中国知網
URL |
oversea cnki |
---|---|
言語 | 中国語、英語 |
タイプ | 電子出版 |
本社所在地 | 北京 |
運営者 | 同方知網北京技術有限公司 |
営利性 | 商業 |
開始 | 1996年 |
現在の状態 | Active |
中国知網(中国語:中国知网)とは、中国の主流な学術論文、雑誌データベースである。公式論文データベースの役割を果たしているものの、民間企業に当たる[1]。正式名前は中国知識基礎設施工程(China National Knowledge Infrastructure,CNKI)[2]。
中国で出版される学術雑誌をほぼ収録していて、大学院学位論文(修士、博士)も基本すべて収録される。[3]また、論文の剽窃チェッカー、辞書、百科事典なども提供している。
運営
[編集]中国の清華大学グループの清華同方光盤株式会社 (Tsunghua Tongfang OpticalDisc Ltd.略称:TTOD)をはじめ、中国学術(光盤版)電子雑誌社、清華大学光盤国家工程研究センター、 清華同方電子出版社、清華同方教育技術研究院などが1999年7月からCNKI事業を開始した[4]。主に2社が主導し、TTODがインターネットや閲覧システムなどの技術的な役割を担い、中国学術(光盤版)電子雑誌社が資料の収集・編集・校閲を担っている[4]。
文献データのファイル形式は、cajとpdfである。pdfはAdobe Acrobat用の、cajはTTODが独自に開発したビューアーCAJViewer用のファイル形式である[4]。
CNKIの利用方式は、インターネットアクセス方式、ローカルホスティング方式、DVD-ROM方式がある[5]。
CNKI内には、4つのデータベースがあり、閲覧にはそれぞれのデータベースに対して、年間単位で利用料を払わないとならない[5]。
- 中国学術雑誌全文データベース(China Academic Journal Full-Text Database 略称:CJFD)
- 中国重要新聞データベース(China Core Newspaper Database 略称:CCND)
- 中国博士・修士学位論文データベース(China Doctor/Master Dissertation Database 略称:CDMD)
- 中国重要会議論文集データベース(China Proceedings of Conferences Database 略称:CPCD)
歴史
[編集]1996年12月にCD-ROMの形式で出版[6]。
1999年にオンライン版が提供された。
2016年、8年前に公開された文書を登録ユーザーに無料で提供することとした[7]。
2021年12月7日、中南財経政法大学の元教授である趙徳信の論文を無断転載したことに対して賠償が命じられた[8]。そのほか、2021年に有料の著作物を無料で無断転載したとして賠償を命じられている[9]。
2022年までに、多くの大学や研究機関が高額な利用料から利用を停止した[10][11][12]。
2022年5月13日、国家市場監督管理総局が高額な使用料の徴収に対して独占禁止法の疑いで調査を開始した[13]。2022年12月26日に、独占禁止法57条及び59条に違反としたとして行政罰・是正勧告・罰金刑が課された[14][15][16]。
2023年9月6日、個人情報、主要産業分野の重要データ、機密技術情報などの扱いに対して、インターネット安全法(サイバーセキュリティー法)などの違反で5000万元の罰金が課されることとなった[17][18]。
出典
[編集]- ^ “中国知识基础设施工程”. www.cnki.net. 2023年2月14日閲覧。
- ^ Tokizane, Soichi「中国における電子ジャーナルの現状」『情報管理』第50巻第1号、2007年、2–10頁、doi:10.1241/johokanri.50.2、ISSN 0021-7298。
- ^ “中国知网硕博士论文数据库 | 中国科学技术大学图书馆”. 2023年2月14日閲覧。
- ^ a b c 川崎, 道雄「中国における「知識のインフラ」整備事業 : 清華大学主管の学術情報データベースの概要(<特集>中国のいま)」2005年、doi:10.18919/jkg.55.1_15。
- ^ a b Kawasaki, Michio「中国最大の論文データベース“CNKI”とその新しい商品―「CNKIカード」の紹介」『情報管理』第48巻第2号、2005年、119–123頁、doi:10.1241/johokanri.48.119、ISSN 0021-7298。
- ^ “《中国学术期刊(光盘版)》检索评价”. 图书馆建设 (06): 19–23. (2000). doi:10.3969/j.issn.1004-325X.2000.06.006. ISSN 1004-325X. オリジナルの2021-11-12時点におけるアーカイブ。 2021年11月12日閲覧。.
- ^ 潘俊文;蔡晓仪. “中国知网致歉:将妥当处理赵德馨教授作品继续传播的问题”. 红星新闻. オリジナルの2022年5月19日時点におけるアーカイブ。 2022年5月19日閲覧。
- ^ 李玉莹 (2021年12月7日). “100多篇文章被中国知网擅自收录 九旬教授维权全部胜诉获赔70多万” (中国語). 长江日报. pp. 5版. オリジナルの2021年12月15日時点におけるアーカイブ。 2021年12月15日閲覧。
- ^ “女作家把知网告上法庭,一审获赔22800元 中国青年报官微”. (2022年4月29日)
- ^ Xie, Echo (2022年4月19日). “China's biggest academic database too expensive for its top research body” (英語). South China Morning Post. オリジナルの2022年6月8日時点におけるアーカイブ。 2022年6月8日閲覧。
- ^ Liu, Jing (2022年5月13日). “China's biggest academic database faces anti-monopoly probe” (英語). Times Higher Education. オリジナルの2022年6月8日時点におけるアーカイブ。 2022年6月8日閲覧。
- ^ Wu, Peiyue (2022年4月19日). “China's Top Research Agency Stops Using Costly Academic Database” (英語). Sixth Tone. オリジナルの2022年6月15日時点におけるアーカイブ。 2022年6月8日閲覧。
- ^ “中国CAC、学術文献サービス「中国知網」を調査”. Reuters (2022年6月24日). 2024年11月14日閲覧。
- ^ “市场监管总局依法对知网滥用市场支配地位行为作出行政处罚并责令其全面整改”. オリジナルの2023年1月17日時点におけるアーカイブ。 2022年12月26日閲覧。
- ^ “市场监管总局依法对知网滥用市场支配地位行为作出行政处罚并责令其全面整改”. www.samr.gov.cn. 2022年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月26日閲覧。
- ^ “【23-008】知網社への罰金と同社の改善策について”. spc.jst.go.jp. 2024年11月14日閲覧。
- ^ “中国当局、学術論文大手に10億円罰金 ネット安全法違反”. 日本経済新聞 (2023年9月6日). 2024年11月14日閲覧。
- ^ “知网又被罚5000万元,公司回应!去年因垄断被罚8760万元,这次是因为......” (中国語). 每日经济新闻 (2023年9月6日). 2023年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月6日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 中国知網
- CNKI 中国学術雑誌全文データベース(CAJ)の使い方 - 国立国会図書館