中洲カジノバー汚職事件
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中洲カジノバー汚職事件(なかすカジノバーおしょくじけん)[1]は、違法な賭博行為を行っていた営業者に対し、福岡県警の現職警察官が捜査情報を漏洩し、見返りに金品を受け取ったとして、2000年から2002年にかけて関係者が逮捕された事件[2][3]。警察官4人が懲戒免職となったほか、贈収賄双方に実刑判決を受ける者が出るに至り、福岡県警内でも業者との不適切な交際が指摘されたり、監督責任などを問われた幹部などの処分が多数にのぼった[4]。
事件内容
[編集]1995年9月まで博多警察署に勤務していた警察官が、筑紫野警察署に異動後、1996年になってから上司を通じて複数の捜査報告書を福岡県警察本部に提出した[5]。県警本部は、「裏づけ調査を行ったが、事実を確認できなかった」として、捜査は行われなかった[6]。この内部告発をおこなった警察官は、2000年に退職した[6]。
この事件の発覚後、福岡県警は改めて内部調査を行い、起訴された4人とは別に、8人の警察官について、業者から利益供与を受けていたなどとして、減給、戒告、訓告などの処分が課された[4][7]。さらに、監督責任を問われた県警本部長、課長、係長、班長、管理官などの幹部は十名以上に及んだ[4]。
中洲の事件と同様に、カジノバー絡みで警察官が汚職に問われた例としては、1993年の警視庁赤坂警察署ゲーム機汚職事件(収賄)がある[8][9]。
出典・脚注
[編集]- ^ 新聞報道などでは福岡県警カジノ汚職事件、福岡県警捜査情報漏えい汚職事件などとも呼ばれた。
- ^ “Word Box 福岡県警捜査情報漏えい汚職事件”. 西日本新聞社 (2003年5月27日). 2011年11月29日閲覧。
- ^ “福岡県警カジノ汚職 元警官3人に実刑判決「警察の名誉失墜」/地裁”. 読売新聞(西部夕刊): p. 1. (2003年5月27日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ a b c “福岡県警カジノ汚職処分 汚れた関係さらに8人 業者接待など組織内にまん延”. 読売新聞(西部朝刊) (読売新聞社): p. 31. (2002年8月9日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ 平野貞夫 (2003年11月19日). “福岡県警察における「カジノバー汚職事件」に関する質問主意書”. 参議院. 2011年12月10日閲覧。
- ^ a b 小泉純一郎 (2004年1月16日). “参議院議員平野貞夫君提出福岡県警察における「カジノバー汚職事件」に関する質問に対する答弁書”. 参議院. 2011年12月10日閲覧。
- ^ “福岡県警カジノ汚職事件 本部長ら23人処分/国家公安委員会”. 読売新聞(西部朝刊) (読売新聞社): p. 1. (2002年8月9日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “カジノバー警官汚職の贈賄側2人 「金渡せ」従業員に指示 元歌手にも工作依頼”. 読売新聞(東京夕刊) (読売新聞社): p. 19. (1993年11月27日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “警視庁赤坂署員によるカジノ汚職で有罪確定”. 読売新聞 (読売新聞社): p. 34. (1994年9月29日) - ヨミダス歴史館にて閲覧
参考文献
[編集]- 福岡県警察における「カジノバー汚職事件」に関する質問主意書 汚職についての参議院質問