kuriero de la 96-a Universala Kongreso de Esperanto[リンク切れ].
  11. ^ Gazetaraj Komunikoj de UEA: N-ro 391 (2010-07-28)

外部リンク

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