中川右介
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中川 右介(なかがわ ゆうすけ、1960年9月15日[1] - )は、日本の評論家・編集者。元・出版社経営者。旧姓藤岡。東京都出身[1]。
経歴・人物
[編集]祖父・藤岡淳吉は日本共産党創立メンバーの一人で、脱党後は共生閣や聖紀書房、彰考書院などの出版社を経営した人物。その影響で、中川自身も小学生まで社会主義者だった[2]。のち両親の離婚により、母方の姓となる。
早稲田大学第二文学部卒業後、父・藤岡啓介が創立した出版社アイピーシー(インタープレスから社名変更)の倒産の後始末をする過程で、自らの出版社アルファベータを創立。ドイツ、イタリア、米国など海外の出版社と提携して芸術家や文学者の評伝を出版。
アルファベータ代表取締役や『クラシックジャーナル』編集長を務める傍ら、自らもクラシック音楽関係の著書を執筆。日本の歌舞伎、ポップスに関する著書もある。
2014年10月、株式会社アルファベータを引き継ぎ、新会社、株式会社アルファベータブックスが創設された。
菅直人元首相との親交もあり、菅の著書『大臣』(岩波新書、新版2010年)に、三十年来の協力者として名が記されている。週刊朝日の取材に対しては、「(菅は)思考は原理原則主義だが、行動は妥協主義」とコメントしている。
著書
[編集]単著
[編集]- 『ブームはどう始まりどう終わるのか』(2004年、岩波アクティブ新書)
- 『常識として知っておきたいクラシック音楽』(2004年、kawade夢新書)
- 『聴いておきたい クラシック音楽50の名曲』(2013年、河出文庫)
- 『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』(2006年、青春新書インテリジェンス)
- 『クラシック音楽 一曲も聴いたことのない人のための超「入門書」』(2018年、青春出版社・青春文庫)
- 『モーツァルト ミステリーツアー』(2006年、ゴマブックス)
- 『松田聖子と中森明菜』(2007年、幻冬舎新書/2014年、朝日文庫)。文庫は増補版
- 『カラヤンとフルトヴェングラー』(2007年、幻冬舎新書)
- 『カラヤン帝国興亡史 史上最高の指揮者の栄光と挫折』(2008年、幻冬舎新書)
- 『カラヤン 帝王の世紀 孤高の天才指揮者、波乱の100年』(2008年、宝島社新書)
- 『クラシック音楽と西洋美術 教養のツボが線でつながる』(2008年、青春文庫)
- 『巨匠たちのラストコンサート』(2008年、文春新書)
- 『十一代目團十郎と六代目歌右衛門』(2009年、幻冬舎新書)
- 『世界の10大オーケストラ』(2009年、幻冬舎新書)
- 『歌舞伎座物語 明治の名優と興行師たちの奮闘史』(2010年、PHP研究所)
- 『歌舞伎座誕生 團十郎と菊五郎と稀代の大興行師たち』(2013年、朝日文庫)
- 『坂東玉三郎 歌舞伎座立女形への道』(2010年、幻冬舎新書)
- 『大女優物語 オードリー、マリリン、リズ』(2010年、新潮新書)
- 『昭和45年11月25日-三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』(2010年、幻冬舎新書)
- 『ショパン 天才の秘話』(2010年、静山社文庫)
- 『モーツァルトとベートーヴェン』(2010年、青春新書)
- 『悲劇の名門 團十郎十二代』(2011年、文春新書)
- 『二十世紀の10大ピアニスト』[3](2011年、幻冬舎新書)
- 『第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話』(2011年、幻冬舎新書)
- 『指揮者マーラー』(2012年、河出書房新社)
- 『山口百恵 赤と青とイミテーション・ゴールド』(2012年、朝日文庫)
- 『聴かなくても語れるクラシック』(2012年、日本経済新聞社〈日経プレミア〉新書)
- 『グレン・グールド 孤高のコンサート・ピアニスト』(2012年、朝日新書)
- 『「未完成」 大作曲家たちの謎を読み解く』(2013年、角川SSC新書)
- 『不滅の名作ミステリへの招待』(2013年、七つ森書館)
- 『国家と音楽家』(2013年、七つ森書館/集英社文庫、2022年)
- 『クラシック音楽の歴史』(2013年、七つ森書館/角川ソフィア文庫、2017年)
- 『歌舞伎 家と血と藝』(2013年、講談社現代新書)
- 『源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 『ドラえもん』の現実(リアル)』PHP新書、2014年
- 『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』角川マガジンズ、2014年/角川文庫、2016年
- 『悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東』幻冬舎新書、2014年
- 『超訳「芸術用語」事典』PHP文庫、2014年
- 『出版社社長兼編集者兼作家の 購書術 本には買い方があった!』小学館新書、2015年
- 『ヒトラー対スターリン 悪の最終決戦』ベストセラーズ・ベスト新書、2015年
- 『オリンピアと嘆きの天使 ヒトラーと映画女優たち』毎日新聞出版、2015年。レニ・リーフェンシュタール/マレーネ・ディートリヒ
- 『怖いクラシック』NHK出版新書、2016年
- 『戦争交響楽 音楽家たちの第二次世界大戦』朝日新書、2016年
- 『歌舞伎一年生 チケットの買い方から観劇心得まで』ちくまプリマー新書、2016年
- 『月9 101のラブストーリー』幻冬舎新書、2016年
- 『阪神タイガース 1965-1978』角川新書、2016年
- 『SMAPと平成』朝日新書、2016年
- 『現代の名演奏家50 クラシック音楽の天才・奇才・異才』幻冬舎新書、2017年
- 『ロマン派の音楽家たち-恋と友情と革命の青春譜』ちくま新書、2017年
- 『ここが見どころ!聴きどころ!西洋絵画とクラシック音楽』青春出版社、2017年
- 『冷戦とクラシック 音楽家たちの知られざる闘い』NHK出版新書、2017年
- 『江戸川乱歩と横溝正史』集英社、2017年/集英社文庫、2020年
- 『阿久悠と松本隆』朝日新書、2017年
- 『海老蔵を見る、歌舞伎を見る』毎日新聞出版、2018年
- 『世界を動かした「偽書(フェイク)」の歴史』ベストセラーズ、2018年
- 『松竹と東宝 興行をビジネスにした男たち』光文社新書、2018年
- 『1968年』朝日新書、2018年
- 『サブカル勃興史 すべては1970年代に始まった』角川新書、2018年
- 『手塚治虫とトキワ荘』集英社、2019年/集英社文庫、2021年
- 『読解!「ドラえもん」講座 世代・フェミニズム・国際政治・スクールカースト・郊外と家族』イースト・プレス 文庫ぎんが堂、2019年
- 『玉三郎 勘三郎 海老蔵 平成歌舞伎三十年史』文春新書、2019年
- 『阪神タイガース 1985-2003』ちくま新書、2019年
- 『至高の十大指揮者』角川ソフィア文庫、2020年1月
- 『萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命』幻冬舎新書、2020年3月
- 『アニメ大国 建国紀 1963-1973 テレビアニメを築いた先駆者たち』 イースト・プレス、2020年8月/集英社文庫、2023年10月
- 『文化復興 1945年8月-12月』朝日新書、2020年10月
- 『勝新太郎と市川雷蔵』KADOKAWA、2021年9月
- 『プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡』日本実業出版社、2021年10月/朝日文庫、2024年12月
- 『不朽の十大交響曲』角川ソフィア文庫、2022年5月
- 『世襲 政治・企業・歌舞伎』幻冬舎新書、2022年11月
- 『社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡』日本実業出版社、2023年1月
- 『沢田研二』朝日新書、2023年12月
- 『第二次マンガ革命史 劇画と青年コミックの誕生』双葉社、2024年2月
- 『100年の甲子園 阪神タイガースと高校野球』朝日新聞出版、2024年8月
共著
[編集]- 鈴木邦男『脱右翼宣言』(1993年、アイピーシー)- 企画構成
- 田中長徳『このカメラを復刻せよ』(2000年、アルファベータ)
- 田中長徳『デジタルカメラ批判序説』(2003年4月、アルファベータ)
- 安田寛『ショスタコーヴィチ評盤記』(2007年、アルファベータ)
- 安田寛『ショスタコーヴィチ評盤記Ⅱ』(2009年、アルファベータ)
- 『大林宣彦の体験的仕事論 人生を豊かに生き抜くための哲学と技術』PHP新書、2015年 - 聞き手解説
- 石井義興『ホロヴィッツ 20世紀最大のピアニストの生涯と全録音』アルファベータブックス、2018年
脚注
[編集]- ^ a b 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.458
- ^ 中川右介『巨匠たちのラストコンサート』(2008年、文春新書)p.223
- ^ 10大ピアニストとは、セルゲイ・ラフマニノフ、アルフレッド・コルトー、アルトゥル・シュナーベル、ヴィルヘルム・バックハウス、アルトゥール・ルービンシュタイン
クラウディオ・アラウ、ウラディミール・ホロヴィッツ、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ、スヴャトスラフ・リヒテル、グレン・グールドの10名
外部リンク
[編集]- 中川右介 (@nakagawayusuke) - X(旧Twitter)
- 中川右介 - 現代ビジネス