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中曽根雅夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なかそね まさお
中曽根 雅夫
生年月日 (1935-07-17) 1935年7月17日
没年月日 (1993-09-02) 1993年9月2日(58歳没)
出身地 日本の旗 日本長野県[1][2]
職業 俳優声優
ジャンル テレビドラマアニメ吹き替え
活動期間 1958年 - 1972年
主な作品
ウルトラマン
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中曽根 雅夫(なかそね まさお、1935年7月17日[3][2][4] - 1993年9月2日[1])は、日本男性俳優声優長野県出身[1][2][注 1]東京放送専属劇団[3]、青年工房[4]、土の会[3]河の会に所属していた[2]

来歴・人物

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長野県上田千曲高等学校[6]東京アナウンスアカデミー卒業[6]

1958年よりTBS放送劇団に6期生として入団[1]。同期には天田俊明田中信夫がいる[1]

特撮テレビ番組『ウルトラマン』の主人公M78星雲から来た巨大な宇宙人=ウルトラマン)の声、掛け声(効果音)を担当した。しかしタイトルバックに中曽根の名前がクレジットされなかったこともあり、「シュワッチ!」という広く知られた掛け声に対し、中曽根の名はほとんど知られていない。

中曽根はウルトラマンの話し声(人間の言葉を話す際の声)も担当することになっていたが、それが決まった時にはアフレコ収録が進んでおり、第1話でウルトラマンの話し声を演じることはなかった(アフレコの現場にいた編集技師の近藤久が演じた)。しかし、その後はウルトラマンの声を一任されることになった。より良い響きが出るよう、ピアノやお風呂場の中に顔を突っ込んで発声するなどして、よく知られるウルトラマンの声を完成させていった。第33話ではメフィラス星人との会話シーンを担当、掛け声ではなく、ウルトラマンの話し声を演じることができた。

その後東映アニメ作品などにも声優として出演していたが、俳優として芽が出ることはついになく、TBS劇団が解散した後はさまざまな仕事を転々とした後に家族とも離別、不遇の内に1993年孤独死した[1]

田中信夫は死去時の状況について、「1993年9月2日、3時」(田中が中曽根の亡骸を発見した警察から連絡を受けてメモした日付で、この日が【命日】かは、未確認)とし、「風邪をこじらせての、衰弱死か病死」と述べている[1]。警察より田中に照会が行ったのは、遺品手帳に田中の氏名が書かれ、住まいも近所だったからとの理由だという。しかし、田中は中曽根が近所に住んでいた事も知らなかったとしている[1][注 2]

田中は中曽根について、「見かけはコワモテだったが、優しすぎるほどの優しい男だった」と回想している[1]。死の1年ほど前にも田中に「新しいウルトラマンの声、俺の声だよな」、「俳優として返り咲きたい」旨を告げていたという[1]。田中はブランクの長さなどから「無理だよ」と答えたとされるが、中曽根は複数のプロダクションに接触していたとされる[1]

出演作品

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テレビドラマ

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テレビアニメ

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吹き替え

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ドラマ

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  • ミステリー・ゾーン(TBS版)
    • 1961年 第2シーズン 第1話「キング・ナイン号帰還せず」- 医者(演:ポール・ランバート)[12]
    • 1966年 第3シーズン 第28話「こびと虐殺」- 宇宙人1(演:マイケル・フォード)[13]
  • アウター・リミッツ
    • 1964年 第1シーズン 第4話「人間電池」(テレビ朝日版)- スティーブ・クランドン(演:フレッド・ベア)
    • 1964年 第1シーズン 第10話「悪夢」(テレビ朝日版)- ヨング大佐(演:ジェームズ・シゲタ
    • 1966年 第2シーズン 第40話「人工惑星ウルフ359」(日本テレビ版)- ジェームズ・カスター(演: ダブニー・コールマン
  • 1967年 スパイ大作戦
    • 第1シーズン 第15話「ヒトラーの遺産を奪取せよ」- ブルーカー(演:ビル・フレッチャー)
  • 1969年 青い戦慄 - ロイド探偵(演:チャールズ・アンソニー・ヒューズ)
  • 1969年 美しき冒険 - 男(2)
  • 1972年 刑事コロンボ (NHK版)
    • 第1シーズン 第5話「ホリスター将軍のコレクション」- ロジャー・ダットン大佐(演:バレリー・ハーパー)
  • 1974年 赤い山
  • アリゾナ・トム

人形劇

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  • 1965年 サンダーバード - FF3号機長、レーダー係、タクシー運転手、ハッサン・アリ、RTL2号、サベッジ機長

ラジオドラマ

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  • 1959年 証拠 - 副官[14]

舞台

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  • 1959年 松川事件 - 浜崎の父[15]

演じた俳優

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関連書籍

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脚注

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注釈

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  1. ^ 群馬県生まれと記載している資料もある[5]
  2. ^ 田中が最後に中曽根と会った時点では埼玉県在住だったとされる[1]
  3. ^ 戦闘時の掛け声、および第33話での台詞。中曽根によるウルトラマンの「シュワッチ!」という掛け声は、その後の『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマンA』、『ウルトラマンG』、『ウルトラマンパワード』、『ウルトラマンネオス(パイロット版)』などにも流用されている。
  4. ^ 公式サイトでは中曽根夫と誤記[11]
  5. ^ 前記のウルトラマンの「シュワッチ!」が完成するまでの経緯や、不明な点の多い中曽根の生涯について、田中信夫らへの取材をもとに記載されている。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 河崎実『「第三章 中曽根雅夫とはどんな人だったのか?」『ウルトラマンはなぜシュワッチと叫ぶのか?』円谷プロダクション(監修)、角川書店、2001年、65 - 76頁。 
  2. ^ a b c d e 日本放送年鑑'70』岩崎放送出版社、1970年、738頁。 
  3. ^ a b c 『タレント名鑑NO1改訂版』芸能春秋社、1963年、134頁。 
  4. ^ a b 『出演者名簿』《昭和36年版》著作権資料協会、1961年、261頁。 
  5. ^ 中曽根雅夫の解説”. goo人名事典. 2022年1月10日閲覧。
  6. ^ a b 『メディア史研究』《第13号》ゆまに書房、2002年、70頁。ISBN 978-4843308172 
  7. ^ 『円谷プロ画報 (1)』(竹書房・2013年)p.194
  8. ^ 『円谷プロ画報 (1)』 p.199
  9. ^ 『円谷プロ画報 (1)』 p.214、215
  10. ^ キネマ旬報』8月上旬号、キネマ旬報社、1958年6月、78頁。 
  11. ^ a b アタックNo.1”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2024年5月4日閲覧。
  12. ^ 池田憲章、伊藤秀明、『ミステリー・ゾーン/未知の世界 傑作選 Vol.3』 Disc 2、ジャケット裏解説文、パイオニアLDC、1998年
  13. ^ 池田憲章、伊藤秀明、『ミステリー・ゾーン/未知の世界 傑作選 Vol.7』 Disc 2、ジャケット裏解説文、パイオニアLDC、1998年
  14. ^ 木下順二「解題」『口笛が 冬の空に… 木下順二作品集IV』未来社、1962年、421 - 422頁。 
  15. ^ 北条秀司『北条秀司劇作史』日本放送出版協会、1962年、322頁。 

外部リンク

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